体外受精後に温めるのは問題ないといえます


体外移植後にお腹を温めるのがいけないという考え方は、胚は熱に弱いため変質する恐れがあるから、という噂が広まったためです。
結論からいってしまえば、温めるのは問題ありません。

反対にお腹を温めて血流を良くしたほうが、妊娠率が上がったという例もあります。
あくまでも胚が熱に弱そうというイメージからきた噂にすぎません。

体外受精後はお腹を温めたほうがいいというデータがあります

体外受精後にお腹を温めると妊娠率が上がるというのは、医学的な根拠はありませんが、鍼灸や整体などの治療院で実際に上がったというデータがあります。
ひとつめは、鍼灸の学会で発表された、鍼灸を受けると妊娠率が上がるというデータです。

もうひとつは不妊治療院で導入されている、医療用の遠赤外線治療器具の使用で、妊娠率が上がったという内容があります。
妊娠率が上がったと考えられるのは、お腹を温めることで血流がアップするからです。

受精した受精卵は卵管内で細胞分裂を繰り返し成長していきます。
子宮にたどり着いた受精卵は、子宮内膜の上皮に侵入していき、着床となるのです。

この際に受精卵と母体との間に血流が開始され、母体の血液を通して酸素や栄養を受け取ります。
受精卵の着床には母体の血流の良さが重要となり、体外受精時にお腹が冷えているより、温かいと着床率が高まると考えられているためです。

体外受精では慣れない治療で、患者さん本人もとても緊張していることでしょう。
そのような状況では自律神経の交感神経が働き、血管が収縮して血流が悪くなっています。
その結果お腹への血流が悪くなる恐れがあるため、温める方法が治療院で利用されているのです。

温めるのはよくないと広まった理由があります


体外受精時にお腹を温めるのはよくないという噂が広まったのには理由があります。
男性の不妊の原因のひとつが下半身を温めるためという噂を聞いた方は、このような誤解から生まれた可能性があるようです。

男性の睾丸が露出しているのは熱に弱いためで、熱にさらされると不妊症の原因となると聞いたことはないでしょうか。
正確には熱に弱いのではなく、おたふくかぜのウイルスが原因で精巣に炎症がおきると、男性の不妊症になるというものです。

ほかにも体外受精だと事前妊娠と比べて弱いという印象からきた可能性もあります。
そしてもう一つ、直接温めすぎると胚が熱で壊れてしまうというイメージからです。

よく考えてみればお腹を温めたくらいで、子宮内が高温となるわけがなく、現実的ではないことは理解できるはずです。
ところが体外受精を利用している際には、少しのことも不安に感じやすいのが通常で、常識から外れた噂でも本当のように感じてしまう可能性はあるでしょう。

お腹を直接カイロで温めたり、入浴で温めたりしても、血流によって熱は運ばれる仕組みがあります。
お腹の中だけ高温となり、胚が壊れてしまうほど温度は高くなることはありません。
体が冷えていると感じるなら直接カイロで温める方法も問題なく、カイロが不要な気温であれば温める必要はないでしょう。

体を直接温めるのではなく血流が大切です

お腹を温めると妊娠率が高まるという考え方は、冷え性がありお腹が冷えている方のみです。
夏で気温が高いのに腹巻を巻く、カイロを貼るということではありません。

重要となるのは母体の血流の良さのため、適度な運動やストレスを取り除く努力をおすすめします。
受精卵が着床する高温期は、体温が上昇します。
これは受精卵が着用しやすい環境が平熱よりも少し高めだからです。

高温期には黄体ホルモンが分泌し、体温を維持することで着床を促しています。
そのことから妊娠率を高めるためには、ある程度お腹の体温が高いと良いのではないかと考えることができるでしょう。
ストレスは自律神経を乱す原因となり、交感神経が優位になって血流が悪くなります。

体外受精の胚移植後は、リラックスする環境を整えて、適度な運動を取り入れながら血流アップを心がけてみましょう。
体外受精では治療についての不安、費用のこと、仕事のことなど考えることがたくさんあるため、不安があるなら医師に質問して解消することをおすすめします。

(まとめ)体外受精後はお腹を温めるのはいいの?

1.体外受精後に温めるのは問題ないといえます

体外受精後にお腹を温めるのは問題ありません。

冷やすより温めたほうが、お腹の血流がアップし妊娠率が上がったというデータもあります。
温めてはいけないという考え方は、イメージからくる噂が原因となっています。

2.体外受精後はお腹を温めたほうがいいというデータがあります

体外受精後にお腹を温めたほうがいいというのは、医学的な根拠はありませんが、実際に治療院では良いデータが出ています。

その理由は胚の着床時に母体から血液を通して酸素や栄養を受け取るからです。
血流の良さが着床と関係すると考えられます。

3.温めるのはよくないと広まった理由があります

体外受精後お腹を温めないほうがいいと噂が広まったのは、些細な誤解からきたことです。

不妊治療中は不安がつきもので、ちょっとしたことが気になり噂が広まったのでしょう。
カイロでお腹を温めても、子宮内が高温になることはありません。

4.体を直接温めるのではなく血流が大切です

体外受精後は血流を良くする対策として、適度な運動やストレス解消をしてみましょう。

高温期に体温が高くなることからも、着床のためには体温が高いことが求められています。
不妊治療のことで不安がある場合は、医師に相談するのがおすすめです。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師