葉酸は妊娠前から役立ちます


葉酸は妊婦に必要不可欠な栄養素であるという意識が浸透してきています。そのせいかあくまで妊娠中に摂取していればよいと考える人もいるようです。

しかし実は葉酸は妊娠前から、妊娠しやすい体作りをするのに役立つ栄養素です。また妊娠した時の備えとして摂取することで、安心して妊娠初期を過ごすことができます。

妊娠が発覚してからではなく、妊娠を希望した段階で葉酸を意識しましょう。

葉酸が着床しやすい子宮環境を整えます

葉酸を妊娠前に摂取しておいた方がよい理由の1つとして、葉酸が子宮環境を整えるのに役立つことが挙げられます。精子と卵子が結びつき、受精卵となるだけでは妊娠成立となりません。

受精卵が子宮内膜に着床し、しっかりと根を張るように安定してはじめて、妊娠が成立するのです。受精卵が子宮内膜に着床できずに落ちてしまうと、化学流産として知らない間に不正出血のような形で流れてしまいます。

このリスクを下げてくれるのが葉酸と言われているのです。

排卵期が近づいてくると、女性ホルモンの影響で子宮内膜は受精卵を受け入れるべく、厚くなっていきます。子宮内膜は受精卵のベッドのような存在です。

鉄やビタミンDなど他の栄養素の働きもあって、子宮内膜は厚くなるだけでなく、さらに居心地がよいよう、ふかふかになっていきます。この時、子宮内膜が厚くなったり、ふかふかになったりするためには細胞分裂が欠かせません。

葉酸はもともと細胞分裂を助けるとされる栄養素であるため、このような子宮環境の整備をサポートしてくれるのです。葉酸が不足してしまえば、子宮内膜が薄くうまく着床できないなどの問題が出てくる可能性もあります。

妊娠を希望している人や、不妊治療に取り組んでいる人などは意識して葉酸を摂取しておきましょう。

妊娠初期に十分な葉酸が体内に準備されている必要があります


葉酸が妊娠前に必要とされる理由の中でも、とくに重要と考えられているのが妊娠初期への対策です。妊娠前~出産後まで、葉酸は通常よりも多くの摂取量を必要とします。

その中でももっとも葉酸が必要とされる時期が、妊娠の超初期ともいえる、妊娠6週末までです。妊娠6週頃までに、赤ちゃんは脳や脊髄のもとである神経管という部分を形成します。

しかしまれにこの神経管に「神経管閉鎖障害」という異常が出て、流産や子供の運動障害などの原因になることがあるのです。葉酸はこのリスクを大幅に下げてくれると言われています。

妊娠6週末までとなると、人によっては生理が遅れる程度しか妊娠の兆候がなく、妊娠していたとしても気がつかない人もたくさんいるでしょう。もし妊娠しているのに体内に葉酸が足りていないとなると、赤ちゃんに影響が出てくる可能性もあります。

そこで妊娠前にあらかじめ葉酸を摂取しておき、妊娠初期に間に合わせる必要があるのです。サプリメントなどで日頃から葉酸を少し多めに摂取しておくことで、安心して妊娠初期を過ごすことができます。

神経管が形成されるのは6週末までですが、もともと妊娠初期は赤ちゃんの細胞分裂が活発であるため、12週までは葉酸を多く摂取しておくとよいでしょう。

人によっては葉酸が不足している場合があります

とくに妊娠前に慢性的に体内の葉酸が不足気味になっている人は要注意です。葉酸は水溶性ビタミンに分類され、体内にはほとんど貯めておくことができず、毎日の必要分をその都度摂取する必要があります。

その上、葉酸は体内で生産することも基本的にできません。葉酸はほうれん草などの葉物野菜に含まれるため、外食やジャンクフードなど、偏った食生活を続けている人は葉酸が不足している傾向があります。

妊娠を希望するのであれば、食生活を正し、意識して葉酸を摂取するようにしましょう。

また飲酒や喫煙などの習慣も葉酸不足を招きます。体内にアルコールの成分があると、葉酸を摂取しても吸収が妨げられてしまうのです。

さらに喫煙することによって、詳しいメカニズムは明らかになっていないものの体内の葉酸を大量に消費してしまうと考えられています。このほか、アスリートやスポーツインストラクターなど、激しい運動を日常的に行っている人もやはり、葉酸を多く必要とする傾向があります。

このように人によっては日頃の何気ない生活習慣が、知らないうちに葉酸不足を招いていることがあります。サプリメントなどを利用して意識して葉酸を補っていきましょう。

(まとめ)葉酸は妊娠前にも必要なの?

1.葉酸は妊娠前から役立ちます

葉酸は妊娠中だけでなく、妊娠前にも必要です。葉酸は妊娠しやすい体を作るのに役立ちます。

また妊娠初期の備えとしても有効です。妊娠するかもしれない段階で摂取を開始しましょう。

2.葉酸が着床しやすい子宮環境を整えます

葉酸は、排卵に向けて子宮内の環境を整えるのに役立つため、妊娠前も摂取しておくとよいでしょう。葉酸は子宮内膜の細胞分裂を助けて、受精卵が着床しやすい環境にしてくれます。

不足しないようにしましょう。

3.妊娠初期に十分な葉酸が体内に準備されている必要があります

妊娠前において葉酸を摂取しておくのは、妊娠初期に間に合わせるためでもあります。妊娠前から摂取することで、仮に妊娠に気がつかなくても、妊娠6週までに起きる神経管閉鎖障害のリスクを確実に下げることができるとされているのです。

4.人によっては葉酸が不足している場合があります

野菜不足の偏った食生活を続けている人や、飲酒喫煙の習慣のある人、あるいはアスリートやインストラクターなど激しい運動をする人は、妊娠前の時点で葉酸不足に陥っている可能性があります。サプリメントなどで意識的に補いましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師