目次
体外受精の着床後に分泌されるhCGホルモンの量で妊娠判定を行います
体外受精で移植したあとは、ちゃんと着床したのかが気になるものです。
着床したかどうか、いわゆる妊娠判定を検査したいものですが、妊娠判定は、着床後に分泌されるhCGホルモンの量で検査をします。
徐々に分泌量が増えるため、体外受精で移植後は、14~21日程度経過してから検査を行うと、きちんとした結果が分かります。
体外受精で着床後のhCGホルモンの分泌量を検査して妊娠判定を行います
体外受精後、移植した受精卵が無事に着床をすればひとまず妊娠成功となるのですが、着床までの日数は、移植した受精卵の状態によって異なります。
初期胚と呼ばれる受精して2~3日目、4~8分割になった受精卵を移植した場合は、移植後上手くいけば3~5日で着床します。
胚盤胞と呼ばれる受精して5日目以降で初期胚よりもさらに分割が進んだ成熟した受精卵を移植した場合は、移植後上手くいけば1~2日後には着床します。
着床すると妊娠成功となるのですが、妊娠判定ができるのはさらに先になるため、自分で着床したかどうかをチェックすることはできません。
妊娠の成功は、移植後14~21日程度経過してからようやく妊娠判定で正確な確認ができます。
その際は、血液検査または尿検査を行い、血中または尿中に妊娠ホルモンと呼ばれるhCGホルモンが分泌されているかどうかを見て、妊娠しているかどうかを検査します。
一般の市販検査薬と医療機関が使う妊娠判定薬とでは、基準となる数値が異なるため、市販の検査薬で検査した場合でも、医療機関の妊娠判定を受けることをおすすめします。
着床後は身体に変化が現れることがあります
受精卵が無事に着床すると、身体は妊娠へと様々な変化を起こし始めます。
敏感な方の場合は、着床してすぐに身体の変化を感じ取る人もいます。
主な体調の変化は、おヘソの下あたりの下腹部がチクチクと痛みを感じたり、生理痛のような鈍痛・胸の張りや痛みを感じることもあります。
熱っぽい倦怠感や、頭痛や腰痛が出る場合もあります。
いわゆる「つわり」と呼ばれる吐き気が出てくることもあります。
妊娠初期の身体の変化は風邪に似た症状が多く、風邪と勘違いしてしまう方も多くいます。
妊娠初期は非常に大切な時期であるため、風邪と間違えて市販の風邪薬や鎮痛剤を飲まないように気をつけましょう。
体調がいつもと違うと思ったら、自己判断で薬を飲まずに、医療機関を受診して医師から指示を仰ぐようにしましょう。
着床後の身体の変化は敏感な人は感じ取りますが、ほとんどの人は自覚症状がありません。
自覚症状が何も出ないからといって妊娠していないとは言い切れません。
あまり気にしすぎないように気を付けて、妊娠判定日を待ちましょう。
着床後に出血することもありますが心配な場合は医療機関を受診しましょう
着床後は、身体の変化のひとつとして性器からの不正出血が起こることもよくあります。
妊娠期間に出血があると、流産のイメージが強い方も多いかもしれませんが、妊娠期間中は流産以外でも状況によって出血が起こることがあります。
体外受精の移植後しばらくしてから出血する場合は、着床出血である可能性も高いでしょう。
着床出血は、受精卵が着床する時期に起こる出血のことで、通常1~3日程度で自然におさまります。
気になる出血量ですが、多くの場合はオリモノにうっすらと茶色っぽい色やピンク色ぽい出血が混ざっているようなごく少量であるものです。
また着床出血は出血の症状だけでなく、同時に下腹部にチクチクとした痛みを感じることもよくあります。
通常の生理の時のように出血の量が多い場合や、1週間以上出血が続くような時は、他の原因からの出血も疑われるので、医療機関やクリニックを受診することをおすすめします。
もちろん妊娠していても出血がない場合も多くあるため、着床出血がないからといって、過剰に心配する必要はありません。
(まとめ)体外受精の着床後の妊娠判定はどのような方法?
体外受精で着床が成功すると、hCGホルモンが分泌され、その濃度によって妊娠判定が行われます。
徐々に濃度が高くなるため、移植後は14~21日程度待ってから妊娠判定を行います。
初期胚の場合で移植後3~5日、胚盤胞を移植した場合は1~2日で着床します。
体外受精で着床が成功したかどうかは、妊娠判定日で着床後に分泌されるhCGホルモンの量を計測することによって知ることができます。
着床後は妊娠初期独特の体の変化が現れることがあります。
風邪に似た症状もあるため、勘違いして風邪薬を飲まないように気をつけましょう。
妊娠していても自覚症状がないことも多いため、体調の変化がないからといってあまり神経質になる必要はありません。
着床すると、着床出血といってごく少量で2~3日程度性器からの不正出血が起こる場合があります。
出血の量が多い場合や、不正出血が1週間程度続く場合には他の原因も疑われるため、念のため医療機関やクリニックを受診することをおすすめします。