体外受精での母体リスクはさまざまですが回避できるものが多いです


どのような治療を行うにしても必ずリスクはともなうものなので、体外受精でも母体リスクは考えられます。
その一例としては、採卵のリスク・卵巣過剰刺激症候群・注射の痛み・多胎・流産確率のアップ・乳がんや卵巣がんのリスクです。

しかしこれらの母体リスクのほとんどは回避できるもので、現在では体外受精は安全性の高いものになっていると言えます。

体外受精にともなう母体リスクは採卵リスクなどがあります

体外受精にチャレンジするときに予想される母体リスクの一例を解説します。
まず採卵のリスクには採卵で使う針を卵巣の卵胞へ刺す痛みがありますが、麻酔を使うことで痛みの軽減が可能です。

採卵時に腹腔内に出血が起こりますが少量なので問題はありません。
極稀なケースとして細菌感染がありますが、その予防のために抗生剤の点滴を打ちながら採卵し、その後も数日間抗生剤を飲むことになっています。

それから採卵はエコーを使って行われますが、子宮の周囲に集まっている臓器をよけて採卵するので臓器損傷の心配はなく、可能性があるだけです。
採卵では10分程度の静脈麻酔を使うことがありますが、覚めやすく作用が残りにくいものを使用するので、その後に仕事に戻る場合でも安心です。

そして採卵のために刺激をして排卵を誘発しますが、その刺激によって卵胞がたくさんできたことで卵巣が腫れ、腹水や胸水がたまる卵巣過剰刺激症候群のリスクがあります。
しかしこのリスクは卵巣予備能を見れば回避がしやすく、診察回数を増やして慎重に刺激を行うことでほとんど回避できるようになっています。

妊娠率だけを見ずリスクについても知ったうえで体外受精を受けましょう


体外受精という治療行為を始めて受けるときにはあらゆる不安がよぎることもあるでしょう。
しかし医療行為ではどのような治療を受ける場合にもリスクがあることを知っておきましょう。

そのため体外受精でも同じことが言え、母体リスクもあることになります。
自然妊娠と比較すれば確かに母体リスクは高くなっていますが、その発生率を見るとそれほど高い数字ではないことがわかるでしょう。

たとえば胚盤胞の一卵性双胎のリスクは自然妊娠の3倍と言われていますが、発生率にすると、これは胚盤胞による妊娠の1%に起こるということになります。
リスクの倍数だけを見ていると体外受精は危険なものと捉えがちですが、視点を切り替えてみれば回避できるリスクが多いことがわかります。

実際に体外受精の技術は日々研究が進められ、より成功率が高く母体や赤ちゃんへのリスクが低い方法へと進化するよう努力されているため、安全性は高くなっています。

母体リスクを回避するためにはより健康な状態であることです

体外受精を行うとき、もちろん病院側の体制や医師の技術力・知識量なども大切なポイントですが、チャレンジする側の状態も成功率に関係しています。
そのため健康的な状態であった方が母体リスクの回避には役立つことから、日頃から体調を把握して健やかに過ごせることを目指しましょう。

そのためにできることとして、まずはしっかりと質のよい睡眠をとることです。
傷ついた細胞の修復は夜の寝ている間に行われるため、よく眠って体の疲労をとりましょう。
すると卵子の老化や卵巣年齢を若く保つのにも役立つと言われています。

それからムリなく適度な運動を定期的に行うことで、血行が促進されて体内の血流量がアップし、必要な栄養素や酸素の運搬、老廃物の排泄がスムーズになります。
適度な運動とは人と話しながらでも行るくらいの強度のもので、息を止めずに行うことがポイントです。

運動はストレス解消にもつながり、心身のリフレッシュになるのでおすすめです。
また冷え性がある人も体を動かすと体の末端まで血液が流れやすくなり、体がポカポカと温まりやすくなります。
仕事中もこまめに体を動かすようにして血流をアップさせるようにしましょう。

(まとめ)体外受精で考えられる母体リスクとは?

1.体外受精での母体リスクはさまざまですが回避できるものが多いです

治療行為を受ける時、リスクはどんな場合でもともなうもののため体外受精の時も母体リスクは考えられます。

採卵のリスクや卵巣過剰刺激症候群、注射の痛みなどがあげられますが、これらはほとんどが回避できる安全性の高い治療になっています。

2.体外受精にともなう母体リスクは採卵リスクなどがあります

体外受精をする時の採卵では、針を使うため痛みは麻酔で軽減でき、出血も少量で問題はなく、細菌感染予防のために抗生剤を投与します。

卵巣過剰刺激症候群も診察回数を増やして慎重に刺激をすることで回避が可能です。

3.妊娠率だけを見ずリスクについても知ったうえで体外受精を受けましょう

どのような治療を受ける場合でもリスクはともなうもので、体外受精でも母体リスクがあります。

自然妊娠に比べれば発生率は高いですが、それほど高い数字ではなくほとんどの母体リスクは回避できるものになっています。

4.母体リスクを回避するためにはより健康な状態であることです

体外受精での母体リスクを回避するには、健康な状態の母体であることもポイントです。

そのためには夜に質の良い睡眠をとって疲労回復し、適度な運動をして血行促進やストレス解消をしましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師