妊活中や不妊治療中、毎日基礎体温をつけている方も多いでしょう。しかしなかには、毎日の記録が負担に感じていたり、体温の変動に不安を抱えている方もいるかもしれません。
この記事では、基礎体温を測る理由やメリット、不妊治療や体外受精における基礎体温計測の必要性について解説します。

そもそも妊活で基礎体温を計るのはなんのため?

そもそも妊活で基礎体温を計るのはなんのため?MV

まずは、そもそもなぜ体温を計るのか解説していきます。
基礎体温は主に、月経周期や身体の状態を把握するために測定します。

女性の基礎体温は「高温期」と「低温期」に分かれており、生理になると体温が下がり、排卵期になると体温が上昇します。約28日周期のなかの高低差で二相に分かれることを「二相性」といい、基礎体温の二相性が見られなかった場合、卵巣機能の異常や無排卵なども考えられます。

ご自身の月経周期はもちろん、身体の状態を把握するために基礎体温が役立ちます。また不妊クリニックを受診した際に基礎体温表を持参することで、月経やホルモン状態を医師が把握しやすくなります。
基礎体温を計ることで得られるメリットについては、後ほど詳しくご紹介します。

体外受精では基礎体温は不要?

では、体外受精をおこなう場合でも基礎体温の記録が必要なのでしょうか?
体外受精において、基礎体温の測定は必須でない場合が多いとされています。

体外受精の治療では、排卵誘発剤やホルモン補充をしながら、より正確な検査によって排卵日を予測します。したがって、精密で複雑なプロセスが求められる体外受精では、基礎体温で排卵日を判断するわけではないため、必須でない場合が多いのです。

その他、体外受精をおこなう場合に基礎体温が必須でない理由として、次のようなものがあげられます。

基礎体温は些細なことで変化する

基礎体温は些細なことで変化するMV
基礎体温は、黄体ホルモンの違いで微妙に変化します。また睡眠の質や部屋の温度・布団の掛け方など些細なことで変動するため、そもそも正確な体温を測ることは難しいのです。
基礎体温の数値は正確な指標とはならないため、検査で排卵日を予測できる場合は必須でないケースが多くなっています。

排卵日を特定できるほどの正確さはない

先述した通り、基礎体温を測ることで排卵の有無や排卵日の把握の目安として役立つこともありますが、正確な排卵日を確実に予測することはできません。

体外受精では、血液検査・超音波検査で卵胞をチェックしたりすることで、排卵日の予測や排卵の有無を確認します。
しかし基礎体温では体温の上昇が見られた場合に排卵日を事後的に把握できる程度で、事前に予測することは難しいといえます。また月経周期が不安定な人は、基礎体温だけでは排卵日を把握するのは困難です。

基礎体温の記録がストレスになることも

基礎体温の計測は、同じ時間帯に毎日測ることが望ましいとされています。しかし毎日記録をつけることに神経質になってしまい、ストレスを感じる方も少なくありません。

1日つけ忘れてしまった、時間を間違えてしまったなどで不安を抱えてしまう方もいます。ストレスに感じる場合は、無理に記録をつけなくてもよいとするクリニックも多くあります。

体調変化の「目安」として計るメリットも

ここまで解説したように、より正確に排卵日を予測できる場合は基礎体温の記録は必須ではありません。
しかし基礎体温でわかることやメリットもあります。自分の身体を知るために、自主的に記録をつけてみるのもよいでしょう。

自分の体質や月経周期を把握できる

基礎体温を続けて記録することで、排卵の有無や妊娠可能時期、ホルモンバランスなどがおおまかにわかるようになります。また温度変化によって、思いもよらない疾患や不妊原因が見つかるきっかけになることもあるでしょう。

基礎体温から、主に以下のようなことが示唆されます。

  • 高温期がない:排卵がない、月経がない可能性
  • 高温期が10日以内:黄体ホルモン機能が低下している可能性
  • 体温の変動が激しい:ストレスや睡眠不足等で排卵がスムーズでない可能性

高温期と低温期の二相に分かれ、高低の温度差が0.3℃以上ある場合、排卵は正常であるとされています。また高温期は10日以上あることが望ましいといわれています。あくまで目安ではありますが、このようにご自身の身体の状態を把握する指標として基礎体温が役立ちます。

基礎体温は正しく計ることが重要

基礎体温は起床後、身体を動かす前の安静時に速やかに測ることが望ましいといえます。環境によって体温が変動しやすいため、運動による体温上昇を受けない状態で計測することが重要だからです。枕元などに体温計を置いて、すぐに測れる状態にしておくとよいでしょう。

基礎体温を計測する際は、小数点二桁まで表示される専用の体温計を用意してください。体温を測るときは寝転んだ状態で、舌の裏側の筋の右側、もしくは左側のどちらか片側に入れ、口を閉じて測ります。体温計の先端部分は、いつも同じところで測るようにしましょう。

最近では基礎体温を記録するアプリもあり、数値をグラフ化できます。
まずは基礎体温の二相性が確認できるかが重要ポイントです。あまり神経質になり過ぎず、無理のない範囲で記録を継続してみるとよいでしょう。

体外受精についてお悩みなら六本木レディースクリニックへ

より正確な検査をおこなう体外受精では、基礎体温の記録は必須でないことが多い傾向にあります。基礎体温の数値は、体外受精に限らず身体の状態を知る「目安」にとどまり、毎日の記録にストレスを感じている場合は、無理に継続する必要はないといえます。

不妊治療中は、不安やストレスを抱えがちです。六本木レディースクリニックでは、一人ひとりの身体の状態や環境に合ったオーダーメイド治療を実施しています。無理のない治療計画を一緒に考えていきます。不妊や体外受精でお悩みを抱えている方は、当院にお気軽にご相談ください。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師