妊活中に「身体がだるい」「強い眠気を感じる」などの変化があると、妊娠初期症状ではないかと期待や不安を抱く方は多いでしょう。これらは生理前の症状にも類似するため、自分で判断することは難しく、また人によって症状の現れ方はさまざまです。
本記事では、妊娠初期症状がいつから始まるのか、週数ごとの変化、受診のタイミング、日常生活の注意点までを詳しく解説します。
目次
妊娠初期症状はいつから始まる?
妊娠初期症状は、次の月経予定日頃(妊娠4週目あたり)に感じ始めやすいとされています。次の生理がこない、または何らかの身体の変化を感じた場合、妊娠している可能性があります。
妊娠期間は、一般的に最後の月経開始日を0週0日としてカウントします。妊娠4〜13週6日の期間は妊娠初期と呼ばれ、身体にさまざまな変化が現れる時期です。
なお、妊娠週数の数え方は自然妊娠と体外受精で多少異なります。
体外受精の妊娠週数や出産予定日については、こちらの記事で解説しています。
> 「出産予定日はどう決まる?体外受精と自然妊娠の妊娠期間を解説」を読む
妊娠超初期(2〜3週)と妊娠初期(4〜13週6日)の違い
妊娠期間は、主に妊娠初期・中期・後期の3区分に分かれます。しかし、妊娠2〜3週目の期間を「妊娠超初期」と呼び、区別する場合があります。
医学的に正式な表現ではありませんが、受精から着床するまでに重要な期間であり、この時期から初期症状が出る方もまれにいます。
妊娠超初期を含む、妊娠期間の区分は以下のとおりです。
- 妊娠超初期:妊娠2〜3週目
- 妊娠初期:4〜13週6日
- 妊娠中期:14週0日〜27週6日
- 妊娠後期:28週0日〜
妊娠週数ごとの変化
一般的に、妊娠5週の頃に胎嚢(受精卵を包む袋)が確認でき、6週で赤ちゃんの心拍が確認できるようになります。この頃に妊娠初期症状のひとつである「つわり」の症状を強く感じ始め、8〜10週頃がピークになるケースが多いとされています。
以下で週別の主な変化をまとめました。
| 妊娠週数 | 状態 | 出現の程度 | 主な初期症状 |
|---|---|---|---|
| 0〜2週 | 生理から排卵 | なし | 妊娠が成立しておらず無症状。 |
| 妊娠3週 (着床期) |
受精から着床 | △ 少ない |
着床痛やお腹の違和感がある場合もある。 |
| 妊娠4週 (月経予定日) |
妊娠判定 | ◯ 徐々に増加 |
月経の遅れに気付く頃。 胸の張り・身体のだるさ・眠気を感じ始める。 |
| 妊娠5週 | 胎嚢確認 | ◎ 多い |
吐き気や胃のムカつき(つわり)を感じ始める。 |
| 妊娠6〜7週 | 心拍確認 | ◎ 多い |
本格的なつわりを感じ始め、食欲・味覚・嗅覚に変化が出る。 |
| 妊娠8〜10週 | 胎児の動きを確認 | ◎ ピーク |
吐き気や気持ち悪さがピークを迎える。 |
| 妊娠11〜12週 | 子宮の拡大 | ◯ 徐々におさまる |
つわりが徐々に落ち着いてくる。 |
妊娠12週頃につわりの症状が徐々に落ち着いてくるケースが多いですが、妊娠初期症状の重さや期間には個人差があります。なかには自覚症状がまったくない方もいます。上記はあくまで目安としてご参考ください。
主な妊娠初期症状による変化
妊娠初期には、ホルモンバランスの変化や子宮の拡大、胎児の発育にともなって、身体にさまざまな症状が現れます。
以下では、妊娠初期に多くの方が経験する代表的な症状をご紹介します。
少量の出血(着床出血)
受精卵(胚)が子宮内膜に着床する際、少量の出血が生じることがあります。これを着床出血といいます。妊娠4週頃に生じることが多く、ちょうど月経予定日とも重なるため、生理と間違える場合があります。
生理と比べて着床出血の量は少なく、2〜3日程度でおわるケースが多いとされています。
基礎体温の上昇
妊娠が成立すると、基礎体温を上げるプロゲステロンの働きが高まり、高温期が継続します。体温の上昇にともなって、熱っぽさや倦怠感を感じる場合があります。基礎体温の記録をつけておくと変化に気付きやすいでしょう。
おりものの増加・変化
妊娠に至らなかった場合は、通常おりものの量が減少します。しかし妊娠が成立すると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増え、おりものの量が増えることがあります。量だけでなく、おりものの形状も変化し、水っぽくなったり、粘り気の強い状態になったりする場合もあります。
おりものの変化についてはこちらの記事でも解説しています。
> 「体外受精とおりものの関係は?胚移植後のおりものの変化について解説」を読む
胸の痛みや張り
妊娠するとホルモン分泌が急激に増えることで、乳腺が発達し始め、胸の張りや痛み・敏感さを感じやすくなります。生理前の胸の張りと似た感覚ですが、チクチクとした痛みがともなうことがあります。
強い眠気や倦怠感
ホルモンの影響で慢性的な眠気や倦怠感が生じやすくなります。また、胎児の発育にともない身体がエネルギーを多く消費することも一因です。血液量が増えることで、息切れや動悸がする場合もあります。妊娠初期に限らず、妊娠中は疲れやすく感じることが多くなるでしょう。
吐き気や胃のムカつき(つわり)
ホルモンバランスの変化により、吐き気や胃のムカつきを感じることが多くあります。特に妊娠初期に多く、いわゆる「吐きづわり」「食べづわり」と呼ばれ、妊娠前の食事がとれなくなることもあります。ただし、妊娠12週頃に落ち着いてくるケースが多いとされています。
食欲・味覚・嗅覚の変化
妊娠すると食欲の変化で食欲不振になったり、逆に食欲旺盛になり過ぎてしまったりすることがあります。また、味覚や嗅覚が変化し、これまで食べていたものがうけつけない、特定のものが食べたくなる、匂いに敏感になるなどの変化が生じることがあります。
頻尿・便秘・下腹部の違和感
ホルモンの影響により腸の動きが弱まり、便秘になることがあります。また、子宮が大きくなるにつれて下腹部に違和感が生じたり、膀胱が圧迫されることで頻尿になることもあります。妊娠中は、夜間に何度もトイレに行きたくなる方も少なくありません。
妊娠初期症状が起こる理由
妊娠初期症状の多くは、妊娠維持のために分泌される、以下の3つのホルモンの働きによって起こされるとされています。
- hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
- エストロゲン
- プロゲステロン
ひとつは「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」で、着床後に急激に増加するホルモンです。つわりの一因とされています。
「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、乳腺の発達やおりものの増加に関わります。「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は基礎体温の上昇・眠気・倦怠感・便秘などを引き起こします。
これらのホルモンは妊娠を継続するために欠かせないものですが、身体への影響が大きく、さまざまな妊娠初期症状として現れます。
妊娠初期症状を感じたら?対応の手順
胸の張りや吐き気・身体のだるさなどを感じたとき、妊娠の可能性が頭に浮かぶ方も多いでしょう。しかし、これらの症状は月経前のPMS(月経前症候群)や風邪と類似しており、判断が難しい場合も多いといえます。
期待と不安が入り混じる時期ですが、妊娠初期のような症状を感じたら、まずは落ち着いて以下の手順で確認することが大切です。
生理予定日以降に妊娠検査薬で確認
妊娠初期症状が現れていても、すぐに妊娠検査薬で陽性反応が出るわけではありません。まず、次の月経予定日から1週間前後を過ぎたタイミングで検査しましょう。これより早く検査しても、hCGの量が不十分で正確な結果が出ないことがあるためです。この時期は妊娠4〜5週頃に相当します。
陽性反応が出た場合でも確定診断ではありません。子宮外妊娠などの可能性も排除できないため、陽性を確認したら最終的な妊娠判定は、医療機関で必ずおこないましょう。
妊娠5〜6週頃に医療機関を受診
医療機関で妊娠判定を受けたあと、妊娠5〜6週頃には受精卵が入っている袋「胎嚢」が確認できます。その後の検診で胎児の心拍が確認できれば、妊娠確定となります。
タイミングが早すぎると胎嚢や心拍がまだ見えず、再診となる可能性があります。逆に受診が遅すぎると子宮外妊娠の発見が遅れるリスクもあるため、5〜6週頃には必ず受診するようにしましょう。
心拍が確認でき、出産予定日が確定すれば、母子健康手帳を受け取ることができるようになります。
妊娠初期における生活の注意点
妊娠初期は胎児が形成される重要な時期であると同時に、流産のリスクがもっとも高い時期でもあります。この時期の生活習慣や身体への負荷が、母体と赤ちゃんの両方に影響を与える可能性があります。
妊娠がわかったら、以下の点に注意してできるだけ穏やかな生活を心がけましょう。
性交渉を避ける
妊娠がわかったら、性交渉は控えましょう。刺激によって子宮が収縮し、流産リスクを高める可能性があります。特に出血や下腹部の痛みがある場合は厳禁です。安定期以降は可能になる場合もありますが、母体の状態や体調を優先になるべく控えることが望ましいでしょう。
感染症(風邪・インフルエンザ)に注意する
妊娠中は免疫力が低くなっているため、風邪やインフルエンザなどに注意が必要です。妊婦が服用できる薬には限りがあるため、症状も長引きやすくなるとされています。高熱が胎児に影響を及ぼす場合もあります。手洗い・うがいの徹底や人混みを避けるなど、感染予防を意識しましょう。
体外受精中の風邪についてはこちらの記事で解説しています。
> 「体外受精中に風邪をひいたらどうなる?」を読む
飲酒と喫煙をやめる
妊娠が発覚した時点で、飲酒や喫煙はすぐに止めましょう。過度なアルコールは胎児に届き、発育障害や先天性異常のリスクを高めることがわかっています。また、タバコは流産・早産・低出生体重児のリスクを高めてしまいます。
妊娠前の妊活中や不妊治療中から控えることが望ましいですが、妊娠後はなおのこと習慣を改める必要があります。副流煙の影響もあるため、パートナーとともに禁煙するようにしましょう。
過度なカフェインの摂取を控える
過度なカフェインの摂取は、流産や低出生体重児のリスクと関連があるとされています。コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどにカフェインは含まれているため、摂取量には注意が必要です。カフェインレスを選ぶ、1日1〜2杯程度を目安にするなど、過度な摂取は控えましょう。
負荷の大きい運動・過労を避ける
流産リスクの多い妊娠初期は、激しい運動や長時間の労働は避けたほうがよいでしょう。ストレスや疲労は、子宮への血流を妨げたり、ホルモンバランスを乱したりする要因になります。
葉酸・栄養バランスに気を配る
妊娠初期は、胎児の主要な器官が形成される重要な時期です。葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減させる栄養素として知られています。ほうれん草・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれますが、食事だけで十分な量を補うことが難しい場合も多いため、サプリメントの活用が有効です。
つわりや食欲の減退で食事が偏りやすい時期だからこそ、無理のない範囲でバランスのよい食生活を心がけましょう。
妊活中・妊娠中の葉酸については、こちらの記事でも解説しています。
> 「葉酸はいつからいつまで必要?妊娠前から摂るべき?」を読む
妊娠初期に注意すべきトラブル
妊活に取り組んでいてもなかなか妊娠に至らない、あるいは妊娠しても妊娠初期に流産してしまうケースは、実は珍しくありません。多くの場合は、胎児の染色体異常が考えられますが、他にも原因が隠れていることがあります。
着床障害の原因と兆候
着床障害とは、受精卵(胚)が子宮内膜にうまく着床できず、妊娠に至らない状態のことです。主な原因は「子宮側の問題」「受精卵(胚)側の問題」の2つに大別されます。
子宮側の原因としては、子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮内膜炎などの疾患の他、受精卵を受け入れるタイミング(着床の窓)のずれ、子宮内膜が薄いことなどが挙げられます。受精卵(胚)側の原因としては、染色体異常が着床を妨げたり、着床後の流産につながったりするケースがあります。
妊活でなかなか陽性反応が見られない、体外受精を繰り返しても着床しない場合は、着床障害の可能性が考えられます。
着床障害についてはこちらの記事でも解説しています。
> 「着床障害とは?着床しにくい人の特徴や原因・検査について解説」を読む
妊娠初期流産の原因と対処
初期流産の原因の多くは胎児の染色体異常とされています。その他、子宮内の菌環境の乱れや生活習慣なども要因として考えられます。
流産の多くは防ぐことが難しいですが、妊娠初期に以下のような症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- つわりが急に消える
- 強い腹痛が続く
- 大量の出血がある
また、流産を繰り返す場合(反復流産・習慣流産)は、原因を探るための専門的な検査を受けることもひとつの選択肢です。
妊活・不妊治療のご相談は六本木レディースクリニックへ
妊娠初期は身体にさまざまな症状が現れますが、その程度には個人差があります。一般的には妊娠4週頃から症状を感じやすいとされており、陽性反応が出たら医療機関で正式な妊娠判定を受けましょう。
妊活を続けてもなかなか妊娠できない、または流産を繰り返してしまう場合は、原因特定のための専門的な検査や高度な治療を検討することも選択肢のひとつです。
六本木レディースクリニックでは、体外受精や着床障害の専門的な検査まで、幅広い治療でサポートしております。セカンドオピニオンも承っています。「なかなか妊娠できない」などのお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。

