高齢の体外受精はできるものの妊娠確率は低めです


高齢でも体外受精が行えますが、妊娠の確率は自然妊娠同様に低くなっていきます。
高齢になると卵子の数や質、女性の体の変化など、妊娠しにくい環境になっていくことが原因です。
ただし年齢が上がっても若い頃に採取した凍結卵子を使うことで妊娠の可能性を高めることはできます。

体外受精による妊娠は確実ではありませんし、個人差がありますが、やはり高齢になるにつれて卵子の質などの問題で難しくなるといえるでしょう。
若い頃にはなかったリスクが高くなることも考えられます。

高齢の体外受精は妊娠しにくいため早めに計画をたてることが大切です

体外受精は、自然妊娠が難しいカップルが行う不妊治療として幅広く認知されている方法です。
晩婚化や共働きカップルの増加によって、妊娠出産の高齢化も進み、さらには高齢の体外受精の成功事例なども増えてきました。

そのことから、高齢でも妊娠出産できると思う人が多くなっています。
ところが高齢になるにつれて不妊治療の成功率は下がり、体外受精も例に漏れず妊娠の確率は下がっています。

自然に妊娠できずに放置していた場合や体外受精に頼ろうと妊娠のタイミングを遅くしていた場合には、妊娠出産の確率が下がることを認識しましょう。
妊娠・出産を希望する場合には、できるだけ早めの受診を行い、その時期にできることを検討することが必要です。

将来のために凍結胚の保存や未受精卵凍結といった方法を検討する人もいます。
また高齢のカップルが体外受精を含めた不妊治療を行う場合には、心身の負担を考えた上で治療回数を設定しておくことも大切となります。

体外受精では40代以上の妊娠率は下がる傾向があります


体外受精での妊娠、出産の確率は、38歳から下がり始めます。
40代の妊娠も無理ではありませんが、40代後半からの妊娠の確率は急激に下がります。

40代の体外受精をした実績などのデータを見ても、妊娠している人はいますが、多くの場合には40代前半に成功例が集まっています。
40代以降の妊娠できる確率の低下は、母体の高齢化によって健康な受精卵を作ることが難しくなり、着床や妊娠の継続がしにくくなることが原因と考えられます。

また加齢に伴って卵子の数も減ってきます。
体外受精では、健康な卵子をより多く採取して、健康な受精卵を複数個育てることで妊娠の可能性を高められます。

しかし高齢になって卵子の採取数が減ってしまうと、妊娠の可能性は低くなってしまいます。
母体が高齢になるにつれて、染色体異常の発生の割合も高くなります。
加齢に伴い、流産の確率が高くなるのも、染色体異常によって妊娠の継続が難しくなるためでないかと考えられています。

凍結卵子を使うことで高齢でも体外受精の確率を高められます

高齢になってから子供を授かりたい場合には、あらかじめ卵子を採取しておき凍結して保存するという方法もあります。
体外受精では、採卵した卵子を受精させ、そのまま着床させる方法と、1度凍結してからタイミングを計るやり方があります。

1度凍結させることで女性の胎内環境を整えることも可能ですが、若い卵子を保存しておくということもできます。
凍結した卵子は数年後に融解し、女性の胎内に戻すことも可能です。

凍結卵子は採取した時の若さなので、胎内に戻す時点よりも若くて健康状態が良好となります。
そのため、妊娠の確率が現時点よりも高い状態で体外受精に臨めます。

凍結した卵子がある場合には、高齢となった状態で新しく卵子を採取するよりも凍結卵子を使用した方が妊娠の確率を高められます。
第一子の体外受精で採取して使われなかった卵子を、二人目の体外受精に使用することも可能です。

その場合には、凍結した卵子を保存するための料金をクリニックに支払い続けることが必要となります。
一般的には、卵子の保存は1年間となっていますが、継続を申し出て料金を支払うと、一定の条件下で保存を継続することが可能です。

ただし夫婦のどちらかが死亡した場合などには保存は継続できません。
また結婚前に卵子を採卵、凍結する未受精卵凍結という方法を取り扱っているクリニックもありますが、こちらも年齢や受精などに条件があります。

(まとめ)体外受精は高齢でもできる?

1.高齢の体外受精はできるけど妊娠確率は低めです

高齢で体外受精を行うことはできますが、妊娠の可能性が低めです。

卵子の数や質、女性の体の問題で妊娠しにくくなるためです。
若いうちに採取した卵子で可能性を高めることはできますが、体外受精は確実ではありませんし、若い頃にはないリスクもあります。

2.高齢の体外受精は妊娠しにくいため早めに計画をたてることが大切です

高齢の体外受精は、妊娠出産の高齢化や高齢の人の成功例が増えたことから高い関心を集めています。

しかし年が経つにつれて妊娠の確率は低くなっていきます。
そのため妊娠出産を希望するには早いうちから計画的に出来ることを行っていくことが大切です。

3.体外受精では40代以上の妊娠率は下がる傾向があります

体外受精では、30代後半から確率が下がり始め、40代後半では急激に妊娠しにくくなっていきます。

これは加齢によって受精卵の質や量が低下することが原因と考えられています。

4.凍結卵子を使うことで高齢でも体外受精の確率を高められます

高齢になって妊娠したい場合には、以前に採取し凍結した卵子を使うという方法も可能です。

現時点よりも若い卵子を使うことができるため、妊娠の確率を高めることができます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師