これから妊活をはじめる方や妊活中の方で、いつから不妊治療をはじめるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に若い方や妊活をはじめたばかりの方は、クリニックを受診するべきか迷うかもしれません。

実は不妊治療をはじめるタイミングは、年齢によっても異なります。この記事では、不妊治療を受けるタイミングや妊活の進め方、不妊治療をはじめる際のポイントをご紹介します。

タイミングがわからない……不妊治療をはじめるならいつ?

避妊をしないで夫婦生活を送っている場合、1年以内に8割の方が妊娠するといわれています。不妊治療をはじめるタイミングは、妊活して1年以上経過した場合がひとつの目安といえるでしょう。
ただしこれはあくまで目安です。置かれている環境や年齢などによって、いつから不妊治療をはじめるべきかは異なります。

不妊について悩んだら受診してみましょう

不妊治療をはじめるにあたって、明確なタイミングは定められていません。
1年経過を待たずに不妊が気になったタイミングで、カウンセリングや検査を受けても問題ありません。早期に検査を受けることで、後々の妊活や治療も進めやすくなります。

また、なかなか月経が来ない、夫婦生活がうまくとれないなどのお悩みの相談も可能です。不妊に関わらず、妊娠に向けて自分の身体の状態を知るためにも、早めに受診してみましょう。

不妊治療についての詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。
>「不妊治療とは?治療法や流れ、開始タイミングや費用をわかりやすく解説」を読む

不妊に悩む人は少なくありません

厚生労働省によると不妊に悩む夫婦の割合は、約2.6組に1組といわれています。さらに、実際に不妊検査や治療の経験がある、または受けている夫婦は、約4.4組に1組。不妊は今や身近な問題になっており、次のような悩みが多く挙げられます。

  • 妊娠できるか不安
  • 年齢に対する焦りがある
  • 仕事と妊活の両立が難しい
  • 他の人の妊娠を喜べない
  • パートナーや周囲から理解を得られない

不妊や不妊治療の悩みについては、こちらも記事で詳しく解説しています。
>「不妊治療のつらさ、どうやって乗り越えた?悩みの原因と対処法を解説」を読む

目安は「避妊せず一年以上妊娠しない場合」

不妊治療のタイミングは人それぞれですが、前述のように目安としては「避妊せずに1年以上妊娠しない場合」です。

日本産婦人科学会では、男女が妊活をして1年以上赤ちゃんができない状態を「不妊」と定義しています。不妊治療をいつはじめるか決めかねている場合は、まずはこの目安を参考にするとよいでしょう。

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症

年齢によっても開始時期は違います

不妊は年齢の影響を受けやすいため、年齢によって不妊治療をはじめるべきタイミングが異なってきます。

妊娠率は年齢を重ねるにつれて低下していく傾向にあります。そのため、年齢によっては目安となる1年を待たず、不妊治療をはじめるべき場合もあります。
特に35歳以上の女性の場合は、不妊の期間が1年未満でも早めの不妊治療が勧められる場合があります。

このように不妊治療をはじめる適切な時期は年齢によって異なるため、年齢や身体に不安を感じたタイミングでまずは受診してみましょう。

そもそも妊活とは?

近年、言葉としても馴染み深くなった「妊活」ですが、そもそもどのような行動を指すのかおさらいしておきましょう。

「妊活(にんかつ)」は妊娠するための活動の略語とされており、赤ちゃんを授かるためにおこなう準備や行動のことを指します。

具体的には、次のようなことが妊活に含まれます。

  • 夫婦で妊娠・出産のライフプランを立てる
  • 妊娠しやすい身体づくり(栄養管理・運動など)をする
  • 基礎体温を記録する
  • 排卵日を予測し、排卵タイミングを意識する
  • クリニックで不妊検査を受ける
  • 不妊治療に取り組む
  • 妊活をはじめる・進める際の考え方

    妊活は夫婦で進めるものです。妊活をはじめるにあたっての事前準備や知っておくべきことをいくつか紹介します。

    大切なのは夫婦の意見が一致していること

    まずは夫婦ともに「子どもが欲しい」という意見が一致していることが大切です。とても根本的な部分ですが、ここで意見が合わないと妊活ははじめられませんし、のちに温度差が生まれてうまく進められない可能性があります。
    もし妊娠や出産をためらう理由があれば、それが経済的な問題なのか、精神的な問題なのかも2人で話し合って、納得のいく決断をすることが重要です。

    妊活をはじめる前に話しておきたいこと

    妊活をはじめる前に、夫婦で話しておきたいことがあります。
    具体的には、いつまでに子どもが欲しいのか、何人欲しいのか、出産後の生活(家事・育児・仕事)についてなどです。

    妊娠や出産は夫婦にとって大きなライフイベントであり、今後の生活が大きく変わります。妊活をはじめる前に、ベースとなる考え方や価値観を共有することをおすすめします。

    環境や体調を整えることも大切

    妊活に取り組むにあたっては、環境や体調を整えることが大切です。
    生活習慣の乱れや日々のストレスは身体に影響を与えかねません。妊活を機に日頃の食事、睡眠、運動習慣などを見直してみましょう。

    また最近では仕事をしながら妊活・不妊治療をする方も増えています。仕事との両立が難しく、疲れて夫婦生活の時間がとれない、通院が難しいなどの問題が生じる可能性があります。
    可能であれば職場に事前に相談し、勤務時間の調整や時短などを考えてみましょう。

    妊活にあたって避けたいこと

    妊活中の喫煙や食事の偏り、過度なダイエットは避けましょう。
    喫煙は卵子の質の低下・数の減少など、悪影響を及ぼすといわれています。また痩せ過ぎ・太り過ぎも不妊の原因になるといいます。バランスのよい食事と適度な運動習慣を身につけて、適正な体型や体重を維持できるようにしましょう。

    不妊治療をはじめる際のポイント

    不妊治療は医療的な方法を用いて妊娠をサポートするものです。妊活と少し異なるため、不妊治療をはじめる前に留意したいポイントを押さえておきましょう。

    不妊の原因は個人差がある

    不妊治療をはじめる前に、まずは検査をして原因を特定します。不妊の原因には個人差があり、女性だけでなく男性が不妊の原因を持っている場合もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    女性の不妊症の原因

    女性の不妊原因は、主に以下が挙げられます。

  • 排卵の問題(卵胞が育たない、排卵しない)
  • 卵管の問題(卵管の通過性が低い)
  • 子宮の問題(着床しづらい)
  • 子宮頸管の問題(精子が通過できない、頸管粘液が少ない)
  • 免疫の問題(抗精子抗体を持っている)
  • 上記の原因以外にも、後述する年齢による不妊や原因不明不妊などがあります。

    男性の不妊症の原因

    男性の不妊原因は、主に以下が挙げられます。

  • 精子の数の少なさ
  • 運動率の悪さ
  • 精子をつくるための機能の働き
  • 上記に問題があることを「造精機能障害」と呼びます。また年齢による精子の質の低下も不妊原因になることがあります。

    男性不妊については、こちらの記事で詳しく解説しています。
    >「男性不妊になりやすい人の特徴は?原因や検査についても解説」を読む

    男女両方に考えられる原因

    女性は30歳を過ぎると、妊娠率が低下する傾向にあります。男性は35歳から精子の質が低下するといわれています。
    加齢による不妊は男女両方に考えられる原因です。

    不妊症にはステップがある

    不妊治療の治療法は多岐にわたります。タイミング法からはじまり、人工授精、体外受精へと段階的に移行していくのが一般的です。
    ただし不妊の原因や患者さまの状況、年齢などを踏まえて、最初から人工授精をおこなったり、体外受精にトライする場合も多々あります。

    不妊治療のステップについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
    > 「不妊治療には段階がある?各ステップの治療とステップアップのタイミングを解説」を読む

    基礎体温を記録してみるのもおすすめ

    基礎体温の記録は、月経周期や身体の状態を把握するのに役立ちます。
    女性の体温は通常、高温期と低温期に分かれる二相性の特徴があります。温度差の高低が0.3℃以上あるのが望ましいとされ、この二相性がみられない場合は、無排卵・黄体ホルモン機能の低下などの可能性が考えられます。

    また、基礎体温の記録や変化をもとに、おおまかに排卵日の予測ができ、タイミング法に取り組む際の目安として活用できます。
    ただしあくまで予測であり、実際の排卵タイミングとずれが生じることもあります。より正確性の高いタイミング法を実施したい場合は不妊治療専門のクリニックに相談することをおすすめします。

    基礎体温については、こちらの記事で詳しく解説しています。
    >「不妊治療や体外受精にも基礎体温は必要?」を読む

    実は多い「二人目不妊」の悩み

    二人目不妊とは、二人目の子どもがなかなか授かれない状態のことを指します。医学的には、妊娠経験(流産も含む)がある方がその後妊娠しない状態のことで、「継続性不妊症」とも呼ばれます。

    一人目の妊娠・出産が遅かった場合、二人目の妊娠も必然的に遅くなり、妊娠率の低下や高齢出産のリスクが高まります。また、一人目の育児があることで、なかなか妊活の時間が取れないなど、二人目妊活の悩みはさまざまです。

    二人目不妊の治療はいつからはじめる?

    二人目の妊活や二人目不妊の治療は、なるべく早めに始めることが重要です。一人目が自然妊娠だったとしても、その当時よりは年齢を重ねており、必ずしも自然妊娠に至るとは限らないからです。妊娠率は年齢とともに低下するため、なるべく早めに妊活・不妊治療に取り組むことが推奨されます。

    さらに一人目の育児もあるため、夫婦生活の時間も取りにくい状態にあります。早めに妊娠するためにも、まずは不妊検査を受けてみることをおすすめします。とくに年齢が35歳以上の女性は、半年の妊活を目安に不妊治療を検討するのがよいでしょう。

    二人目不妊については、こちらの記事で詳しく解説しています。
    >「二人目を妊娠しにくい原因は何?不妊治療は必要?」を読む

    はじめての診察、どうすればいい?不妊治療Q&A

    はじめての不妊治療に関するよくある質問をご紹介します。

    Q.夫婦そろって診察を受けるべきですか?

    夫婦で診察を受けるのが好ましいですが、初診でしたら奥様のみでも問題ありません。不妊検査は男女ともに必要です。

    Q.不妊治療の診察は何をしますか?

    初診では月経や不妊期間、性行為の回数に関する問診と、内診・超音波検査などをおこないます。その後、月経周期に合わせて血液検査やホルモン検査なども実施します。

    Q.最初の診察に必要なものはありますか?

    初診では健康保険料、お持ちであれば紹介状と基礎体温表をお持ちください。また検査のために、上下の分かれた着脱しやすい服装がおすすめです。

    Q.生理中でも診察を受けられますか?

    生理中でも診察は可能ですので、気にせずご来院ください。ホルモン検査などは生理中の検査が適しています。診療内容によって適さない場合もあるため、まずは担当医にお知らせください。

    不妊治療専門の六本木レディースクリニックへお気軽にご相談ください

    いつから不妊治療をはじめるかは「避妊せずに1年以上妊娠しない場合」が目安となります。しかし年齢や身体の状態によっては、1年を待たずに治療を開始した方がよいケースもあるため、気になったらまずは受診してみましょう。

    六本木レディースクリニックは、不妊治療に特化したクリニックです。当院では20代や30代前半で受診される方も多く、治療を経て無事に妊娠された方は「もっと早く来ていればよかった」と口にされる方もいらっしゃいます。
    不妊に関わらず、妊娠に向けて自分の身体の状態を知るためにも「赤ちゃんが欲しい」と思ったタイミングで、まずはお気軽に当院へご相談ください。



    仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

    監修医情報

    六本木レディースクリニック
    小松保則医師
    こまつ やすのり/Yasunori komatsu

    ドクターのご紹介

    帝京大学医学部付属溝口病院、母子愛育会総合母子保健センター愛育病院、国立成育医療研究センター不妊診療科を経て、2019年より現職。
    資格・所属学会は、日本産科婦人科学会専門医のほか、日本産科婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科内視鏡学会。

    医師からのメッセージ

    当院は、不妊検査やタイミング指導、人工授精といった一般不妊治療から高度生殖補助医療までの不妊治療を専門としたクリニックです。
    痛みが心配な方、ご安心ください。卓越した技術と最大限の配慮をお約束します。
    また夜間や休日も診療を行い、不妊治療の苦労を少しでも軽減できるように努めています。

    運営者情報

    運営クリニック 六本木レディースクリニック
    住所 〒106-0032
    東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
    お問い合わせ 0120-853-999
    院長 小松保則医師