体外受精の胚移植後は妊娠初期症状で体調に変化が出る場合もあります

体外受精の胚移植後は、移植した受精卵が無事に着床すると体調に変化が出る方がいます。
ただし、着床していても体調変化を感じない方もいるため、胚移植後は体調変化の有無に関わらず、規則正しい生活を送り、医師の判断を仰ぐことが大切です。

ここでは、体外受精の胚移植後の体調変化や理想的な過ごし方について解説し、胚移植後の不安を抱える方に役立つ情報をお伝えします。

体外受精の胚移植後は主治医の判断を仰ぎましょう

体外受精の胚移植後はさまざまな体調の変化が出ることがあります。体外受精後に体調の変化を感じたときは、まず主治医に相談し、判断を仰ぎましょう。

特にはじめて体外受精の胚移植をおこなう方は、そのような体調変化に対して、何かあったのでは?と心配になったり、不安を抱いたりすることがありますが、自己判断は禁物です。

例えば、体外受精での移植後は、自然妊娠の場合と同様に、受精卵の着床にともなって熱っぽさや倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛をはじめとする妊娠初期症状が現れることがあります。風邪症状と似ていますが、風邪と勘違いして市販の風邪薬を自己判断で服用しないようにすることが大切です。

妊娠初期症状のひとつ、つわり症状の有無に関しても、主治医に相談しましょう。妊娠初期症状の出方には個人差が大きく、ひどいつわり症状を経験する方もいれば、妊娠していてもつわり症状がまったく出ない方もいます。妊娠初期症状の有無で妊娠しているかどうかを判断することはできないため、不安があるときは主治医の判断を仰ぎましょう。

体外受精の胚移植後は医師から説明される注意点を守りましょう

体外受精の胚移植後は、通常どおりの生活に戻っても大丈夫ですが、医師から説明される生活上の注意点をしっかりと聞いて守りましょう。ここでは、主なポイントをとりあげます。

激しい運動は避ける

フルマラソンのような激しい運動や、下腹部に刺激が加わるような激しい筋トレなどは避けてください。水泳も膣に雑菌が入ってしまう可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。

ただし、安静にしないといけないということはなく、日常的にこなしている家事や仕事、ウォーキング、ヨガ、ストレッチなどの軽い運動であれば問題ありません。

アルコール・喫煙を控える

アルコール摂取や喫煙は控えましょう。過度なアルコール摂取は、妊娠率の低下や流産リスクの上昇などを招く恐れがあるため、飲酒習慣のある方は注意しましょう。

また、タバコはニコチンや一酸化炭素など、妊娠に悪影響を与える有害物質を含んでいます。能動喫煙・受動喫煙に関わらず、喫煙によって子宮の血流が悪化して子宮内膜が薄くなり、着床障害が起きやすくなります。

カフェインを控える

過度なカフェインの摂取は、早産や流産のリスクを高めるだけでなく、胎児の発育にも影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。

普段からコーヒーや紅茶を飲む習慣のある方は、カフェインレスのコーヒーや紅茶、緑茶などの製品を選ぶとよいでしょう。

体調管理に気を付ける

胚移植後は普段どおりに生活できますが、胚移植にともなう緊張やストレスもあり、自分で思っている以上に身体は疲れているものです。

普段よりもデリケートになっていることを知り、体調管理に気を付けましょう。栄養バランスのよい食事を心がける、身体を冷やさない工夫をするなどしてストレスをためないようにゆったりと過ごしましょう。

妊娠していても体調の変化が出ない方もいます

胚移植によって妊娠していても、必ずしも体調の変化や妊娠初期症状が出るわけではありません。体調変化や症状の自覚がないと、妊娠していないのでは?と心配になりますが、妊娠していても体調変化が出ない方も多くいます。妊娠初期症状や体調変化の有無に捉われず、規則正しい生活を心がけ、きちんと受診しましょう。

妊娠初期のできるだけ早いタイミングで受診することで、今後の方針を明確にすることができます。また、必要に応じてホルモン剤の投与などの処置をおこなうこともあるので、医師の指示どおりに受診することが大切です。

体外受精で胚移植をするタイミング

体外受精は、超音波で卵巣の画像を見ながら専用の針で卵子を取り出し、培養皿の中で精子をふりかけて受精させ、できた受精卵を培養して胚へと成長させたものを再び子宮内に移植し、着床を促す治療方法です。

胚移植をする時期は、受精後2~3日目に受精卵が「初期胚」に発育したタイミング、もしくは5〜6日目に受精卵が「胚盤胞」と呼ばれる着床寸前のステージに発育したタイミングで実施するのが一般的です。
当院では、患者さまおひとりおひとりの状態や胚の発育段階を見極め、採卵後2~3日目に初期胚を、もしくは採卵後5〜6日目に胚盤胞を移植します。

体外受精の胚移植後、黄体補充をおこなう場合があります

体外受精の胚移植後は受精卵が着床しやすく、妊娠を維持しやすい子宮内環境を整えることを目的に、黄体補充をおこなう場合があります。

黄体から分泌される黄体ホルモンは、子宮内膜をフカフカにして胚が着床しやすい環境に整える女性ホルモンです。黄体ホルモンは、着床後も、胚の発育にも欠かせませんが、採卵のために投与する卵巣を刺激する薬剤の影響によって、黄体の機能が低下することがあります。そのような場合には、黄体を補充する治療を合わせておこなうことで、着床や妊娠に適した子宮内環境を整えます。

妊娠判定までにかかる期間は2〜3週間です

体外受精後、妊娠判定までにかかる期間や検査方法について解説します。

かかる期間

胚移植後に胚が子宮内膜に着床するまでには通常約3〜5日、妊娠判定までは2~3週間ほどかかります。胚移植を受けた方のなかには、胚移植後1週間ほどで妊娠初期特有の症状を感じるという方もおられます。しかし、検査で正しく妊娠判定するためには、2~3週間程度の時間が必要です。

検査方法

体外受精の胚移植後の妊娠判定は、尿検査や血液検査によっておこないます。尿や血液中に含まれるhCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)と呼ばれるホルモンの濃度を測定することで、妊娠を判定します。

hCGは妊娠週数が進むにつれて分泌量が増加し、胚移植後2~3週間で正しく判断できる濃度に達します。ただし、稀に妊娠していても、妊娠判定当日のhCG値が低く、数日後に再検査を実施することもあります。

(まとめ)体外受精で胚移植後、体調はどう変化する?

体外受精で胚移植をおこなった後も、通常どおりの生活はできますが、胚移植にともなう緊張やストレスも相まって、普段よりもデリケートな状態になっています。

特に、胚移植後に着床した場合は、妊娠初期症状として熱っぽさや倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛などが現れることがあります。ただし、妊娠初期症状の内容や症状が出るタイミングには個人差が大きく、妊娠していても、そういった症状が出ない方もいます。胚移植後は、体調変化の有無にかかわらず、クリニックで妊娠判定を受け、主治医の判断を仰ぎましょう。

主治医による妊娠判定を待つあいだは、体調に不安を抱くことがありますが、ゆったりとした気持ちで規則正しい生活を過ごすようにしましょう。また着床後の生活は、妊娠の維持や胎児に影響するため、飲酒・喫煙・カフェインの過剰摂取を避け、激しい運動は控えましょう。風邪のような症状や体調変化を感じた場合は、自己判断で市販薬を飲むことは控え、主治医に相談してください。

当院では、体外受精・不妊治療専門院として胚移植後の体調の変化を考慮し、患者さま一人ひとりに合わせた治療をご提案いたします。不妊治療をお考えの方はぜひご相談ください。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師