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卵子凍結をする理由には不妊治療のためなどがあります
卵子凍結は不妊治療の治療の1つです。
排卵のたびに卵子が新しく作られることがないため、年齢とともに老化が進むといわれています。
卵子の老化は妊娠を妨げる原因になるため、卵子凍結でその卵子の老化を止めておくことで、顕微授精時に妊娠する確率を上げることが期待できるのです。
不妊治療のはじめの段階で卵子凍結を行っておくことで、妊娠までの期間が長引いたときに備えるという理由で行う場合もあります。
卵子凍結は卵巣の病気を持つ女性しか行えませんでした
卵子凍結は、以前は卵巣や卵子に問題が生じる病気の女性だけに認められていた治療です。
しかし2013年11月から健康な女性や未婚の女性でも卵子凍結ができるようになりました。
卵子凍結は不妊治療のひとつとなっていますが、今すぐに妊娠を望んでいる不妊治療中の方だけでなく、将来のために卵子凍結をしておきたいという理由から行う方もいます。
働く女性が増加しているという社会的な背景もあり、女性の結婚年齢・妊娠・出産の年齢が上がっているため、さまざまな理由で利用することができる治療方法といえます。
年齢が高くなるほど妊娠しにくくなる原因は、子宮の老化より卵子の老化の問題が大きいとされています。
卵子の老化は妊娠や出産にさまざまな問題を生じさせるといわれているため、 卵子の老化が生じる前に、結婚前や不妊治療を始めてすぐなどの早めに卵子凍結を行っておきたいという方もみられます。
卵子は老化すると妊娠しにくくなるといわれています
卵子は排卵のたびに新しいものが作られるわけではありません。
胎児のうちに一生分の卵子が体内に作られ、女性の年齢が上がるとともに成熟し排卵日に合わせて排卵されるのです。
さらに年齢が上がると卵子の老化も進み、卵子が劣化するといわれます。
また40代、50代で徐々に閉経が近づくと、卵巣機能が徐々に低下して卵子の数や質が低下するため妊娠しにくくなる傾向にあるのです。
卵子の老化や卵巣機能の低下等により卵子の質が下がると、妊娠の成功率が低くなり流産率が上昇するなどの問題が生じやすくなります。
そのためはっきりとした不妊原因がない男女の場合には自然に妊娠する確率が約40%とされていますが、妊娠率は30歳位から少しずつ減少して40歳では25%ほど、45歳では7%ほどになるといわれます。
また流産率は30歳位までは約20%未満の確率で生じるといわれていますが、30歳や35歳を超えたあたりから流産率が上がり、40歳で約35%、45歳では70%近くまで上がるというデータもあるのです。
不妊原因がない状態でも加齢による卵子の老化が進むと妊娠、流産の確率が大きく異なるため、将来妊娠を望んだときの妊娠率の低下を避けるために卵子凍結は保険になるといえます。
卵子の老化のために染色体異常が生じる可能性が上がる場合もあります
卵子の老化が進むと減数分裂に問題が生じる場合があります。
通常では卵母細胞が卵子になるまでに2回の減数分裂が行われ、排卵時の卵子の染色体は23本です。
そして精子の染色体も23本あるため、受精して受精卵になると通常の場合染色体は46本になるとされています。
ところが卵子の老化によって減数分裂に不具合が生じていると、染色体の不分離で卵子の染色体が24本になるのです。
卵子の染色体のバランスが崩れていて、受精後の染色体が46本ではなく47本になるなどの染色体異常が生じやすいといわれています。
染色体異常が起きている受精卵は着床しにくく、着床後してもほとんどが流産するといわれています。
染色体異常が生じる確率は、20代ではおよそ1/500ですが、30歳では約1/400、40歳で約1/70と年齢とともに染色体異常が生じる確率も上がる傾向にあるのです。
事前に卵子凍結を行って凍結していた卵子の場合には老化の心配が軽減されるため、染色体異常が生じにくくなることが期待できます。
(まとめ)卵子凍結はどんな理由のときに行う?
卵子は排卵時に毎回新しく作られるものではなく、年々老化が進むものといわれています。
卵子の老化は妊娠を妨げる原因になるので、不妊治療のはじめの段階で卵子凍結を行うと不妊治療の期間が長引いた時に備えることができるでしょう。
卵子凍結は以前、卵巣や卵子に問題が生じる病気の方しか行えない治療でした。
しかし健康な方や未婚の方でも卵子凍結を行うことができるようになり、不妊治療の一環としてや将来のために早めに卵子を保存しておきたいなどさまざまな理由で行われています。
女性の年齢が上がることで、卵子の老化が進み劣化するといわれています。
はっきりとした不妊の原因がない場合でも、卵子の老化は妊娠する確率を下げて、流産しやすくなる原因につながるのです。
卵子の老化が進むと染色体の不分離が生じて染色体に問題が生じる場合があります。
染色体異常が生じた卵子が受精後に受精卵になったときは着床しにくくなり、着床後も流産しやすい傾向にあるのです。