卵子凍結とは卵子の老化を防ぐために凍結保存する治療です


卵子凍結とは、不妊の原因になるといわれている卵子の老化を防ぐために、女性の卵子を早い時期に採取して凍結保存しておく治療です。

妊娠しやすい年齢の頃に卵子を採取しておくことで、精子を受精しやすい状態で保存することができるといわれています。
今すぐ妊娠したいという方ではなくても、将来妊娠を望んだときに備えることができる治療といえます。

卵子は年々老化するといわれています

卵子は女性がまだ胎児の頃にすでに700万個ほど体内に作られているといわれます。

それ以降は女性の体の中で卵子が新しく作られることはなく、排卵日になって排卵されるなどの理由で少しずつ卵巣の卵子の数が減っていくのです。
そのため年齢を重ねるごとに卵子の年齢も上がり、卵子が老化することによって妊娠しにくくなります。

閉経の時期には個人差がありますが、卵子が老化する原因は閉経の準備のためであると考えられるのです。
閉経が近づくと卵巣機能が徐々に低下していくため、35歳頃から 卵子の数や質が落ちていき卵子の老化が見られるとされています。

また一般的に妊娠が難しくなるのは37~38歳位からといわれ、さらに年齢が上がるにつれ妊娠の確率が下がる傾向にあります。
卵子凍結は妊娠の確率を上げるために、妊娠を望むときまで老化が進む前の卵子を凍結して保存しておく治療です。

以前は卵巣や卵子に関係する病気を持つ方のみ受けることができた治療ですが、2013年からは健康な女性、未婚女性でも受けることができるようになりました。
将来必要になるまで念のため卵子を残しておきたいというときにもいい方法といえるでしょう。

卵子凍結後には基本的に顕微授精が行われます


基本的な卵子凍結の流れは、まずカウンセリングや検査から始まります。
検査では、血液検査・内診検査・超音波検査などが行われます。

クリニックによって異なりますが、年齢が40歳以上の方などは卵子凍結ができない場合もあるため注意が必要です。
卵子を採取する前には、できるだけ多くの卵子を採取するため排卵誘発剤を服用または注射するところもあります。

排卵誘発剤によって卵子の数を増やし、質を高めた後には 細い針で卵巣内にある卵子を採取して 、そのなかから良質な卵子を選んで液体窒素で凍結保存をします。
卵子凍結は1年ごとに更新する病院が多く、女性が45歳になるまで凍結保存を依頼することが可能です。

凍結しておいた卵子で妊娠を希望するときには、主に顕微授精が行われます。
顕微授精では、顕微授精予定日に卵子を融解してから顕微授精予定時間の2時間以内に採精した活発な状態の精子を準備する必要があり、顕微鏡下で卵子に精子を注入して受精します。

受精後には培養した中でも良質な受精卵を子宮内に移植して着床を待つのです。
不妊治療中に体外受精を行っていると、何度か採卵が必要になることもあります。

卵子凍結での受精卵移植は45歳までと決められています

卵子の老化が少しずつ心配になり始めるのが30代を過ぎてからといわれていますが、35歳からとくに卵子の老化が進むといわれます。

そのため妊娠しやすい卵子を保存しておきたいという場合には、早めに卵子凍結を行う方がいいでしょう。
クリニックによりますが、卵子凍結は40歳位までしか行えない病院が多く、また凍結した卵子の受精卵の移植は現時点で45歳未満までしか行うことができないと決められています。

40歳前後から妊娠後の流産率が60%以上まで上がり、年齢とともに流産率はさらに高くなるとされているのです。
卵子凍結では40歳より前の流産率の少ない年齢のときの卵子を残しておくことができるため、年齢が上がってからでも妊娠の可能性が高くなることが期待できます 。

凍結卵子で出産する可能性は約10%といわれ、これは40歳以上の女性の顕微授精による妊娠確率より高いです。
不妊治療を行っている女性のうち35歳以上の方は約70%いるといわれていますが、もし不妊治療にかかる期間が長くなると妊娠の可能性は年々低くなります。

不妊治療を考えたら、はじめの段階で卵子凍結を行っておくと安心感も増すといえるでしょう。

(まとめ)不妊治療の卵子凍結とはどういう治療?

1.卵子凍結とは卵子の老化を防ぐために凍結保存する治療です

卵子凍結とは女性の卵子を早い時期に採取して冷凍保存しておく治療です。

妊娠しやすい早い時期に卵子を採取しておくことで、すぐに妊娠を希望していなくても将来的に役立てることができる可能性があります。

2.卵子は年々老化するといわれています

卵子は女性がまだ胎児の頃に一生分が体内で作られるため、年齢とともに卵子の老化が進み、閉経が近づくことでも卵巣機能が徐々に低下し卵子の数や質が落ちるといわれます。

そのため卵子凍結は将来必要になるまで卵子を残したい場合に適した方法といえます。

3.卵子凍結後には基本的に顕微授精が行われます

卵子凍結は、卵巣内にある卵子を採卵してから良質な卵子を選んで凍結保存をする方法です。

卵子凍結は1年ごとに更新をして、妊娠を希望した時に顕微授精を行います。
受精出来た後には受精卵を子宮内に移植して着床を待ちます。

4.卵子凍結での受精卵移植は45歳までと決められています

卵子の老化が心配になり始めるのは30歳を過ぎてからです。

病院によりますが卵子凍結は40歳位までしか行えない場合が多いといえます。
また凍結卵子の受精卵の移植は45歳未満までしか行うことができないという年齢制限があります。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師