排卵後の卵子の寿命は最長24時間で、受精可能時間はさらに短くなります


排卵で飛び出した卵子の寿命は24時間が最大で、さらに受精可能時間は6~8時間と短くなっています。一方精子の寿命は2~3日のため、排卵日前日の性交が妊娠率を高めるでしょう。

そして排卵日を知るには基礎体温を計測してグラフにしておくと分かりやすく、体調の変化も合わせて気をつけておくこともおすすめです。排卵日前になるとたとえばおりものの量が増えて透明のゼリー状に変化します。

また、体外受精をする場合も排卵日の把握が大切で、基礎体温を測って変化を見ます。

卵子の寿命は精子に比べて短くなっています

卵子の状態にもよりますが、排卵後最長で24時間卵子は存在します。中にはより短くなっている場合もあり、タイミングを逃すと受精できずに寿命を迎え、生理で経血とともに体外へ排出されるのです。

ちなみに排卵してはじめて卵子となりますが、卵子になるまでの成熟期間は180日ほどかかっており、年齢とともにその細胞の数は減少します。

精子の寿命は2~3日間

精子は卵子と比較すれば長い寿命がありますが、膣から卵管を通り卵子と出会うまでには多くの精子が死滅します。

これは膣や卵管の中が酸性になっているためで、すると2~3日間生き残っている精子が必ずあるとは限りません。

卵子の寿命が受精可能時間ではない

卵子の寿命は約24時間ですが、受精可能時間は6~8時間とごく短くなっています。

そのため、妊娠率を高めるには性交のタイミングが重要となり、また排卵日を把握することも必要となるのです。したがって、日頃から基礎体温をつけ、グラフを書いておくとよいでしょう。

もしグラフが低温期と高温期に別れなければ排卵日がわかりにくく、排卵が起きていない可能性もあります。月経不順などが疑われる基礎体温の変化があれば、早めに受診しましょう。

自然妊娠を目指すには排卵日の前日と当日の性交が最適です


卵子の寿命を考慮して自然妊娠を目指す時、排卵日を基礎体温のグラフで把握して、排卵日前日から性交を持つことです。ちなみに人によって精子の寿命がさらに長い場合もあり、それ以前の性交で自然妊娠することもあります。

排卵日前には精子が通りやすくなる

膣から卵管を通りその途中で精子は卵子と出会って受精しますが、精子の通り道は酸性になっており、ほとんどの精子がそこで死滅します。しかし排卵日が近づくとアルカリ性寄りに変化して、精子が通りやすくなるのです。

そのため排卵日の前日や当日の性交が妊娠率アップに役立ちます。

排卵日前の変化

基礎体温が低温期から高温期に切り替わるところで排卵が起きますが、体調にも変化が見られることもあります。

どちらも合わせて気をつけておくと排卵日を把握しやすいでしょう。たとえばおりものは排卵日の2日前位から量が増え、とろみのある透明なゼリー状になります。

また、ホルモンの影響によりむくみ・下腹部痛・眠気・めまい・肌荒れなどが起きることもあるでしょう。

体外受精で採卵する時も排卵日の把握が大切です

体外受精は採卵した卵子に採精した精子を振りかけて培養し、受精を促す方法です。採卵は卵子の成長を見ながら排卵日の予測を立てて日にちを決め、採卵の日には採精も行います。

排卵を誘発する

体外受精の場合自然な排卵を待つことが難しい場合もあり、基礎体温をつけて排卵日を予測してから排卵誘発剤を投与します。詳しくは、排卵誘発剤は排卵日の2日前の夜9~11時頃に投与し、その36時間後に採卵を行うのです。

そして排卵日の朝8~10時に採卵し、この時採精も行ってクリニックへ提出するのです。

排卵誘発のリスク

排卵の確実性を高めるための排卵誘発ですが、使用する薬剤などにリスクがあることも知っておきましょう。

たとえば薬が効きすぎると卵胞が多く成長しすぎて、多能性卵胞症候群になる恐れがあります。また、採卵に際してもリスクがあるため、気になることがあればまずは専門医に相談しておきましょう。

あらかじめ不安を解消しておくことは、適切な治療への第一歩と言えます。

(まとめ)卵子の寿命はどの位?

1.排卵後の卵子の寿命は最長24時間で、受精可能時間はさらに短くなります

卵子は排卵後最長24時間の寿命があり、そのうち受精可能時間は6~8時間です。その間で受精し妊娠するには、排卵日前と当日の性交が最適でしょう。

体外受精で採卵する時も排卵日を知ることが必要なので基礎体温をつけましょう。

2.卵子の寿命は精子に比べて短くなっています

卵子の寿命は最長24時間で、精子の場合は2~3日間あります。しかし寿命がそのまま受精可能時間ではなく、その時間は6~8時間と限定されているのです。

そのため妊娠率を上げるには排卵日を把握して性交する必要があります。

3.自然妊娠を目指すには排卵日の前日と当日の性交が最適です

排卵日を知るには基礎体温をつける方法があり、その他に体調からもわかる場合があります。身体の変化とは、おりものが増える・むくみ・胸の張りなどホルモンの影響で起きることです。

それにより膣や卵管内がアルカリ性に寄ることも受精しやすさにつながります。

4.体外受精で採卵する時も排卵日の把握が大切です

体外受精の場合も基礎体温をつけて排卵日を予測し、それに合わせて排卵誘発剤を投与します。採卵日には採精も行い、卵子に精子を振りかけて受精を促すのです。

また排卵誘発や採卵にはリスクがあることも知っておきましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師