体外受精は流産率が高くなりやすい?MV
体外受精は不妊に悩むカップルに適応されることが多い不妊治療のひとつです。しかし体外受精によるリスクが心配な方も多いのではないでしょうか。

この記事では懸念される流産のリスクについて、自然妊娠と比較した流産率や体外受精での成功率を上げるためにできることを紹介します。

体外受精と自然妊娠の流産率に差はある?

「体外受精は流産率が高い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし実際は、体外受精と自然妊娠の流産率に大きな差はありません。体外受精と流産率には、明確な因果関係はないとされています。

体外受精に限らず、妊娠1回あたりの流産率は15%程度といわれています。さらに母体の年齢が40歳を超えると流産率は50%程度まで高まります。
一方で体外受精の流産率は、日本産婦人科学会の2021年のデータによると、20〜30代前半までは20%程度です。そして40代前半で40%程度、45歳を超えると50%程度まで上昇します。このように体外受精と自然妊娠の流産率に大差はないことがわかります。

参考:日本産科婦人科学会「2021年ARTデータブック

「体外受精=流産率が高い」といわれる理由は?

流産率が高いイメージを持たれる理由は、そもそも体外受精が対象となる方の年齢が高かったり、何らかの不妊原因を持っている場合が多いことも影響しています。

体外受精は「生殖補助医療」という高度な不妊治療です。35歳以上、または卵子・子宮因子、重度の男性不妊などの不妊原因を持つ場合が、主に対象になります。
そのため、複数のリスク因子によって流産となる場合が少なくありません。体外受精の治療自体に、流産率を上げてしまう原因はないといえます。

高齢出産と流産率は関係がある?

女性の年齢が上がるほど、流産率は上昇します。
これは、体外受精の流産率が高いと思われてしまう理由のひとつでもあります。一般的に体外受精にトライする方は35歳以上の方が多いためです。

女性の加齢による流産率の上昇は、自然妊娠も体外受精も同様のリスクがあります。特に37歳頃を境にして、流産する確率が上がってくるとされています。
実際に日本産婦人科学会が公表している2021年の年齢別の流産率を見ると37歳で25%前後、38歳で30%前後に達し、年齢とともに流産率は右肩上がりとなっています。
さらに妊娠率や生産率も年齢とともに減少し、妊娠しにくくなります。

これは加齢にともなう卵子の減少、卵子の老化などが原因といわれています。卵子は新しく作られる細胞でないため、歳を重ねるとともに数は減少し、質は下がっていきます。

その結果、染色体異常なども起こりやすくなり、流産率を上昇させてしまうのです。
年齢に加えて生活習慣も大きく関係しており、年齢が若くても卵子の老化が進んでいる場合もあります。

体外受精のリスクの詳細はこちらの記事でも解説しています。
> 「体外受精のリスクは?母体や子どもへの影響を詳しく解説」を読む

体外受精や不妊治療での妊娠・出産を成功させるには?

流産のリスクを回避し、体外受精の妊娠・出産の成功率を上げるためにできることをご紹介します。

早くから不妊治療を検討する

妊娠・流産・分娩のリスクは、年齢が上がるほど上昇します。そのため「子どもが欲しい」と思ったタイミングで、早めに不妊治療を検討することをおすすめします。

通常の妊活での自然妊娠は、年齢が上がるにつれて難しくなります。不妊治療を受けるかどうかに関わらず、まずご自身の身体の状態を把握する意味でも、不妊検査を受けてみるとよいでしょう。

不妊検査の結果をもとに、自然妊娠を目指して妊活する、タイミング法から不妊治療をスタートする、などの計画が立てやすくなるはずです。年齢は妊娠率に大きく影響しますので、早めに不妊治療を検討することがリスク回避にもつながります。

健康な生活を心がける

卵子の老化は、実は生活習慣からも影響を受けるといいます。適度な運動やバランスのよい食事、十分な睡眠は健康的な母体を作るうえで欠かせません。
運動によって血液の循環がよくなると、全身に栄養や酸素が運搬されて老廃物がスムーズに排泄されます。すると全身の働きも順調におこなわれるので、ホルモンバランスも整い卵子の老化も遅らせることが期待できます。

また食事のなかでも、葉酸を含む食材(玄米・ブロッコリーなど)を積極的に摂るようにしましょう。葉酸は早産のリスク回避や胎児の発育にも必要不可欠な栄養素になります。
睡眠は、身体を休めて傷ついた細胞を修復する大切な時間です。睡眠不足にならないよう、規則正しい生活リズムを送るようにしましょう。

ストレスをためない

ストレスは身体を緊張させて血行を悪くさせてしまい、十分な栄養が卵巣へ行き渡りにくくなるだけでなく自律神経の働きも乱れやすくさせます。自律神経はホルモン分泌に大きく関わっているので、適度なホルモン分泌には安定した自律神経の働きが欠かせません。

不妊治療中はストレスを感じることも多くなるかもしれませんが、治療に専念するだけでなく、リラックスする時間も作ってみましょう。パートナーと旅行に行く、ちょっと贅沢に外食するなど、ストレスをためこまないことが大切です。

自分にあった治療を受ける

不妊治療とひとことにいっても、その方法はさまざまです。
身体の状態や置かれている環境、年齢によって適切な治療は一人ひとり異なります。どの治療法を選択するかによっても、妊娠率は変わってきます。ご自身にあった治療を受けることが、妊娠・出産へ導く最短ルートであるといえるでしょう。

そのためにも検査を受けて主治医と意見をすり合わせ、最適な治療法を選択することが大切です。

信頼できるクリニックに相談する

不妊治療は長期に渡るケースもあり、医師との二人三脚になりますので、クリニック選びは重要です。

まずはカウンセリングを受けてみるのも判断材料になります。実際の不妊治療による妊娠率や実績を公開しているクリニックもあります。
一般不妊治療はもちろん、体外受精などの生殖補助医療の実績がある、信頼できるクリニックを選びましょう。

不妊治療や体外受精のお悩みは六本木レディースクリニックにご相談ください

体外受精の治療自体に、流産率を引き上げる原因はありません。しかし体外受精や自然妊娠に関わらず、妊娠には15%程度の流産リスクがあります。

流産率は年齢が高いほど上昇することがわかっています。
不妊治療や体外受精を検討している方は「赤ちゃんが欲しい」と思ったタイミングで、まずはクリニックに相談してみることをおすすめします。

六本木レディースクリニックは、不妊治療・体外受精に特化したクリニックです。患者さま一人ひとりにあったオーダーメイド不妊治療を提供しています。
看護師による無料相談もありますので、不妊にお悩みの方は当院にお気軽にご相談ください。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師