体外受精の価格は病院や治療内容によって変わります


体外受精は人によって治療内容が変わるので、同じ病院で治療を受けても最終的な価格は変わってきます。
また体外受精は自由診療にあたるため、同じ治療内容でも病院によっては大きく価格に差が出ることもあります。

事前にきちんとすべての治療費がどれくらいになるのかを確認しておくと良いでしょう。
体外受精は一度で妊娠できるとは限らず、複数回の治療を経て妊娠することも珍しくありません。
その場合は、妊娠出産までにかかった費用の合計が100万円以上になる可能性もあります。

1回の治療の平均価格は30万円前後と言われています

体外受精は病院や治療内容によって価格が異なってきますが、いくつかの病院を比べてみると大体30万円前後からといえそうです。
場合によっては1回の価格が80万円近くになる病院もあるので、自分が考えている病院やクリニックの治療費がどれくらいになるのかを確認しておくとよいでしょう。

また事前に病院に見積もりを立ててもらうと良いですが、見積もりよりも高くなる可能性もあります。
いざ治療を始めてみないと、必要となる薬剤や検査の量が人によって変わってくるからです。

体外受精の治療の大まかな流れは次のようになります。
まずは術前検査を行い、それから卵胞を育てていきます。

自然な周期での排卵が難しい場合、排卵誘発剤を使って卵胞の成長を促します。
卵胞が十分に育ったら採卵を行い、同時に男性の精子も採取します。

採取した卵子と精子を受精させ、受精したら移植できるところまで培養し、タイミングを合わせて胚移植することになります。
胚移植後には着床率を高めるために黄体ホルモンを補充し、大体2週間を目安に妊娠したかを検査します。

ここまでの流れで出てきたそれぞれの治療に費用が掛かります。
そして排卵誘発剤を使うとひと言でいっても、その内容はさまざまです。

排卵誘発法には、アゴニスト法やHMG-MPA法などいくつかの種類があり、それぞれ使う薬剤も異なるため、当然価格も変動します。
このように体外受精の価格はおよその相場までしか計算することはできません。
さらに成功するまでの治療回数によって、治療費の総額は変わってきます。

治療が長引くと100万円を超える可能性もあります


体外受精は一度の治療で妊娠するとは限りません。
胚移植を行っても、それが必ず着床するのではありません。
妊娠できずに治療を繰り返す場合には、当然治療費も増えてしまいます。

数回の治療を行い妊娠した人の治療費は100万円を超えてしまうのも珍しくはないようです。
ただし2回目以降の治療で、1回目とまったく同じ費用が掛かるとは限りません。
2回以降の治療では、価格を割引にしている病院も多いからです。

主に、採卵費用が2回目以降は値引きされる傾向にあります。
1回目に採卵し受精させたものを凍結させ、凍結杯移植を行う場合には採卵を必要としないことになります。
採卵の分の費用が掛からず、1回目よりも費用を抑えられます。

最終的に何回の治療で妊娠できるかは分かりません。
最大で総額どれくらいの価格になるのかということも、事前に考えておくとよいでしょう。
総額100万円以上の治療費に体外受精をためらう人もいるかもしれません。

保険適用がなく高額な体外受精ですが、費用の一部を負担してくれる助成制度はあります。
上手に活用すれば、費用を大分抑えることができるのでチェックしてみてください。

市町村によって助成金制度があることもあります

体外受精の治療は医療保険の適用外になるものが多く、高額な治療費を自己負担しなくてはいけません。
こういった金銭面の問題が気になるという方には、体外受精の治療費の一部を負担してくれる助成制度があります。

国の助成制度に特定不妊治療を対象とした助成制度があり、全国どこにいても受けることができます。
特定不妊治療というのは、体外受精と顕微授精を指しています。

厚生労働省によると、1回の治療につき初回は30万円まで、2回目以降は15万円助成するとあります。
ただし採卵を行わない凍結杯移植の場合などは7万5000円になります。

また何度でも受けられるのではなく、最初に女性を受けた時点での女性の年齢が40歳未満なら6回まで、40歳以上なら3回までといった制限もあります。
所得制限は夫婦合わせて730万円です。

さらに国とは別の助成制度を設けている市町村もあります。
助成内容や金額、条件などは各市町村によって異なります。
国の助成制度の助成金の上限を上回った分を、さらに補助してくれるという制度が多いようです。

治療費が50万円かかり国から15万、さらに自治体で15万円の補助が受けられれば、実質負担するのは20万円ということになります。
体外受精は価格が高い不妊治療なので、こういった助成制度をうまく活用することをおすすめします。

(まとめ)体外受精の価格はどれくらい?

1.体外受精の価格は病院や治療内容によって変わります

体外受精の価格は、病院や行う治療によって変わります。

保険適用外の体外受精は自由診療なので、同じ治療内容でも病院によって価格に差が出ることがあり、行う治療も個人によって変わります。
事前に、病院で見積もりをしてもらい確認しておきましょう。

2.一回の治療の平均価格は30万円前後と言われています

体外受精1回の治療費の平均は30万円前後からといえるでしょう。

病院によっては80万円近くになることもあります。
事前に見積もりを立てても、治療の途中で薬剤や検査が追加され、当初の予定より費用がかさむこともあります。

3.治療が長引くと100万円を超える可能性もあります

体外受精は一回で終わるとは限りません。

妊娠しなければ数回の治療を繰り返すことになり、総額では100万円を超えることもあります。
2回目以降は、割引で多少価格が安くなる病院もあります。

4.市町村によって助成金制度があることもあります

価格が高い体外受精ですが、助成金制度を利用すると自己負担額を抑えることができます。

厚生労働省による助成金制度のほか、各自治体によって受けられる助成金制度もあります。
合わせて利用することをおすすめします。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師