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体外受精のロング法でかかる費用は人それぞれです
体外受精のロング法でかかる費用は患者さんの年齢や体質などの条件や、かかるクリニックの治療方針によって異なってきます。
場合によっては10万円以上の差が出てくることもあります。
ロング法に関わらず体外受精は自由診療であり、基本的に全額自己負担となるのでクリニックが提示した費用を支払うことになります。
患者さんがムリなく治療を続けるため、独自の減額制度やサポート制度を導入しているクリニックもあります。
ロング法ではショート法より費用が高くなります
ロング法は、ショート法と比べると費用がかさんでしまう傾向があります。
その理由として、ロング法では注射をする回数が増えるため、注射をすればするほど費用がかかることになるからです。
またピルなど他の薬を併用する場合もあり、ロング法の費用はショート法より負担を感じてしまいがちです。
ただロング法の場合その分、治療に使われる薬の投与が増えるので質のよい卵子を採取できることが多いと言われています。
採卵前に排卵してしまう可能性が少なく、排卵日をコントロールできるのがロング法のメリットです。
ショート法であってもロング法であってもほぼ保険適用外となるため、ロング法での体外受精を選択した場合はとくに費用面について検討する必要が出てきます。
体外受精の費用は患者さんの状態、クリニックによっても違いがありますので、料金設定のわかりやすいクリニックを選びましょう。
お金についての話は、そう簡単に決められるものではありません。
パートナーともよく相談し、治療費についてわからないところがあればクリニックに直接問い合わせてみましょう。
国による不妊治療助成金制度があります
体外受精における経済的な負担を減らすために、国が実施している助成金制度があります。
「不妊に悩む方への特定治療支援事業」とし、都道府県、指定都市などが指定する医療機関において、助成金制度を利用できる場合があります。
体外受精・顕微授精にかかる費用の一部を助成してくれる制度であり、平成25年には申し込み数148,659件というデータが残っています。
この不妊治療助成金制度を利用するには下記の条件があります。
対象となるのは、特定不妊治療(体外受精および顕微授精)に限られます。
タイミング法などの一般不妊治療には適用されません。
特定不妊治療以外の治療法では妊娠の見込みがない、もしくは極めて少ないと診断された法律上の婚姻をしている夫婦が対象です。
したがって事実婚などのパートナーシップは法律上の婚姻関係に該当しないため、対象外となってしまいます。
また「治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦 」というのも条件になりますので、助成金制度の利用を考えている場合は早めに行動しましょう。
夫婦の合算所得が730万円未満であることも条件とされています。
特定不妊治療にかかった費用に対し、1回の治療につき15~30万円(採卵を伴わない凍結胚移植などについては7.5万円)までが助成されます。
ただし援助を受けられる回数や女性の年齢に制限があり、他にもいくつかの条件が設けられています。
自治体によって改正されたり内容が異なったりする場合もありますので、不明点は各自治体へ問い合わせてください。
そして大切なのは「特定不妊治療費助成指定医療機関」に指定されているクリニックを選ぶということです。
ロング法の費用を抑えることができれば、治療を続けるハードルを下げることができます。
成功報酬制度を導入しているクリニックがあります
わかりやすい料金設定とすることを目的とし、自治体が定めた助成金制度とは別に独自の制度を設けているクリニックがあります。
成功報酬制度の例として妊娠に至った場合は、クリニック側へ報酬としての支払いが生じ、妊娠に至らなかった場合は既定の金額が返金されるという仕組みです。
この制度には他にもいくつかの条件がありますので、必ずクリニックに確認をしましょう。
料金制度が明確にされることで費用に関する不安や負担が軽くなり、万が一妊娠に至らなかった時でも次の治療法を考える余裕が生まれます。
ロング法はショート法と比べて治療期間が長いため、クリニックと関わる時間も長くなります。
制度を利用できる年齢や制度内容などクリニックによって違いがありますので、自分が納得できるクリニックを受診しましょう。
費用の安さだけでなく治療方針や院内の雰囲気なども含めて検討すると、信頼できるクリニックと出会える可能性が高まります。
(まとめ)体外受精のロング法では費用はどのくらいかかるの?
ロング法をはじめとする体外受精は自由診療となります。
基本的に治療にかかる費用は全て自己負担となりますが、クリニックによっては減額制度やサポート制度を取り入れることによって、患者さんの経済的負担に配慮しています。
ロング法では治療期間が長いことと投与される薬の量や種類が増えるため、ショート法と比較すると治療費がどうしてもかかってしまいます。
ただロング法であればより質の良い卵子を採卵することができるため、費用に見合う治療が受けられるとも言えます。
ロング法は治療期間の長さから費用が高額になることがありますが、不妊治療助成金制度を利用できると費用の負担を軽減できます。
いくつかの条件や審査がありますが、申し込み資格が得られるようであれば申し込みを検討してみましょう。
クリニックが独自に導入する成功報酬制度は、治療にかかる費用をわかりやすくすることで患者さんの不安を軽くすることを目的としています。
共感できる信頼できるクリニックを選び、ストレスなくロング法での体外受精に臨みましょう。