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妊娠しにくいとされる子宮後屈には、うつぶせ寝が良いとされています
子宮後屈は、通常よりも子宮が後ろに傾いた状態のことを言います。
生まれつきのケースが多く、全体の約2割の女性が子宮後屈だとされています。
子宮後屈は、精子が子宮内へ進入しづらく、また受精卵の着床を妨げるので妊娠しにくい原因とも言われています。
しかし性行為後にしばらくうつぶせ寝になることで、精子の進入を促すため妊娠しやすくなると考えられています。
子宮後屈は、うつぶせ寝により妊娠確率が上げられる場合もあるとされています
通常女性の子宮はお腹側に向かって傾き、子宮口は前向きになっています。
しかし何らかの原因で子宮が背中側に向かって傾き、子宮口が後ろ向きになっている状態を子宮後屈と呼びます。
子宮後屈だと、精子が子宮内へ進入しづらくなるため、卵子と精子の受精を妨げる可能性があるとされています。
また、精子が上手く子宮内に入って卵子と受精しても、受精卵が長く子宮内に留まれずに滑って下へ落ちてしまうリスクが高いため、着床が失敗するケースがあるとも考えられています。
そのため子宮後屈は妊娠しづらいと言われていますが、性行為の後にうつぶせ寝になると、妊娠の確立を高めるとされています。
うつぶせ寝にすることで、背中側に傾いた子宮口のにある窪みに溜まった精子が、子宮内へ入り込む可能性が高まるからです。
妊娠しにくいとされる子宮後屈の方でも、必ずというわけではないですが、性行為後に15分程度うつぶせ寝をするだけで不妊を改善できる場合もあるとされているのです。
妊娠しにくいとされる子宮後屈は、先天的もしくは後天的要因があります
妊娠しにくいとされる子宮後屈は、遺伝による生まれつきの場合が多いとされています。
先天的な子宮後屈は、子宮が直腸と膀胱の間に挟まれており、便や尿の状態によって動くこともあり、可動性子宮後屈と呼ばれています。
稀に子宮の発育が不十分であったり、骨盤底筋群の機能低下によったりして引き起こされることもあります。
特徴的な症状としては、月経時の下腹部痛や腰痛などがありますが、目立った自覚症状がないため気づきにくい場合もあるでしょう。
一方で、骨盤内の炎症や子宮内膜症、子宮の良性腫瘍や卵巣脳腫などの病気が原因の場合もあると言われています。
子宮疾患が起こると、子宮が他の臓器にくっついてしまい、引っ張られて背中側に傾き、本来の位置からずれたまま戻れない状態になることがあり、これは癒着性子宮後屈と呼ばれます。
この場合、月経時の出血量が多い、月経時以外の腹痛や腰痛、排尿障害や便秘などの症状が現れます。
また子宮後屈だと通常よりも子宮頸管が狭くなってしまいます。
月経時の大量の経血を外に排出するために、子宮に圧力がかかってしまうことで、強い腹痛が起こりやすいと言われているのです。
可動性子宮後屈の場合は、ほとんどのケースで無事出産できます
子宮後屈は、内診や超音波検査によって判明するのが一般的です。
可動性子宮後屈の場合、自覚症状がないので婦人科検診で偶然見つかるというケースもあります。
検査で他の臓器への癒着が見られる場合や、癒着性子宮後屈の症状が見られる場合は、原因を特定する詳しい検査が行われます。
ただ子宮後屈であっても、生まれつきの場合は特に治療の必要はないとされています。
しかし、癒着性子宮後屈は病状によっては、癒着部位の剥離や子宮を正常な位置に戻す処置が必要となることもあります。
また子宮後屈になると、妊娠できたとしても出産への不安を抱える方もいるでしょう。
可動性子宮後屈の場合は、妊娠して赤ちゃんの成長ともに子宮が大きく膨らんでいくうちに、後ろに傾いていた子宮の位置が前方へと自然にずれる場合が多いと言われています。
そのため、無事に出産に至るケースがほとんどです。
一方で、癒着性子宮後屈の場合は子宮の癒着部位や範囲などによって異なりますが、切迫流産など母体や赤ちゃんに影響を及ぼすこともあるとされています。
無事に出産できるケースも多いですが、まずはどんな疾患でどんな状態であるかを突き止めてから、必要な処置を行う必要があるでしょう。
(まとめ)妊娠しにくいとされる子宮後屈はうつぶせ寝が良いの?
子宮後屈は遺伝が原因となる場合もあり、妊娠しにくくなるとも言われています。
しかし精子の子宮への進入がスムーズになるため、性行為後のうつぶせ寝により妊娠しやすくなるとされています。
通常お腹側に傾いている子宮が、反対の背中側へ傾く子宮後屈は、精子の進入を妨げるので不妊の要因になりやすいと言われています。
しかし性行為後にうつぶせ寝になることで妊娠しやすくなると考えられています。
子宮後屈は、2つに分けられます。
尿などの状態で動きやすく、遺伝など生まれつきの場合が可動性子宮後屈です。
さらに子宮内膜症などの病気が原因で他の臓器との癒着が見られるのが癒着性子宮後屈です。
可動性子宮後屈の場合、妊娠中に子宮が正常な位置へ移動する場合が多く、出産への影響は少ないとされています。
一方癒着性子宮後屈の場合は、癒着程度や部位によって妊娠や出産に影響のある場合も考えられるので、何らかの処置を行うこともあります。