体外受精の胚は見た目からわかるグレードによって評価選別されて子宮に戻すことになります


子宮に戻す胚は、胚培養士に培養されてからグレードで評価されます。
ただし胚のグレードはあくまで見た目で判断するものです。

グレードが高いから、染色体異常がなくて着床しやすいとは言い切れません。
逆にグレードが低くても無事に妊娠することもあります。
どうしても着床しないという場合は、受精卵には原因がないこともあります。

胚はそれぞれのグレードによって評価されます

体外受精を成功させるポイントはよい受精卵を育てることです。
質がよい受精卵は、着床率が高い傾向があると考えられているため妊活では欠かせない要素の一つと言えるでしょう。

では質がよい受精卵とは何なのでしょうか?
受精卵はグレードによって評価されます。

初期胚であれば、グレードが小さいほうがよい評価です。
逆に胚盤胞はグレードが大きいほうがよい評価になります。
初期胚のグレードは綺麗に分割しているかどうかが基準です。

細胞分裂したときの細胞が綺麗な丸であれば問題ありませんが、場合によっては細胞が壊れてしまっているものもあります。
この壊れた細胞(フラグメント)が多くなればなるほど、質が悪いと考えられています。

胚盤胞の場合、評価の基準が変わります。
胚盤胞のグレードは成長のスピードが目安です。
同じ期間内でより成長している胚のほうが元気であると考えられます。

ただしあくまで見た目の評価なのでグレードが高いからと言って必ず妊娠率が高いとは言い切れません。

逆にグレードが低かったとしても妊娠しにくいと思い込む必要もないとも言えます。
グレードを意識しすぎることなく、前向きに施術に向き合いましょう。

体外受精は医師と胚培養士の協力でおこなわれます


体外受精の成功率をあげるために不可欠なのが、医師と胚培養士の連携と高度な技術だと言われています。

体外受精をする過程で、採卵後に胚を培養しているのが胚培養士です。
胚培養士は採卵後、顕微鏡下で卵子を見つけすぐにインキュベーターと呼ばれる培養器に移します。
インキュベーターは人間の卵管に似た環境になっていて、胚培養士は温度など細心の注意で管理しています。

また精子も動きが悪い精子などを取り除く調整という操作も胚培養士の分野です。
無事精子と卵子が受精すると、胚培養士は毎日注意深く観察し、評価します。
胚培養士が培養した胚を医師が移植して体外受精の流れが一通り終わります。

よい胚を育てるためには、胚にストレスを与えないことがポイントだと考えられています。
そのため培養環境の変動を減らすためにインキュベーターと呼ばれる培養器の開閉を減らしたり、観察時間を効率化したりという努力もおこなわれています。

体外受精は医師と胚培養士がリレーのように役割分担を繰り返すものです。
胚培養士は受精から、胚の培養評価など多くのステップで活躍しています。
体外受精の成功の陰には胚培養士の存在は不可欠なのです。

着床率を上げるには子宮内膜の厚みもポイントになります

受精卵を戻すときには受精卵の質が重要視されますが、他にも大切なポイントがあります。
それは子宮内膜の厚みです。
子宮内膜が薄いと着床率に影響し、特に子宮内膜が7ミリ以下になると着床率が落ちると言われています。

子宮内膜の理想の厚みは1センチ程度と考えられています。
しかしもともと子宮内膜が薄い人や、子宮内容除去術を受けたことがあって子宮内膜が厚くなりにくいという人もいるでしょう。

その場合はホルモン補充療法やビタミンE療法などの対処法があります。
ホルモン補充療法はホルモン剤で子宮内膜を厚くする方法です。

さらにビタミンEには抗酸化作用があり、活性酸素を抑制する働きがあると言われています。
活性酸素を減らすことで子宮内膜の血管ダメージを減らし、血流を増やすことで内膜を厚くすると考えられているのです。

普段の生活でも子宮内膜を厚くするためにできることがあります。
血流が悪い人や冷え性の人、ホルモンバランスが崩れている人は子宮内膜の厚みを作りにくいと考えられます。

不摂生は避けて、身体のバランスを摂るための規則正しい生活が妊娠をサポートすると言われています。

(まとめ)体外受精で戻す胚はどうやって選ぶの?

1.体外受精の.胚は見た目からわかるグレードによって評価選別されて子宮に戻すことになります

胚は胚培養士によって培養されてから子宮に戻されます。

胚の評価は見た目に基づくグレードによって決まります。
ただしグレードはあくまで目安です。
グレードが高いから必ず妊娠するということではないので注意しましょう。

2.胚はそれぞれのグレードによって評価されます

受精した卵はその時期に合わせた評価基準によってグレードが定められます。

初期胚であれば分割されている形、胚盤胞であれば成長のスピードが評価基準です。
ただしグレードはあくまで目安なので思い込みはやめましょう。

3.体外受精は医師と胚培養士の協力でおこなわれます

体外受精で移植される胚は胚培養士によって培養されたものです。

胚培養士はインキュベータのなかで受精卵の成長を観察しながら見守ります。
妊娠率の向上に胚にストレスがかからない環境づくりが望まれます。

4.着床率を上げるには子宮内膜の厚みもポイントになります

胚が着床するためには、胚の質だけでなく子宮内膜の厚みも大切だと言われています。

理想の厚みは1センチと言われ、7ミリ以下だと着床率が低くなるという所見もあります。
血流やホルモンバランスを整えて妊娠しやすい身体を目指しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師