卵子凍結は-196℃の液体窒素の中という環境条件で行われます


卵子凍結は-196℃の液体窒素の中という条件のもとで、採卵した卵子を凍結保存しています。
-196℃は直接手で触れれば凍傷を起こすほどの低温で、ドライアイスの-79℃と比較してもかなりの低温であることがわかるでしょう。

ここまで超低温の条件下では、保存された卵子は採卵された時の状態を長期間維持できます。
物理的には何十年も保存可能ですが、女性の生殖可能な年齢を考慮して、ある程度の年齢に至った段階で保存期間は終了となります。

妊娠しやすくなる条件のひとつは卵子の老化が進んでいないことです

妊娠する確率が上がる条件はいくつもありますが、卵子の老化が進んでいないことも条件の1つであると言えます。
美容の世界では「アンチエイジング」という言葉をよく耳にしますが、どのような美容法や医療を用いても、卵子の老化を食い止めることはできません。

肉体が年齢を重ねていけば、それに伴って卵子も少しずつ老化が進んでいきます。
卵子を若返らせたり、老化を防いだりする方法ありませんが、卵子凍結を行うと、若い年齢の時に採卵した卵子の長期保存ができるようになるのです。

-196℃の液体窒素が入った専用の容器に卵子を凍結保存し、胚移植をするタイミングが訪れる時が来るまで、保存し続けます。
化学変化が起こりづらい環境条件になるため、凍結保存された卵子は採卵された時の状態を保ったままでいられるのです。

卵子凍結された卵子を移植しても、生まれてくる赤ちゃんには影響がないと考えられています。
注意点としては凍結した卵子を融解する時に、まれに卵子の質が変化してしまうことがあります。

また一度融解した卵子を再び卵子凍結することはできないため、天災などの不測の事態が起きた際には、凍結保存した卵子を失う恐れがあるのです。
実際に卵子凍結を始める前に医師から説明がありますので、取り決めの詳細を把握しておきましょう。

卵子凍結は一生涯続けられるものではなく、年齢制限などの保存が終了となる条件があります。
クリニックによって条件が異なりますので、あらかじめ確認しておくと安心です。

酸化ストレスが卵子の老化を早めると考えられています


卵子の老化を進める原因と考えられているのが、酸化ストレスと呼ばれるものです。
酸化ストレスとは、活性酸素を解消する抗酸化作用の働きが追いつかず、バランスが崩れた状態のことを指します。

活性酸素は他の物質の酸化を進める力がとても強い酸素で、老化を引き起こす主要因として知られています。
呼吸によって体内に取り入れた酸素のうち、約2%が活性酸素に変化すると言われているのです。

活性酸素が増えると細胞が損傷しやすくなり、細胞の機能が低下していきます。
細胞の機能低下は卵子にも及び、その結果として卵子の老化が進んでしまうのです。

また年齢を重ねると卵子の老化が進むだけではなく、卵子の数が減少していくと考えられています。
35歳を過ぎると卵子の老化が表れやすくなり、それに伴って、30歳以降の卵子凍結希望者が増えているのです。

生活習慣を整えて妊娠しやすい条件をそろえましょう

老化を食い止める方法が存在しない以上、活性酸素の働きを完全に防ぐ方法もありません。

しかし人間の身体には抗酸化酵素などの防御機能が生まれつき備わっています。
防御機能の働きを向上させるには、規則正しい生活を送ることが効果的です。

食生活を見直す

活性酸素の働きを抑える抗酸化成分は、食べ物の中に多く含まれています。

トマトやキウイフルーツなどに含まれるビタミンCや、大豆などに含まれているビタミンEは、細胞の酸化を防ぐ効果が期待されています。
肉類ばかりのメニューに偏らず、バランスの良い食事を心がけましょう。

適度な運動をする

適度な運動は抗酸化酵素の働きを促し、身体の酸化を予防します。
ただし激しい運動をすると活性酸素が発生しやすくなるため、軽めの運動が適しています。

タバコやお酒を控える

タバコやお酒を楽しむのは、そもそも不妊治療中に適しているとは言えません。
どちらも活性酸素が発生する原因になるので、控えるようにしましょう。

(まとめ)卵子凍結はどのような条件下で行われるの?

1.卵子凍結は-196℃の液体窒素の中という環境条件で行われます

卵子凍結は-196℃の液体窒素の中という条件のもとで、採卵した卵子を長期間凍結保存することが可能です。

物理的には何十年も保存可能ですが、女性が妊娠できる年齢を考慮して、ある程度の年齢に至った段階で保存期間は終了となります。

2.妊娠しやすくなる条件のひとつは卵子の老化が進んでいないことです

妊娠する確率が上がる条件はいくつかありますが、卵子の老化が進んでいないことも条件のひとつとなります。

卵子の老化を止める方法はありませんが、卵子凍結をすれば若い時に採卵した卵子を長期保存できます。

3.酸化ストレスが卵子の老化を早めると考えられています

卵子の老化が進むのは、酸化ストレスの影響が大きいと言われています。

とくに35歳を過ぎると老化が表れやすくなると考えられており、卵子凍結を希望する人が増加傾向にあります。

4.生活習慣を整えて妊娠しやすい条件をそろえましょう

活性酸素を完全に防ぐのは難しいですが、生活習慣を整えれば、活性酸素の影響を受けにくくなります。

食事の際はビタミンCやビタミンEを摂ると、抗酸化作用が高まると言われています。
タバコやお酒を控え、時間を見つけて軽めの運動をするのもおすすめです。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師