卵子の老化は不妊の原因になります


卵子の老化は不妊の原因になることがわかっています。
女性は35歳以上になると卵子の老化の影響で、妊娠率が下がるだけでなく流産率が上昇すると言われているのです。

加齢によって卵子が老化して染色体に異常が起きたり、受精しても胚が成長しなかったりなど、不妊を引き起こす症状が現れます。
卵子の老化による不妊については解明されていない部分も多く、老化を食い止める治療法も存在しません。

卵子の老化は酸化ストレスが原因だと言われています

卵子の老化が進んでしまうのは、酸化ストレスよる影響であると考えられています。
酸化とはどのようなものかを理解するには、リンゴにたとえるとイメージがしやすいです。

皮をむいて切ったリンゴをそのままにしておくと、時間の経過とともに茶色く変色していきます。変色が起きるのは、空気中の酸素に触れたことでリンゴの表面が酸化したからです。

これと同じような現象が人間の身体の中でも起きています。
酸素に触れても身体が変色しないのは、人間には抗酸化力というものが備わってるためです。

地球をとりまく大気には21%の酸素が含まれており、人間をはじめとする生物は酸素を体内に取り込んで生命活動を維持しています。

生きていくために酸素はなくてはならないものですが、一方で酸素には不安定な要素もあり、多くの物質と反応して活性酸素に変化するのです。
体内に取り入れた酸素の2%が活性酸素になると言われています。

活性酸素には強い抗酸化力で細菌の侵入を防いだり、酵素の働きを促進して健康を維持したりする作用があります。
しかし量が増えすぎると細胞を傷つけ、老化や生活習慣病などの原因となる場合があるのです。

活性酸素は60兆個の細胞1つひとつがエネルギーを作る際に、副産物として発生します。普通に生活しているだけでも活性酸素は発生しますが、抗酸化力を高めれば影響を少なくすることができるでしょう。

卵子の老化を科学的な力で止めることはできません


アンチエイジングを目的とした研究なども行われていますが、実用化はされておらず、老化を完全に食い止める手段は存在しません。

卵子の老化を止めることはできませんが、抗酸化力を高めて活性酸素からのダメージを軽減することは可能と言われています
抗酸化力を高めるには、ファイトケミカルの摂取が効果的だと考えられているのです。

ファイトケミカルは野菜や果物、豆類などの食品から発見された植物性の化学物質で、ファイトケミカルと呼ばれることもあります。
高い抗酸化力を持つ点が注目され、健康の維持や増進を目的とした研究が盛んに行われているのです。

発見されたファイトケミカルは約1500種類にものぼります。
ブルーベリーに含まれているポリフェノールも、ファイトケミカルの1つです。

大豆に含まれるイソフラボンや、緑茶に含まれるカテキンなどとあわせてポリフェノール系のファイトケミカルと称されます。
またニンジンやカボチャに含まれるカロチンや、ハッカに含まれるメントールなどもファイトケミカルです。

不妊治療はなるべく早いタイミングで受けましょう

不妊治療は若い年齢のうちに受けた方がよいと言われるのは、加齢によって卵子の老化が進んでしまうためです。

専門のクリニックではさまざまな不妊治療を行っていますが、胚凍結といって体外受精や顕微授精で発育させた受精卵を凍結保存する方法があります。
食品のように冷凍している間に劣化することはなく、保存期間が長期にわたっても生まれてくる赤ちゃんに異常が見られないと言われています。

1回の採卵で多数の受精卵が育っても移植する数を制限できるため、もともとは多胎妊娠を防ぐために開発されました。
複数の受精卵があっても移植するのは1個と定められており、残りはすべて凍結して次回以降の周期に移植することも可能です。

まれに融解する時に胚が変性することがありますが、胚凍結は卵子の老化による不妊を解決できる効果的な不妊治療です。
専門医と相談して、自分に合った不妊治療を考えてみましょう。

(まとめ)卵子の老化が不妊の原因になる?

1.卵子の老化は不妊の原因になります

女性は35歳以上になると卵子の老化の影響で、不妊や流産の確率が上がります。
卵子が老化すると染色体異常が起きたり、胚の成長が止まったりすると言われています。

老化のメカニズムについては不明な点も多く、卵子の老化を止める治療法はありません。

2.卵子の老化は酸化ストレスが原因だと言われています

卵子の老化は細胞が活性酸素による酸化ストレスの影響で起こります。
活性酸素には細菌から身を守る働きがありますが、量が増えすぎると細胞を傷つけて老化を早めるのです。

酸化ストレスの影響を遅らせるには、抗酸化力を高めるのが効果的だと言われています。

3.卵子の老化を科学的な力で止めることはできません

卵子の老化を完全に止めることはできませんが、抗酸化力を高めて老化を遅らせることはできると言われているのです。

ファイトケミカルは高い抗酸化力を持つことから注目されており、ブルーベリーや大豆、ニンジンなどに多く含まれています。

4.不妊治療はなるべく早いタイミングで受けましょう

なるべく若い年齢のうちに不妊治療を受けるべきだと言われるのは、加齢によって卵子の老化が進むためです。

胚凍結などの不妊治療については専門医に相談し、自分に合った治療を受けましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師