体外受精の成功率は25~30%ほどといえます
体外受精での成功率は、症例ごとの詳しいデータが揃っていないため、詳細はわかりませんが、大体25~30%だといわれています。
日本での成功率は23%というデータもあれば、ヨーロッパでの成功率は26.1%というデータも出ています。
これらの数値から、25~30%程度といえるでしょう。
また日本産科婦人科学会が発表したデータによると、2007年における新鮮胚を用いた体外受精と顕微授精の成功率は、14.8%となっています。
体外受精から出産までの成功率は年齢に比例するといえます
体外受精の成功率を判断するには、成功率ではなく、出産まで至った割合を見る必要があります。
体外受精の成功率をデータにしたものは、妊娠した割合であり、その後流産に至ってしまった方の人数は引かれていません。
また成功率は女性側の年齢によって左右されてしまいます。
この点に関しても、正しいデータを知っておく必要があるでしょう。
アメリカのCDCの発表によるデータでは、40歳女性の出産まで至った割合は16.1%、41歳では12.1%、42歳では9.0%、43歳では6.3%と数値が減ってしまっています。
年齢を重ねるごとに成功率は下がってしまうため、そういったことを踏まえてどのような治療方法を選択するか考えていく必要があるでしょう。
40歳以上の人ほど成功率が下がってしまうのは、染色体異常の割合が増えるからです。
体外受精では50%の割合で染色体異常が出るともいわれています。
胚に染色体異常があれば受精に至りませんので、妊娠することはできません。
また上手く受精したように見えても、染色体異常があればすぐにその影響が出てしまい、出産には至ることができません。
染色体異常というのは顕微鏡で見ただけでは判断することはできず、一見良質な胚に見えても、移植後に妊娠に至らないこともあります。
成功率を上げるにはいい卵を育てる対策が必要です
年齢を重ねても体外受精の成功率を高くするためには、いい卵を育てる環境が必要です。
卵子の質が高ければ成功率は高まるため、できるだけ質を高める努力をすることが大切でしょう。
体外受精とはあくまでも卵子と精子を出会わせるお手伝いですから、高度な生殖医療技術が発展しても、その内容は変わりません。
卵子の若返りに重要となるのが、ストレス対策です。
不妊治療にはたくさんのストレスがつきもので、不妊治療を止めた途端妊娠したという話もよく聞きます。
それくらいストレスは質のよい卵子を育てることに対して、弊害となってしまうのです。
成功率を高めるためにはストレスがかからない治療体制が重要で、患者さんに合わせたスケジュール管理が求められます。
わからないことがあれば何でも聞くことができて、不安を解消することができる医療機関であることが大切です。
また卵子の質を高めるためには、抗酸化作用や抗炎症作用がある食べ物、サプリメントをとる方法もあります。
自然妊娠の場合でも成功率は25%です
体外受精の成功率は思いのほか高くはないのだと、落胆された方もいるかもしれません。
しかし夫婦どちらにも異常が認められず、自然妊娠した場合でも成功率は周期あたり25%程度といわれているのです。
体外受精でも自然妊娠でも同じ年齢であれば割合はそれほど変わりません。
そのため体外受精で成功させるためには、ある程度の回数が必要だということになります。
40代で体外受精にチャレンジする方は、タイムリミットが迫っているとも言えるため、長期的な治療ではなく短期間で回数をこなすことが重要です。
検査ではどのくらいの猶予があるのか調べることも可能ですから、詳しい検査で何回くらいチャレンジできるか明らかにする必要があるでしょう。
体外受精の1回目で受精できない割合は、70~75%もいるわけです。
1回目で妊娠することができれば一番よいのですが、そうなる確率が低いという事実は否めません。
具体的なスケジュール管理はクリニックで相談することができますので、年齢のタイムリミットが迫っている方も相談してみましょう。
(まとめ)体外受精の成功率はどれくらい?
体外受精の成功率は、25~30%だと考えておきましょう。
日本の成功率のデータでは23%、ヨーロッパでは26.1%というデータが出ているため、これくらいの割合であると考えられます。
体外受精の成功率で比較したいのが、年齢による妊娠に至った割合です。
年齢を重ねるごとに割合は低下してしまうため、適切な治療方針を決めるようにしましょう。
40歳以上の割合が減るのは、染色体異常が増えるからだといわれています。
体外受精の成功率を高めるのであれば、ストレス対策と食生活の見直しが必要です。
体外受精の治療にはどうしてもストレスがつきもののため、そういった面にも配慮した治療内容であることが大切です。
体外受精の成功率は思ったより低いのですが、自然妊娠でも周期あたり25%といわれており、それほどの違いはありません。
体外受精にはある程度の回数が必要で、1回目で妊娠に至る可能性は低いといえます。
そのことを考慮のうえスケジュールを立てましょう。