体外受精中の過ごし方は、神経質にならないようにしましょう


体外受精中の過ごし方は、特に神経質になる必要はないようです。
胚移植後は安静に過ごした方が良いと思われがちですが、それによって着床の成功率は左右しないと考えられています。

妊娠に備えて禁煙・禁酒などは心がけたほうが良いですが、必要以上に過ごし方のことで神経質に考えると、かえってストレスになってしまいます。
ストレスは身体に良くない影響を与えるとされるので、あまり気にし過ぎず、しっかりと栄養のある食事を取りながら穏やかな気持ちで過ごすと良いでしょう。

いくつかの注意点を抑えておきましょう

体外受精で胚移植を行った後には、いくつかの注意点が挙げられますので抑えておきましょう。
移植当日、入浴は控えるように病院で指導されることがあります。

胚移植では女性の膣にカテーテルを挿入して、子宮へと受精卵を送ります。
このときに、子宮の形状などによっては傷が付いてしまうことがあります。

移植への影響はありませんが、傷口から感染症を起こす可能性が考えられます。
そのため湯船に浸からないようにといわれているのです。

もちろんプールに入るのも良くありません。
お風呂はシャワーだけにしておきましょう。

胚移植後の運動は、ウォーキングのような適度なものは問題ないでしょう。
激しい運動は控えたほうが良さそうです。
医学的な証明はありませんが、自転車に乗るとサドルから伝わる振動が良くないといわれています。

子宮収縮が引き起こされて影響があるのではと考えられています。
念のため、自転車で長距離の移動をするのは避けたほうが良さそうです。

子宮収縮という点から、胚移植後すぐの性行為も好ましくないようです。
男性の精液に子宮を収縮させる作用があるといわれていて、着床や妊娠に影響を与える可能性があるといわれているからです。
胚移植で膣内が傷ついている可能性もありますし、数日間性行為は控えた方がよいでしょう。

最後に、身体が冷えないようにしましょう。
身体の冷えや血行不良によって、妊娠しにくくなるといわれています。
冷たい飲み物の摂り過ぎや、身体を冷やすような薄着は避けましょう。

禁酒・禁煙を心がけましょう


体外受精の治療中は、飲酒や喫煙は控えた方がよいでしょう。
タバコに含まれる有害物質や、アルコールが胎児に悪影響を与える可能性があるからです。

アルコールには催奇形性があるとされ、妊娠中に摂取すると成長障害や中枢神経障害・頭蓋顔面奇形・関節異常などなんらかの先天異常が胎児に現れる可能性が高まるといわれています。
その原因はお酒に含まれるアルコールそのものや、アルコールを代謝するときに作られるアセトアルデヒドだと考えられているのです。

アセトアルデヒドは毒性があることで知られ、二日酔いや悪酔いの原因もアセトアルデヒドにあるといわれています。
大人にとっても毒性のあるアセトアルデヒドが、胎児にとって良い影響を与えないというのは想像できるでしょう。

妊娠に気づかず少量飲んだほどで胎児に悪影響になるとは考えにくいですが、妊娠中に飲んでも安全な飲酒量というものははっきりとしていません。
そのため体外受精中、特に胚移植後は基本的にお酒を避けるように心がけましょう。

タバコに含まれる有害物質は、血流を悪くするといわれています。
タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、酸素を運ぶヘモグロビンと結びつきやすく、酸素を運ぶヘモグロビンを減らしてしまうかもしれません。

血流が悪くなると、胎児に十分は血液が行き届かない可能性があります。
必要な酸素や栄養素が不足し、成長が遅れたり早産や流産したりするリスクが高まるといわれています。

実際に早産率が高くなったというデータもあります。
お酒と同様、早い段階で禁煙して過ごすようにしましょう。

ストレスを感じない過ごし方が大切です

ストレスは身体に悪い影響を与えるといわれているので、体外受精中はなるべくストレスを抱え込まないように過ごすとよいでしょう。
ストレスを感じると、脳の視床下部という部分に影響があるといわれています。

視床下部はホルモン分泌を調整する役割を持っています。
ストレスを感じるとホルモン分泌がおろそかになってしまい、ホルモンバランスが乱れて生理不順に繋がるといわれています。

ホルモン分泌は体外受精の治療にも影響を与えます。
ただストレスを溜め込まないほうがよいと分かっていても、なかなか難しいところがあります。

そのため適度にストレスを適度に発散させて溜め込まない過ごし方をすることがポイントになります。
たとえば規則正しい生活を送ることです。

睡眠は疲労回復や免疫力の向上に繋がるとも考えられているので、早寝早起きがよいといわれています。
また食事の時間や睡眠時間が毎日バラバラだと、体内時計のリズムが乱れて体内の機能に影響を与えるともいわれています。

栄養バランスのよい食事を、規則正しく取るということを心がけるとよいでしょう。
最後に、体外受精の治療そのものがストレスにならないようにしましょう。

体外受精は一度で成功すると限らず、時間やお金がかかりストレスとなることがあります。
あまり気負いし過ぎずに、焦らず疲れたら治療をお休みするくらいの気持ちで取り組むとよいでしょう。

(まとめ)体外受精中の過ごし方に注意点はある?

1.体外受精中の過ごし方は、神経質にならないようにしましょう

体外受精中、過ごし方について神経質になり過ぎるとストレスになってしまいます。

ストレスは身体にとってよい影響は与えません。
なるべく穏やかな気持ちで、いつも通りの生活を送りましょう。

2.いくつかの注意点を抑えておきましょう

胚移植後にはいくつかの注意点を抑えておくと良いでしょう。

身体を冷やさないようにする、胚移植当日の入浴は避けるなどがあります。
あまり神経質になる必要はありませんが、良くないといわれていることは控えた方がよいでしょう。

3.禁酒・禁煙を心がけましょう

お酒やタバコは、大人にとっても有害となり得るものです。

母親が飲酒喫煙を行うことで、その影響が胎児にも出てしまい、成長が遅れたりなんらかの障害を残したりする可能性があります。
体外受精の治療中は禁酒・禁煙を心がけましょう。

4.ストレスを感じない過ごし方が大切です

ストレスを感じると、ホルモンバランスが乱れて妊娠しにくくなる可能性があります。

ストレスを感じにくい過ごし方や、適度にストレスを解消する過ごし方を心がけましょう。
また規則正しい生活習慣は、ストレスに負けない心身を作ることに繋がります。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師