顕微授精(ICSI)
妊娠率や方法、費用について
※顕微授精は六本木院、池袋院
共に取り扱っております。
より高い受精率を目指す、
顕微授精という選択肢
顕微授精(ICSI)は、体外受精では受精が 難しい場合や男性不妊がある場合に おこなわれる生殖補助医療(ART)です。
六本木レディースクリニックでは、 卵子への負担を抑える「ピエゾICSI」をすべての 顕微授精で採用し、さらに精子を高精度で選別する IMSI(イムジー)やPICSI(ピクシー)などの 先進的な技術にも対応しています。
顕微授精(ICSI)とは?
顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injectionの略)とは、卵細胞質内精子注入法のことで、生殖補助医療(ART)のひとつです。
顕微授精では、髪の毛のように細い管(インジェクションピペット)で、選定されたひとつの精子を卵子の卵細胞質内に直接注入して受精させます。

顕微授精と体外受精の
受精率・妊娠率・流産率の違い
顕微授精の受精率は、一般的に約70〜80%といわれています。
また、日本産科婦人科学会が公表した新鮮胚を用いた治療成績〔2021年〕によると、移植あたりの妊娠率は18.8%、妊娠あたりの流産率は25%と報告されています。
| 受精率 | 妊娠率 | 流産率 | |
|---|---|---|---|
| 顕微授精 | 約70〜80% | 18.8% | 25.0% |
| 体外受精 | 約60〜70% | 23.6% | 24.6% |
参考:日本産科婦人科学会「表7 新鮮胚(卵)を用いた治療成績〔2021年〕」
なお、当院の顕微授精の実績では、20〜45歳までのすべての年代で、80%以上の高い受精率を残しています。
体外受精と顕微授精を比較すると、受精率は顕微授精のほうが高く、妊娠率はやや低い傾向がみられます。
ただし、顕微授精は女性の年齢が高いケースや重度の男性不妊など、より難易度の高い症例に適応されることが多い治療法です。そのため、患者背景の違いが妊娠率に影響していると考えられます。
つまり、妊娠率の差は顕微授精の技術そのものによるものではなく、治療対象となる患者の条件の違いによる影響が大きいとされています。
顕微授精と体外受精の違いについてはこちらの記事でも解説しています。
「体外受精と顕微授精の違いは?高度な不妊治療「生殖補助医療」とは」を読む顕微授精(ICSI)が適応される場合
顕微授精は、重度の男性不妊が認められる場合や、体外受精で受精が困難だった場合などに選択される方法です。
重症男性不妊症の方
重症乏精子症、精子無力症、奇形精子症、不動精子症などが対象です。精子の数が極端に少ない、極端に動きが悪いなどの原因で、体外受精では受精することが難しいと考えられる方に顕微授精を推奨しています。
体外受精で受精障害があった方
すでに体外受精をおこなった方で、全く受精しなかった場合、あるいは受精率が非常に悪かった場合も対象となります。また、抗精子抗体を持っている方も対象となる場合があります。
顕微授精(ICSI)の方法
採卵した卵子に対して顕微授精をおこないます。第一極体という小さな細胞が観察できる成熟した卵子であることが条件です。
顕微鏡下で良好な精子を選定し、精子の不動化処理をおこなったあとにインジェクションピペットで吸引します。
受精する卵子をホールドし、卵子の中心へピペットの先端を入れ、細胞膜を破ります。破膜後に精子を卵子に注入します。
顕微授精には従来から用いられてきたICSI(顕微授精)、ピエゾパルスを用いたピエゾICSIの2つの方法があります。
当院では、全件ピエゾICSI(顕微授精)の方法でおこなっております。
この2つの方法は、1個の卵子に1個の精子を直接入れることは同じですが、卵子の細胞膜の破り方に大きな違いがあります。
従来のICSI(顕微授精)
卵子の膜を先端の鋭いインジェクションピペットで物理的に破って、卵子の中に精子を注入する方法です。従来型の顕微授精では、針先を卵子に押し当てて卵子内への侵入を試みますが、針を卵子に刺しただけでは膜が破れないため、吸引圧をかけて膜を破ります。この針を刺す操作により、膜の弱い卵子は回復できず変性してしまうリスクがあります。
ピエゾICSI(顕微授精)
ピエゾICSIは、卵子への負担をできるだけ抑えて精子を注入する顕微授精の方法です。ピエゾパルスという機械的な微振動によって卵子の膜に穴をあけ、精子を卵子の中に注入します。
従来の顕微授精では、先端が鋭いマイクロピペットで卵子の膜を物理的に押し破るため、卵子に強い圧力がかかる場合があります。
一方、ピエゾICSIでは、先端が平らなマイクロピペットを使用するため、卵子の中の組織を傷つけずに侵入が可能です。吸引によるストレスが従来の顕微授精より少なく、卵子の変性やダメージを軽減できるため、卵子に優しい方法として大きな違いがあります。

六本木レディースクリニックでは、すべての顕微授精においてピエゾICSIを採用しています。卵子への負担をできる限り抑えながら、受精の可能性を高められるよう取り組んでいます。
顕微授精(ICSI)のオプション
顕微授精(ICSI)で結果が得られていない方に、IMSI(イムジー)・PICSI(ピクシー)という方法をオプションとしてご用意しております。
ご希望の方は医師にご相談ください。
※顕微授精(ICSI)のオプションは六本木院のみでの取り扱いとなります。
IMSI(イムジー)
IMSIは、微分干渉という光学システムを用いて、高倍率(900~6000倍)かつ、立体的に観察して、精子を選別する方法です。
精子の形態異常や空胞と呼ばれる形態的特徴を可視化し、よりよい精子を選別することができます。
そのため、ICSIの成績の改善が期待できます。
ICSI
(400倍で観察)
IMSI
(1200倍で立体的に観察)
- オプション料金
- 11,000円(税込)
※費用はすべて税込価格です。
※ICSI後に正常受精率が低い、受精障害、反復流産や着床不全を経験した患者さまを対象とします。
PICSI(ピクシー)
PICSIは、ヒアルロン酸が添加された培養液を用いて、精子を選別する方法です。
成熟した精子はヒアルロン酸に結合しやすい性質があるため、精子の成熟度を判別することができます。
また、PICSIではICSIに比べ受精率、妊娠率ならびに流産率の改善が期待できます。
ヒアルロン酸に
結合していない精子
(全体的に動いている)
ヒアルロン酸に
結合している精子
(頭部が止まったまま)
- オプション料金
- 22,000円(税込)
※費用はすべて税込価格です。
※ICSI後に正常受精率が低い、受精障害、反復流産や着床不全を経験した患者さまを対象とします。
精巣内精子による顕微授精(TESE-ICSI)

無精子症や精子の数が非常に少ない場合に射精した精液からではなく、外科的に精巣から精子を取り出し(TESE)、その精子を用いておこなう顕微授精です。
※当院ではTESE自体はおこなっておりませんが、他院でTESEした精子をお持ち込みいただき、ICSIをおこなうことは可能です。
顕微授精は
六本木院、池袋院共に取り扱っております。
※六本木院、池袋院それぞれ予約フォームが異なりますので、
院をご確認の上、ご予約くださいませ。
【採卵から移植まで】
顕微授精(ICSI)の全体的な流れ
顕微授精(生殖補助医療)の全体的な流れは以下のとおりです。

1. 採卵・採精
卵巣刺激で卵子を育てたあと、卵巣から卵子を採取(採卵)します。
男性側も精子を採取(採精)します。
2. 良好な精子の選別
採精した精子から形態が正常で、運動率が良好な精子を選定します。
3. 顕微授精(精子の注入)
ひとつの卵子に選定したひとつの精子をピペットを使って直接注入します。
4. 胚培養
顕微授精で得られた受精卵(胚)を、2〜6日間培養器の中で育てます。2〜3日培養した胚を初期胚、5〜6日培養した胚を胚盤胞と呼びます。
5. 胚移植
培養した胚をカテーテルを用いて子宮へ戻します。胚移植後は、ホルモン補充をおこないます。胚移植から10日前後で採血で妊娠判定します。
顕微授精(ICSI)の費用
顕微授精の費用は受精する卵子の個数によって総額が異なります。
現在、顕微授精は保険適用の対象です。
さらに2026年4月からは東京都の助成金制度により、この保険診療の自己負担分も上限15万円まで全額助成されるようになりました。これにより、保険診療で受ける場合の金銭的負担は、以前よりも大幅に軽減されています。
※ただし、自費診療を選択した場合は助成の対象外となるため注意が必要です。
六本木レディースクリニックの費用は以下のとおりです。
| 保険診療 | 自費診療 |
|---|---|
| 1個:11,400円 | 1個:11,000円 +顕微授精基本手技料:11,000円 |
| 2〜5個:17,400円 | |
| 6〜9個:27,000円 | |
| 10個以上:35,400円 |
※費用はすべて税込価格です。
顕微授精(ICSI)のリスク
胎児への影響がゼロとは言い切れない
顕微授精は、人為的な操作により卵子内に精子を注入するため、胎児への影響を懸念する声もありますが、現在、胎児への影響は医学的に証明されていません。胎児に何らかの異常が発生する確率は、自然妊娠と比べても差がないことが報告されています。
現在日本では、顕微授精によって年間数千人以上の赤ちゃんが生まれており、危険な治療法ではないと考えられます。
ただし、染色体や造精機能関連遺伝子の異常による無精子症などの場合に、顕微授精を実施することも少なくないため、胎児が男児の場合は、同様に染色体や造精機能関連遺伝子の異常を継承する可能性があります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性がある
顕微授精は多くの場合、採卵に向けて排卵誘発剤を使用し、複数の卵胞を育てます。その過程で、卵巣が過剰に刺激されて腫れる「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」が起こる可能性があります
卵巣の状態やAMH値によって、高刺激や中刺激などの卵巣刺激法を選択します。
双子を妊娠する可能性もある
排卵誘発剤を使用する治療では複数の卵胞を育て、複数の卵子を採取します。顕微授精だけではありませんが、胚移植の際に2つの胚を子宮に戻すケースでは、多胎妊娠(双子など)の可能性が高くなる場合があります。
ただし、基本的には単一胚移植(1個の胚のみを移植する方法)が推奨されています。
多胎妊娠についてはこちらの記事で解説しています。
「双子を授かる確率は?不妊治療や体外受精は多胎妊娠しやすいって本当?」を読む身体的な負担がかかる
顕微授精や体外受精では、卵巣へ針を刺して採卵をおこないます。その際、まれに出血・感染・周囲臓器の損傷などのリスクがともなうことがあります。また、卵巣刺激のための薬剤を使用する過程で、身体に一定の負担がかかる場合もあります。
ただし、採卵は超音波で位置を確認しながら慎重におこなわれ、多くのケースでは大きな問題なく終了します。
なお、当院では細い採卵針の使用や静脈麻酔の併用など、身体への負担をできるだけ軽減する工夫をおこなっています。
当院の顕微授精が選ばれる理由
当院では、医師だけでなく経験豊富な培養士が複数在籍しており、受精率や胚盤胞率でも高い数値を残しています。また、卵子に優しく変性率が低い「ピエゾICSI」を採用し、IMSI(イムジー)やPICSI(ピクシー)といった、より受精率を高めるオプションのご用意もあります。
他にも、以下のような理由で患者さまから選ばれています。
仕事と両立しやすい診療体制
(土日・平日夜間診療に対応)Google口コミで高い評価を獲得
総合的な治療体制による高い妊娠実績
担当医制を採用
(生殖補助医療、卵子凍結の場合)最新設備と凍結・保存技術の安全性
経験豊富な培養士が在籍
転院患者さまの治療実績が多数
あなたに最適な選択肢を
専門医師が一緒に見つけ出します。
※六本木院、池袋院それぞれ予約先が異なりますので、
ご注意ください。
顕微授精(ICSI)に関するよくある質問
顕微授精で受精しない可能性はありますか?
顕微授精を実施しても、必ずしも受精できるわけではありません。受精するには、卵子の中に精子を注入したあと、卵子が活性化する必要がありますが、何らかの原因によって活性化せず、受精に至らない場合があります。その他、卵子の状態によっても、受精がうまくいかないことがあります。
顕微授精後の日常生活で気をつけなければいけないことを教えてください。
顕微授精によって得られた受精卵(胚)を子宮に移植した後は、激しい運動は避け、いつもどおりに過ごすように気をつけましょう。普段からこなしている仕事や家事、軽いランニングやストレッチ、ヨガなど、身体に負担が少なく、リフレッシュ程度の運動であれば問題ありません。また、母体及び胎児へのさまざまな影響を考えて、禁酒、禁煙を心がけましょう。
監修医師紹介

私たちは「高水準の不妊治療を、多くの患者様に安心して受けていただけるクリニックでありたい」という思いがあります。ご夫婦が働きながら治療を継続できること、そして身体的・経済的負担を最小限に抑えることを大切に診療を行っております。
不妊治療は心身ともに大きなエネルギーを必要とするものです。だからこそ、卓越した技術と最大限の配慮を尽くし、夜間や休日診療などの通院サポートを通じて、その負担を少しでも軽減したいと考えています。
お一人おひとりに最適な治療をご提案し、皆様に「信頼され期待されるクリニック」として共に歩んでまいります。どうぞ安心してご相談ください。
- 経歴
- 帝京大学医学部付属溝口病院勤務
- 母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
- 国立成育医療研究センター不妊診療科
- 緑風荘病院 血液浄化療法センター
- 六本木レディースクリニック勤務
- 資格・所属学会
- 日本産科婦人科学会 専門医
- 日本産科婦人科学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本産科婦人科内視鏡学会
体外受精・不妊治療の六本木レディースクリニック


