不妊治療をすることで着床率が高いか低いかもある程度はわかると言われています


不妊治療を進める中で、着床率が低いことが妊娠を妨げる問題としてわかることがあります。
子宮もしくは受精卵の問題で着床しない場合は適宜治療などの対策が講じられます。

また不妊治療がステップアップする中で子宮内膜受容能検査や着床前診断などの検査も必要に応じて導入されます。
これは着床しない原因を明らかにして着床率を上げるために必要な治療と言えるでしょう。

不妊治療をステップアップする過程で着床率も問題となります

不妊治療と言えば、タイミング法に始まって体外受精や顕微授精というようにステップアップしていきます。

ステップアップすることで妊娠に至る確率も上がっていきますが、ここで問題となるのが着床率です。
受精がうまくいかなくて妊娠しない人であれば、体外受精ですぐに妊娠する可能性が高いものの、着床がうまくいかずに妊娠に至らないケースも珍しくありません。

このような状態がよい受精卵でも着床しないことを着床障害と言います。
着床障害とは、着床にいたる過程のどこかが原因で着床しないことを言います。
原因としては以下のものが考えられています。

受精卵の問題
  • 染色体の異常
子宮の問題
  • 子宮内膜ポリープや子宮筋・子宮内腔癒着
  • 自己免疫抗体異常
  • ホルモン異常(高プロラクチン血症・甲状腺機能異常・黄体機能不全)
  • 慢性子宮内膜炎症
  • 抗リン脂質抗体症候群・凝固能異常

上記に挙げたもの以外にも着床しない原因はあります。
これらの問題がわかった場合は、治療と並行し、もしくは不妊治療より先に着床障害となる原因を治療します。

また不妊治療をステップアップする中で、不妊の原因がわかることもあります。

着床率を上げるために子宮内膜受容能検査が行われることもあります


良好胚を移植しても着床しない場合は、子宮内膜受容能検査が行われることもあります。
子宮内膜受容能検査はERA(Endometrial receptivity array)とも呼ばれ、着床に最適なタイミングを調べるための検査です。

子宮内膜はいつでも着床できる準備ができているわけではありません。
この着床の準備が整った状態のことを『着床の窓が開いている状態』と表現されています。

子宮内膜の準備ができて着床の窓が開くのは限られた時期だけで、その時期に着床できる胚が子宮になければ着床することができません。

何度も着床に失敗しているという場合は、着床の窓が開いている時期に胚移植しているつもりでも実際には子宮内膜の準備が整っておらず、結果として着床に失敗している可能性があります。

そこで着床に適した時期を調べるための子宮内膜受容能検査が行われます。
実際に胚移植日と着床の窓の時期にずれがある患者に対して、このずれを修正して正しい時期に胚移植することで着床率が大きく上がったという論文もあります。

着床障害を繰り返す場合には、このような検査も利用しながら着床率を上げる試みが行われます。

着床前診断では着床できない受精卵がわかることもあります

受精卵が着床する前に行う着床前診断も治療に応じて利用されます。
着床前診断とは、染色体異常で着床できなかった受精卵や、流産してしまう受精卵を調べる検査です。

自然の妊娠では体内で受精した受精卵のうち、3割程度しか赤ちゃんとして生まれてこないと言われています。

これは受精卵が原因で着床しない、もしくは着床しても流産か死産を起こしていることが原因です。
そこで着床前診断を行うことで、胎児として発育できる受精卵だけを子宮に戻す試みが行われています。

アメリカの研究所のデータでは受精卵のうち染色体異常を持つものの割合は、30歳以下で30%程度・35歳で40%程度・42歳になると約80%と指摘されています。
さらに流産を繰り返すことで 子宮に傷がついて子宮内癒着を起こす可能性も高まると言われています。

その結果として着床が妨げられて不妊となってしまう可能性もあるでしょう。
着床前診断は着床障害や流産を防ぐためにも広く利用がすすめられる技術です。
不妊症の人が流産を回避して、新しい命をはぐくむために着床前診断は用いられています。

(まとめ)不妊治療で着床率がわかる?

1.不妊治療をすることで着床率が高いか低いかもある程度はわかると言われています

着床率が低く妊娠に至らない場合は、治療をすすめながらその原因を探ります。
子宮内膜受容能検査や着床前診断もその不妊治療の一つです。

着床しない原因がわかれば、対処法や治療もわかり、また一歩妊娠に近づくと考えられます。

2.不妊治療をステップアップする過程で着床率も問題となります

不妊治療をステップアップする過程で問題となるのが着床率です。
良好な胚であっても着床しないという場合は、その原因を探りながら不妊治療を進めることになるでしょう。

不妊治療の中で着床障害の原因がわかることもあります。

3.着床率を上げるために子宮内膜受容能検査が行われることもあります

何度も胚移植を行って着床に至らない場合には、子宮内膜受容能検査が行われることもあります。

これは着床するための準備が整う時期と、実際に胚移植を行っている時期がずれていないかどうかを調べる検査です。

4.着床前診断では着床できない受精卵がわかることもあります

着床前診断を行うことで、着床しない受精卵を調べることもできます。
流産を繰り返すことで、子宮内膜に傷がつくと着床障害の原因になると言われています。

着床率を上げて新しい命を授かるための技術として着床前診断は使われています。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師