葉酸とは妊娠する上で大切なビタミンの1つです


葉酸はビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。葉酸は妊娠する上で必要不可欠な栄養素として知られています。

葉酸を摂取することで、赤ちゃんが神経管閉鎖障害を持って生まれてくる可能性を減らしてくれると言われているのです。

過剰に摂取する必要はありませんが、夫婦で適量を守って摂取することで妊娠に役立つでしょう。

葉酸はお腹の赤ちゃんの健康に大切なビタミンです

ビタミンA・ビタミンEといったように、頭にビタミンがついていないものの、葉酸はビタミンB群の一種に含まれています。葉酸は本来「造血のビタミン」とも呼ばれ、その名の通り主に赤血球の生成など造血作用に関わるとされる栄養素です。

この葉酸は他にも細胞を作ったり、傷ついた細胞を修復したり、DNAの合成に関わったりするため、赤ちゃんがお腹の中で育っていくためにも大切な栄養素だと考えられています。

さらにもう1つ、赤ちゃんにとって重要な作用が、神経管閉鎖障害になるリスクを低くしてくれるといわれる点です。神経管閉鎖障害が起きると、脳の神経管というところに異常が出てしまいます。

すると二分脊椎といって下肢の運動障害や膀胱などの機能に障害が出たり、あるいは無脳症といって脳が奇形になって生まれてきたりするのです。無脳症となった胎児の多くは流産か死産となります。

こんな大変な障害ではありますが、葉酸をあらかじめ摂取しておくことで、神経管閉鎖障害のリスクを7割ほど減らすことができると考えられています。

葉酸の摂取量や摂取方法にはコツがあります


葉酸は、その名の通り葉物や、緑黄色野菜などに多く含まれています。葉酸を最初に発見したのもほうれん草の中です。

葉酸を含む具体的な食品としてはほうれん草の他に、からし菜・ちんげん菜・ブロッコリー・グリーンアスパラガスなどがあります。

果物であれば身近なのはいちごです。牛レバーにも多く含まれています。

葉酸は一般的な食生活をしていればあまり不足したり、逆に過剰になったりする栄養素ではありません。

しかし妊娠を希望する場合は1日あたり0.4mgの葉酸を摂取するように心がけることで、神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができると言われています。

なお葉酸には摂取上限があります。1日に1mg以上を摂取してしまうと、大赤血球性貧血があった場合でも発見できなくなる可能性が報告されているため、注意が必要です。

水溶性ビタミンであることもあり、たまに過剰摂取したところで水に溶けて排出されるためそれほど気にする必要はありません。しかしサプリメントを毎日服用するというような場合は上限に気をつけましょう。

また水溶性であることから、加熱に弱いためサラダなどで摂取するのがベターです。

妊娠前から夫婦で葉酸を摂取しましょう

葉酸は胎児の先天異常を回避するために大切な栄養素になります。ここでポイントとなるのは、先天異常は実は妊娠初期の段階で発生することが多いという点です。

神経管閉鎖障害も例に漏れません。しかし妊娠してから数ヶ月経ってから妊娠に気がつくケースも多く、そのままだと初期を逃してしまうこともあります。

そこで妊娠してからではなく、あらかじめ妊娠する前から、日常的に葉酸を摂取しておくことが重要となります。神経管閉鎖障害の場合はだいたい妊娠1ヶ月前~妊娠3ヶ月の間に葉酸を摂取するとよいとされています。

葉酸はビタミンB12と同時に摂取することで効果を高めることでも知られているため、サプリメントなどを利用して効率よく摂るとよいでしょう。ちなみにビタミンB12はしじみなど魚介類に多く含まれています。

また赤ちゃんに影響することから、母親だけが摂取すればよいと思いがちですが、実は男性の摂取も効果があるとされています。夫婦揃って適度な葉酸の摂取をすることで、赤ちゃんの健康を守ることができるでしょう。

(まとめ)妊娠と葉酸とはどう関係があるの?

1.葉酸とは妊娠する上で大切なビタミンの1つです

葉酸はビタミンB群の1つです。妊娠するにあたっては、赤ちゃんが神経管閉鎖障害という先天異常をもって生まれてくるリスクを下げてくれると言われているのが特徴です。

夫婦で積極的に葉酸を摂取しましょう。

2.葉酸はお腹の赤ちゃんの健康に大切なビタミンです

葉酸は本来造血のビタミンと呼ばれ、血液に作用することで知られています。細胞を作ったり修復したり、DNA合成に関与する効果もあります。

また妊娠においては葉酸の適量の摂取が、神経管閉鎖障害の可能性を7割も下げてくれるとされているのです。

3.葉酸の摂取量や摂取方法にはコツがあります

葉酸はほうれん草など葉物に多く含まれます。妊娠にあたっては1日に0.4mgを目安に摂取するとよいでしょう。

しかし1mg以上の摂取は禁物です。水溶性ビタミンであるため、加熱しないままサラダなどで摂取するのがよいでしょう。

4.妊娠前から夫婦で葉酸を摂取しましょう

摂取時期にもポイントがあります。先天異常は妊娠初期の段階で発生する確率が高いため、妊娠してからではなく、妊娠する前から日常的に摂取しておくのがよいでしょう。

また女性だけでなく男性が摂取しても効果があると言われています。


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監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師