不妊治療中の葉酸摂取で体外受精の成功率が高まるためです


血中の葉酸濃度が高いほど体外受精や顕微授精の成功率が高まることが示されたという研究データがあります。
葉酸濃度が高いグループに属している女性は低いグループに属している女性と比較して、1.62倍の成功率になったとされています。

葉酸は受精卵や胚の発育と深い関わりがあり、不妊治療の体外受精を成功させる要素であると裏づける結果です。

不妊治療中は1日あたり640マイクロgの葉酸摂取が推奨されます

厚生労働省の公表値によると、妊娠を計画している女性の1日あたり葉酸摂取量は640マイクロgが望ましいとされています。

18歳以上の推奨量240マイクロgに、妊娠中の付加的な推奨量400マイクロgを上乗せして計算できる数値です。
ただしたくさん摂れば摂るだけよいものでもありません。

18~29歳は900マイクロg、30代以上になると1,000マイクロgと上限が決まっているので、過剰摂取には気をつけましょう。
640マイクロgを食事から摂るとしたら、以下のような食材を活用しましょう。

  • 焼きのり 100gあたり1900マイクロg
  • たたみいわし 100gあたり300マイクロg
  • 牛レバー  50gあたり500マイクロg
  • モロヘイヤ 100gあたり250マイクロg
  • 枝豆 100gあたり210マイクロg
  • アスパラガス 3本あたり114マイクロg
  • 生ほうれん草 100gあたり210マイクロg
  • 納豆 100gあたり120マイクロg
  • いちご 100gあたり90マイクロg

白いご飯に納豆+焼きのりという組み合わせや、副菜にアスパラガス、デザートにいちごなど、一食の中に複数の食材を組み合わせる方法はたくさんあります。

目標値や上限値を意識しながら、食事メニューを考えてみましょう。

葉酸同様にビタミンB12も大切です


ビタミン12は、葉酸と合わせて造血ビタミンと呼ばれています。
アメリカの研究では、葉酸同様に体外受精や顕微授精の成功率を高める栄養素とされて、適量摂取が推奨されていました。

体外受精を行う際には、意識的に摂りたい栄養素の1つでしょう。
葉酸やビタミンB12が不足すると、胚の発育を阻害して流産リスクを高めることも注目されます。
うまく着床した後に出産まで育てていくため、不妊治療を終えた後も推奨される栄養素と考えてください。

厚生労働省の公表値によると、成人女性のビタミンB12摂取推奨量は2.4マイクロgとされています。
豚レバーなら約10g、あさりなら約1個食べれば推奨量をクリアできることになり、難しい目標値ではありません。

野菜だけにこだわった食事をしていると不足してしまうリスクがあるため、お肉や魚介類を適量含めて食事をしましょう。

ビタミンB12は腸内細菌からも合成されることが知られていて、欠乏しにくい栄養素と考えられます。
不妊症と関わりがあることだけは、知っておくとよいでしょう。

葉酸サプリメントの活用もおすすめです

葉酸は熱に弱く、加熱調理してしまうと損なわれる性質があります。
効率的に摂取するため、サプリメントを活用するのもよいでしょう。
妊娠中の葉酸サプリメント摂取によって、胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減させる効果は、厚生労働省も認めています。

野菜や果物に入っている葉酸は酸化の影響を受けているうえに利用効率が50%程度であり、必要量をクリアするのは難しいと考えられることも、サプリメントが推奨される理由です。

なお不妊治療中や妊娠中以外の通常時には、食事からでも十分な葉酸摂取が可能です。
サプリメントを活用することで上限値を超えてしまえば、副作用も懸念されます。
不妊治療中のサプリメント活用に関しても、食事と合わせて上限値の範囲内になるように調整しましょう。

量をコントロールするためにもサプリメントの説明書に書かれている摂取量目安をきちんと読み、葉酸を含む食材と含有量に関して理解しておく必要があります。
説明書を読む際には、使用されている原料にも目を通しましょう。

健康上の不安が伴うようなサプリメントの使用は避けて、信頼できるものを選択ください。

(まとめ)不妊治療に葉酸はなぜ必要?

1.不妊治療中の葉酸摂取で体外受精の成功率が高まるためです

体内の葉酸濃度が高い女性ほど体外受精や顕微授精の成功率が高いことを示した研究があります。

受精卵や胚の成長に深い関わりがある栄養素で、不妊治療中から摂取することを推奨できる結果でしょう。

2.不妊治療中は1日あたり640マイクロgの葉酸摂取が推奨されます

妊娠中は一般的な成人の葉酸摂取量に400マイクロgを上乗せ、640マイクロg摂取するのが望ましいと言われています。

焼きのりやたたみいわし、牛レバーなど葉酸豊富な食材を活用して、意識的に摂取しましょう。

3.葉酸同様にビタミンB12も大切です

葉酸と同じように造血ビタミンに分類されるビタミンB12は、流産リスクを軽減する働きがあります。

一般的には不足しにくい栄養素にあたりますがタンパク質を抜いた食事を続けている場合に足りなくなるリスクが指摘され、お肉や魚の適量摂取が必要です。

4.葉酸サプリメントの活用もおすすめです

食事から取り入れる葉酸は利用効率が悪く、サプリメントの活用も推奨されます。
サプリメントから摂るにしても、1日あたりの上限値を超えないように適量摂取が大切です。

説明書をきちんと読み、安全な使用を守ってください。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師