体外受精において基礎体温はさほど重要ではありません


不妊治療というと、基礎体温を測ることは当然のように行います。
しかし体外受精においては、基礎体温を測るように言われるケースと測らなくてもいい、と言われるケースがあります。

これはクリニックによって違うということです。
しかしどちらのクリニックでも基礎体温は目安程度で、それほど重要視してはいません。
むしろ基礎体温を測ることでストレスになることの方が懸念材料になるようです。

基礎体温は些細なことで変化してしまうものです

体外受精の治療において、基礎体温の計測はあまり重要視していません。
基礎体温は黄体ホルモンの違いで微妙に変化するものであり、また睡眠の質や部屋の温度・布団の掛け方など些細なことで変化してしまうのため、あまり参考にはならないのです。

基礎体温はあまり正確な検査とは言えず、二層になっているかどうか、という点の目安にするだけでいいということです。
基礎体温の目的は、排卵があるかどうかということや、排卵の時期・妊娠しているかどうか、次の生理の時期はいつかといったことを把握することです。

体外受精の治療においては、排卵をみることが目的ですが、それを基礎体温だけで判断しません。
月経周期が不安定な人は、基礎体温だけでは排卵日を把握するのは困難です。

現代では不妊治療の方法も進歩し、さまざまな検査方法があります。
排卵をみるには、排卵検査薬や血液検査・超音波検査で卵胞をチェックしたりすることで把握します。

ただし、基礎体温はまったく無意味というわけではありません。
自分で基礎体温をつけることで、検査だけに頼るのではなく、自分の卵巣について自分で実感をしながら治療をしていくことが大切なのです。

基礎体温は参考になるものでもあります


体外受精など不妊治療においては、排卵の有無などは明確に把握することが大事なので、尿検査や血液検査・超音波検査などをして、細かく正確に排卵について調べることが必要です。
そのため基礎体温だけでは正確に把握できないため、治療においては重要視していないこともあります。

しかし基礎体温を知ることはとても大切です。
自分の体のことを知るには、基礎体温が目安になります。
基礎体温から何が分かるのか、メリットはなにかというと次のような点があります。

一つは高温期と低温期が分かり、排卵が正常にあるかどうかが分かります。
正常であれば基礎体温は低温期から高温期に移行した後、高温期は10日以上続きます。

また低温期と高温期の温度差が0.3℃以上あるのが正常とされています。
基礎体温がきれいに二相性を示せば、卵巣の機能も正常ということです。
高温期がない場合は、排卵がない・月経がないということを示しているので、妊娠できない状態であることが分かります。

さらに高温期が10日以内の場合は、黄体ホルモンの機能が低下していることが考えられます。
この状態では受精卵が着床しにくいです。
そのほか、体温の変動が激しい場合は、ストレスや睡眠不足が原因で排卵がスムーズに行われないことが考えられます。
基礎体温からはこのようなことが予想されます。

少しでも正しく把握するには正しく計測することが大事です

基礎体温は環境などちょっとしたことで影響を受けるものです。
正しい状態を知るには、正しく測ることが大切です。

まず朝、目が覚めたらすぐに計測しましょう。
基礎体温は運動による体温上昇を受けない状態で計測することが基本なので、枕元などに体温計を置いて、すぐに測れる状態にしておくのが望ましいです。

体温計は細かい数値まで測れるものがいいでしょう。
小数点二けたまで表示されるものを用意しましょう。

基礎体温を計測する専用の体温計がありますので、それを用意しましょう。
基礎体温を測るときには、ワキではなく舌の下に挟んで、口を閉じた状態で測ります。
体温計の先端部分は、いつも同じところで測るようにしましょう。

まずは、月経開始から次の月経開始まで測ってみると、自分の体のことが分かるでしょう。
朝どうしても同じ時間に測れないという場合は、夜に測っても大丈夫です。
夜に計測する場合は、30分ほど安静にしてから同じ時間に測るようにしましょう。

(まとめ)体外受精において基礎体温は必要?

1.体外受精において基礎体温はさほど重要ではありません

体外受精の治療においては、基礎体温を測るクリニックと測らないクリニックがあります。

体外受精の治療において基礎体温は目安となる程度で、あまり重要視はされないのです。

2.基礎体温は些細なことで変化してしまうものです

体外受精の治療で基礎体温はあまり重要視していません。

基礎体温は排卵をみるためのものですが、ちょっとしたことで影響を受けやすく、基礎体温だけでは排卵日を把握できないからです。
しかし自分で計測し自分の卵巣について把握することは大切なことです。

3.基礎体温は参考になるものでもあります

体外受精など不妊治療においては、検査によって排卵の有無などを確認しますが、基礎体温を知ることはとても大切です。

基礎体温からは正常な排卵があるかなど卵巣の機能の状態を把握する目安になります。

4.少しでも正しく把握するには正しく計測することが大事です

基礎体温はちょっとしたことで影響を受け、変化してしまうものなので、正しく測ることが大事です。

朝起きたらすぐに測る、舌の下に挟んで測るなど、正しい方法で測るようにしましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師