不妊治療は治療法によって得られる効果や対応している状態などが異なります


不妊治療には、排卵のタイミングを計るタイミング法や・人工授精・体外受精などがあり、それぞれ得られる効果が異なります。

そのため、女性の身体の状態や夫婦の抱えている問題に合わせて、効果的な治療法を選択する必要があるのです。
不妊治療の流れとして多いのはタイミング法を行い、その後人工授精・体外受精と進むケースです。

基本的にはこのようなステップアップ方式をとる場合がありますが、場合によっては体外受精からステップダウン方式をとる場合もあります。
段階を踏むことで、効率のよい不妊治療を進められます。

タイミング法では自然な妊娠を促します

不妊治療では、一般的にタイミング法が最初の治療として選ばれます。
排卵日を医師が推定して、そのタイミングに合わせて自然を目指す方法です。

排卵誘発剤を併用することもありますが、不妊治療の中では比較的リスクの少ない治療法といえます。
最初にタイミング法が選ばれる治療は、35歳未満の女性に行われる傾向もあります。

これは、女性が30代後半から急激に卵子の数が減少するためです。
タイミング法の治療効果は、もっとも自然妊娠に近い方法で妊娠を目指せるということです。

1回で妊娠に至らなくても5回くらいを目安に繰り返し、それでも成功しなければ人工授精や体外受精へと治療をステップアップしていきます。
排卵のタイミングを計って性交するタイミング法は、自分で排卵日を予測するのと同じと考える人もいるでしょう。

しかし医師が排卵日を推定する方法には、超音波検査なども含まれます。
排卵期が近づいたら、来院して卵胞の大きさを測定することで最適なタイミングかどうかを判断するのです。

卵胞のサイズが成長し、頸管粘液が精子を受け入れやすい状態になっているかどうかなども判断しながら、タイミング指導が行われます。
このため、不妊治療でのタイミング法は、効果的な自然妊娠につながるのです。

人工授精は受精・着床すれば自然妊娠と同じ状態となります


タイミング法で治療を進めても妊娠に至らない場合は、人工授精(AIH)へとステップを進めるのが一般的です。
人工授精では、受精の場である卵管膨大部に十分な精子を届けるため、精製選別したよい精子を子宮膣内に注入します。

性交障害がある場合などにも効果的な治療法で、受精・着床後は自然妊娠と同様の状態になるという点も特徴の一つです。
人工授精の排卵日の推定は、タイミング法と同じように行われます。

男性が当日医療機関で精子を採取するか、自宅で採取して医療機関に持参するかを選べます。
ただし、採取した精子は、1時間以内に医療機関に持参しなければなりません。

女性の自然周期で排卵がうまくいかない場合は、排卵誘発剤を併用することもあります。
通常の人工授精を行うよりも、排卵誘発剤を併用したほうが妊娠率が高いとされています。

また排卵誘発剤の中でも妊娠率が高いとされているのが、ゴナドトロピンという薬です。
もちろん、個人によって薬との相性や効果が違ってきますから、医師と相談することも大切です。

排卵誘発剤にも副作用のリスクがあることは、注意しておきましょう。
人工授精を数回繰り返しても効果を得られなかった場合は、体外受精のステップへと進むことが多くなっています。

体外受精の確率は体内受精より高いと考えられています

人工授精で妊娠効果を得られなかった場合に進むステップとして選ばれることが多いのは、体外受精です。
体外受精は妊娠の成功率が20~40%ほどといわれており、体内受精で妊娠する確率の5~20%よりはるかに期待できるといえます。

治療法は、卵子を体外に取り出し、男性側で採取した精子と受精させて受精卵を作り、細胞分裂が始まったことを確認してから女性の子宮内に戻す流れです。
人工授精では女性の体から卵子を取り出す必要がないため、その点も大きな違いです。

体内受精から体外受精に切り替えるタイミングは、年齢や体質なども考慮されます。
女性の年齢が高い場合には、体外受精のような高度な不妊治療から始めて、徐々にステップダウンしていく治療法がとられることもあります。

というのも、妊娠する確率や女性の体への負担を考えると、効率のよい治療をすることが重要だからです。
体内受精でも体外受精でも、1回の治療で妊娠に至らなかったからといって、その後妊娠する可能性がないとは限りません。

複数回治療を繰り返した人のほうが、妊娠率が高いともいわれているほどです。
もちろん、治療回数を重ねれば妊娠率が高まると単純に解釈することもできません。

(まとめ)不妊治療は治療法によって効果が異なる?

1.不妊治療は治療法によって得られる効果や対応している状態などが異なります

不妊治療は、タイミング法による自然妊娠・人工授精・体外受精といった方法によって、細かく効果が異なります。

ステップアップ方式や、その逆のステップダウン方式など、段階を踏んで効率よく治療が進められます。

2.タイミング法では自然な妊娠を促します

不妊治療で最初に行われやすいタイミング法では、医師が排卵のタイミングを推定して自然妊娠を目指します。

超音波検査などにより、卵胞のサイズや精子を受け入れる粘液の状態なども調べることができるため、自分で排卵日を予測するよりも効果的です。

3.人工授精は受精・着床すれば自然妊娠と同じ状態となります

タイミング法の次には、人工授精のステップに進むことで妊娠の効果を目指すのが一般的です。

不妊の原因が特定できずにタイミング法を始めた方以外にも、性交障害がある場合などに効果的です。

4.体外受精の確率は体内受精より高いと考えられています

体外受精の効果は、体内受精の妊娠率より倍程度に高まるといわれています。

人工授精との違いは、卵子を女性の体から外に取り出すかどうかです。
不妊治療は複数回繰り返すことで妊娠率が高まるというものの、回数を重ねれば効果が必ず出るとも限りません。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師