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不妊症の治療をする際は基礎体温をつけることをおすすめします
女性の基礎体温はおよそ28日周期で体温が「高温期」と「低温期」に分かれます。
このように体温の高低によって二相に分かれることを「二相性」と呼び、妊娠を望む女性にとって重要なポイントになります。
その一方でクリニックには検査機器が揃っており、血液検査で血中のホルモン濃度も判明するため、基礎体温をつけることは必要ないのではないかという意見もあります。
しかしながら、患者さんが自ら基礎体温をつけることのメリットも否定することはできません。
なぜなら基礎体温が二相に分かれないことなどにより、クリニックで検査するよりも早く体調の変化に気づくことができるからです。
基礎体温を通して自分の月経周期について知ることができます
基礎体温とは一日のうちで最も低い体温のことを言います。
正しい基礎体温を測るためにはエネルギー消費の少ない就寝中が適しているのですが、眠っている間に測ることはできないため、実際は朝起きてすぐのタイミングに測ることが多くなります。
基礎体温を測ることが大切だとされる理由は、自分の月経周期を知ることができる点にあります。
もしクリニックを受診した時に数ヶ月分の基礎体温表を持参することができれば、月経やホルモンの状態を医師に伝えやすくなります。
不妊治療の成功には年齢も関わってくるため、早めに治療に取り組めた方が妊娠率は上がりやすくなります。
不妊の原因を早い段階で把握することができるのは、大きなメリットであると言えるでしょう。
基礎体温を測ることで、排卵日を特定することができるようになるのは不妊治療をするにあたって重要なことです。
排卵日の当日、または翌日がもっとも妊娠しやすい日であるとされているので、妊娠を望む方はこの日を基準に計画を立てると妊娠する可能性を高めることができます。
医師とよく相談をし、計画に沿って不妊治療に臨みましょう。
4つの月経周期について知っておきましょう
女性の基礎体温は常に一定というわけではなく、女性ホルモンの変化によって上下します。
月経や排卵といった妊娠に関わる重要な身体の変化は、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によって起こります。
これら2つの女性ホルモンが変化する様は、1つの月経周期の中で4つの時期に分けて考えられています。
卵胞ホルモンの分泌が増えることで、卵胞が育ち成熟していきます。
子宮内では子宮内膜が厚くなり、受精卵を迎えるための準備が整えられています。
成熟した卵子が排卵される時期に当たります。
この時に精子と出会い、結びつくことで受精卵となります。
黄体ホルモンの分泌量が増えていきます。
受精卵の着床をサポートするために、子宮内膜はさらに厚みを増します。
受精卵が着床しなかった場合、使われなかった子宮内膜が体外へ排出されます。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量も低下していきます。
基礎体温は正しい手順で測りましょう
基礎体温は起床後、身体を動かす前の安静時に速やかに測る必要があります。
起きてから基礎体温計を探すことのないよう、まずは前の晩からベッドサイドや枕元など、いつも決まった場所に置くようにします。
できるだけ身体を動かさずに済む近い位置に置いておくのがよいでしょう。
また生活リズムの乱れは基礎体温に反映されますので夜更かしをせず、なるべくいつもと同じ時間に就寝することも大切です。
目が覚めたら布団に入ったままの状態で、基礎体温計を舌の下に入れます。
基礎体温計は舌の裏側の一番奥にある筋の右側もしくは左側のどちらか片側に入れ、口を閉じて測ります。
口を閉じるのは、外気の影響を受けずに正しく測るためです。
基礎体温の計測が終了したら、メモ書きで構いませんので記録に残すようにしましょう。
よりわかりやすくしたい場合はグラフ化すると、受診の際に医師にも伝えやすくなります。
スマートフォンやパソコンに測定データを転送するのもよいアイディアです。
大切なのは毎日同じ時間に測り、より正確な基礎体温を知ることです。
(まとめ)不妊症の治療をする時は基礎体温をつけた方がよいの?
女性の基礎体温はおよそ28日周期で「高温期」と「低温期」に分かれます。
基礎体温をつけることは必要ないという意見もありますが、患者さん自ら基礎体温をつけていれば、いち早く体調の変化に気づけるメリットがあります。
基礎体温をつけていると自分の月経周期について知ることができ、排卵日を特定しやすくなります。
妊娠を望む方は排卵日を基準に計画を立てることができるので、妊娠する確率を上げることにも繋がります。
女性の基礎体温は一定ではなく、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの変化によって変わります。
この2つの女性ホルモンが変化は卵胞期・排卵期・黄体期・月経期と1つの月経周期の中で4つの時期に分かれます。
基礎体温を測る際は、起床後すぐに布団に入ったままの状態で速やかに行いましょう。
測った基礎体温の数値は手書きのメモやグラフで記録に残すのも良いですし、スマートフォンやパソコンにデータを転送して管理しても良いでしょう。