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不妊症とは治療をしないと妊娠見込みがほとんどない状態です
不妊症とは、避妊をしないで夫婦生活を送っているにも関わらず、一定期間が過ぎても妊娠しない状態を指します。
健康な男女が妊娠する行為を続けているにも関わらず妊娠がないということは、なんらかの治療を行わないと、状況は変わりません。
適切な医療機関にかかってしかるべき治療を行えば妊娠する可能性が十分あるので、前向きにとらえましょう。
避妊を辞めて1年を1つの区切りと考えます
一定期間の定義については、1年を目安にするのが一般的です。
数年前までは「1~3年」と考える説もありましたが、世界保健機構の定義にしたがって、1年に短縮されています。
不妊治療をスタートするなら早い方が望ましく、1年経ってもよい結果が出なければ、検査を受けるとよいでしょう。
年齢が高くて少しでも早く治療を始めた方がよいケース、排卵トラブルや子宮の病気があって自然妊娠は難しいと判断されるケースなどでは、もっと早く不妊症診断が出ることはあります。
1年を目安にせずとも検査を受けることは可能ですから、臨機応変に判断しましょう。
不妊に悩む夫婦は1割を超えるとも言われていて、恥ずかしいことではありません。
妊娠できない原因がはっきりするだけでも心が落ち着き、前向きになれる女性もいます。
20代から不妊治療を始める夫婦も多く、早すぎることはありません。
不妊症と診断されたから必ず治療を受けなければいけない、というものでもないので、原因だけでも調べてみてはいかがでしょうか。
女性の不妊症原因は排卵因子と卵管因子が大半です
女性の不妊症を起こす原因として、排卵トラブルなどの排卵因子・卵管の閉塞や癒着といった卵管因子・子宮筋腫やポリープといった子宮因子・子宮頸管炎や子宮頸管からの粘液が正常に分泌されないトラブルといった頸管因子・免疫因子が該当します。
頻度が高いものは、排卵因子と卵管因子と考えてください。
生理周期や基礎体温が安定しない場合には、排卵因子が懸念されます。
高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群が疑われますから、専門的な医療機関に相談しましょう。
性器クラミジア感染症を経験している女性では、卵管の閉塞や卵管周囲の癒着が懸念されます。
女性のクラミジア感染症は無症状のまま放置する人も多く、不妊症の原因になりがちです。
重い生理痛は、子宮内膜症も疑われます。
子宮内膜症から卵管周囲の癒着を起こすこともあるため、早いうちに検査を受けると安心です。
不妊検査を受けても原因がはっきりしないことも多く、明確な方針が定まらないことはあります。
早い段階で治療を始めることがなによりの対策ですから、手遅れになることがないように気をつけましょう。
原因がわからない不妊症でも妊娠できることはあります
不妊治療は早期発見、原因究明が大切ですが、トラブルを特定できない状態からでも妊娠可能性を高めることはできます。
排卵と受精をサポートする治療を行い、妊娠しやすい状態へと促すことが目的です。
原因がわからない不妊症の場合、タイミング法・排卵誘発法・人工授精とステップアップしていくのが一般的な流れでしょう。
これでも妊娠に至らない場合には、生殖補助医療へとステップアップする方法が提案されるものと考えてください。
生殖補助医療とは、体外受精や顕微授精のように高度な医療技術を活かした治療法です。
卵管機能を人工的な処置で代用し、体外で受精させた後に体内で戻すことにより、よい結果が得やすくなります。
生殖補助医療の費用をサポートするため公的な助成制度もあり、負担を軽減しながら妊娠を目指すことができる環境が整いつつある時代です。
妊娠を希望しても叶わなかった夫婦にとって、期待度が高いサポート手段の1つと言えます。
生殖補助医療を活用しても妊娠率が100%でないことは理解しておく必要がありますが、健康状態に不安がある方は、詳しい話を聞いてみるとよいでしょう。
(まとめ)不妊症の定義とは?
不妊症の一般的な定義は、避妊を辞めて1年経っても妊娠が見られないこととされます。
なんらかのサポートなしには妊娠が難しいこととも言われていますが、不妊治療を行ったり原因疾患の治療をしたりすれば大丈夫です。
数年前までは1~3年とされていた期間の目安は、1年に統一されました。
1年というのはあくまで目安で、高齢から妊娠を希望する場合や婦人科系の疾患があって不妊治療のサポートが必要な場合は、もっと期間が短くなります。
女性が抱える不妊の原因は、排卵因子・卵管因子・子宮因子・免疫因子の4種類に分けられます。
このうち排卵因子と卵管因子が問題になる確率が高く、高プロラクチン血症・多嚢胞性卵巣症候群・子宮内膜症などによるものではないかを疑ってみましょう。
不妊検査を受けてもはっきりとした原因がわからないことも多いのですが、適切な治療を受けることで妊娠するチャンスはあります。
一般治療では妊娠できなかった場合、体外受精や顕微授精へとステップアップし、積極的なサポートを行う方法も考えてみましょう。