不妊の原因になる卵子がない状態とは卵胞の中に卵子がないことを指します


卵子がない状態を簡単に説明すると、卵胞の中に卵子がないということになります。
卵胞とは卵子を包み込んでいる袋のようなもので、卵胞液という液体で満たされています。

通常は月経が始まるとすぐに複数の卵胞が成熟し、その中からもっとも質のよい卵胞が選ばれて排卵されるのです。

しかしなんらかの理由によって卵子がない状態に陥ると、排卵されても受精ができないため不妊の原因になります。
卵子と卵胞は混同されやすいですが、卵胞が段階的に成長したものが卵子と呼ばれています。

卵子がない卵胞のことを空胞と呼びます

卵子がない状態の卵胞は、空胞と呼ばれています。
詳しく説明すると卵子がない卵胞というよりは、卵胞の壁に貼りついてしまい、成長が止まった卵子のことを指しています。

不妊治療では採卵が必要な状況が多く訪れますが、未成熟の卵子では採卵しても妊娠することができません。
卵子がない空胞になってしまうのはいくつかの原因が考えられるのです。

黄体形成ホルモン(LH)の分泌量が少ない

黄体形成ホルモンは排卵を促す働きと、排卵後の卵胞を黄体に変化させる働きを持っています。
もともと黄体ホルモンが少ない場合、代わりにhCG注射や点鼻薬を使って黄体ホルモンを増やします。

このような治療のスケジュールなどで投与のタイミングがずれてしまうと、卵子が成長していない状態で採卵することになり、空胞の原因になる場合があるのです。
治療のタイミングのずれは、スケジュールの都合がつきやすいクリニックを選ぶことで回避できるでしょう。

また複数個の卵胞を育てた場合も、一部の卵胞が卵子がないまま空胞となることがあります。
これは卵胞の成長度合いが個体によって違いがあるために起こります。

遺残卵胞がある

排卵されずに残った卵胞は通常、黄体となって消えますが、その古い卵胞が消えずに残ったものが遺残卵胞です。

排卵誘発剤によって新しい卵胞の成長が阻害され、卵子がない状態となるのです。
不妊治療では排卵誘発剤はなくてはならないものですが、まれに空胞を発生させることがあります。

卵子の老化

肉体が年齢を重ねれば、卵子も同じく年を重ねて老化が進んでいくでしょう。
卵子の老化は不妊を招くため、なるべく若い年齢のうちに不妊治療を受けることが推奨されています。

排卵がない月経が起こることもあります


無排卵月経といって、排卵を伴わない月経が不妊の原因となっていることがあります。
仕事などで多忙な女性の3人に1人が無排卵月経だというデータもあり、多くの人が気づかないうちに無排卵月経になっている可能性があるのです。

月経らしい出血などが見られるため、排卵がないことに気づかないケースが少なくないと言われています。

妊娠や出産を考えるのであれば、基礎体温の計測は欠かせません。
なぜなら、基礎体温の正しい計測をしなければ、排卵日の予測を立てるのが難しくなるからです。

基礎体温の計測は起床した直後に行うのが基本です。
高温期と低温期を把握することにより、排卵のタイミングに合わせて不妊治療を行うことができます。

どんなに技術に優れた不妊治療であっても、基礎体温の管理ができなければ治療の効率を高められないと言えます。

質のよい卵子を育てていきましょう

卵子がない状態を防ぐためには、規則正しい生活が欠かせません。

不妊治療に限らず、どんなに効果的な治療を受けていても、普段の生活が乱れていては治療の効果が出にくくなります。
質のよい卵子を育てるためにも、不摂生な生活習慣を少しずつ改善していきましょう。

卵子を活性化するにはミトコンドリアの働きが重要になると言われています。
ミトコンドリアとはすべての細胞に存在する小器官の1つで、1個の細胞の中に多い時で数千個も存在しています。

不規則な生活習慣を続けるとミトコンドリアの働きが悪くなり、卵子の機能も低下していくのです。早寝早起き、3度の食事、適度な運動がミトコンドリアの働きを活性化させます。

卵子がない悩みについては、まずは不妊治療の専門医に相談しましょう。
不妊治療への理解を深めるためにも、できれば夫婦2人での来院をおすすめします。

(まとめ)不妊の原因になる卵子がないってどんな状態?

1.不妊の原因になる卵子がない状態とは卵胞の中に卵子がないことを指します

卵子がない状態とは、卵胞という袋の中に卵子が入っていないのと同じ状態を指します。

中に卵子がないため、排卵されて精子と出会えても受精には至らず、不妊の原因となります。

2.卵子がない卵胞のことを空胞と呼びます

空胞とは卵胞の壁に貼りついたまま成長が止まった卵子のことです。

不妊治療では採卵する機会がとても多いですが、卵子がない空胞では採卵しても受精できません。

黄体形成ホルモンの不足や遺残卵胞などによっても、卵子がない状態が起こります。

3.排卵がない月経が起こることもあります

卵子がない状態には空胞のほかに無排卵月経という症状があります。

月経が訪れても排卵がされないため、不妊の原因となっているのです。
基礎体温を計測と管理を徹底し、排卵日を把握しましょう。

4.質のよい卵子を育てていきましょう

卵子がない状態を防ぐには、ミトコンドリアの働きがカギを握っていると言えます。

ミトコンドリアは不規則な生活習慣で機能が低下してしまうため、規則正しい生活習慣を身につけましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師