プロゲステロンは卵子が受精しやすい環境を整えてくれます


プロゲステロンは女性ホルモンの1つであり、主に卵子が受精し、受精卵となった場合、無事着床できるように子宮内膜を整えてくれる役目を果たしています。また、無事妊娠となれば、その子宮内膜を保って受精卵が育つようサポートもしてくれるのです。

マイナスの作用をもたらすこともありますが、妊娠するためには欠かせないホルモンとなります。

プロゲステロンは女性ホルモンの1つです

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、どちらも女性にとって欠かせない存在です。女性ホルモンというと、肌を美しく保ったり、女性特有の丸みを帯びた体つきを作ったりといった働きを想像するかもしれません。

しかしそれは女性ホルモンのうちエストロゲンの役目になります。プロゲステロンはエストロゲンのように、目に見えるわかりやすい効果を出すことはあまりありません。

しかしその代わり妊娠するための環境を整えたり、妊娠が無事続くようにしたりなど、裏方で重要な役割を担っています。

また毎月の生理もやはり、エストロゲンとプロゲステロン、両方が作用することで起こるものです。生理だけでなく、女性の体はこの2つのホルモンがバランスをとることで健康を保っています。

そのためどちらかが不足したり、過剰になったりしてしまえばホルモンバランスが崩れ、女性の体調を損なわせたり、不妊の原因を作り出してしまうこともあるのです。

実は女性ホルモンの適切なバランスは、プロゲステロン200に対してエストロゲンが1とさえ言われています。不足しがちなホルモンでもあるため、プロゲステロンの検査数値には気を配っておきましょう。

プロゲステロンは子宮内膜を整えます


不妊治療においては、プロゲステロンというのはよく耳にする言葉です。プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれていて、排卵後に発達する黄体という部分から分泌されます。

プロゲステロンが分泌されるよりも前に、エストロゲンが作用し、受精卵が着床するためのベッドである子宮内膜を増殖させて厚くしていきます。

エストロゲンによってベッドができた後、プロゲステロンが分泌され、そのベッドである子宮内膜をさらに分厚くかつ柔らかくして、受精卵がより着床しやすい環境を整えてくれるのです。

そのためプロゲストロンが足りないと子宮内膜が薄いままで受精卵が上手く着床できず、不妊の原因となります。妊娠可能な子宮内膜の厚みは最低8mmといわれているため、検査した場合は気にしておくとよいでしょう。

もしあまりにプロゲステロンが不足している状態だと、「黄体機能不全」として治療が必要になります。また注射によるホルモン補充や薬の投与によって改善する場合もあります。

ホルモンバランスを崩さないよう心がけましょう

プロゲステロンは、子宮内膜を厚くするだけでなく、ほかにもさまざまな影響を及ぼします。たとえば体温を上げたり、乳腺を発達させたり、体内の水分を保ったりなどです。

しかしこのおかげで実はプロゲステロンは不快の原因になることもあります。体が火照ったり、水分でむくんだり、イライラして不安感に襲われたりなどする場合はプロゲステロンが影響しているのかもしれません。

だからといってプロゲステロンが不足してしまうと、今度はエストロゲンが暴走し始めます。

相対的にエストロゲンの量が多くなるエストロゲン優勢の状態になると、子宮筋腫・子宮ガン・乳ガン・生理不順・流産など、不妊治療の上では致命的ともいえるさまざまなリスクをもたらすのです。

もちろん、妊娠そのものも難しくなります。

エストロゲンとプロゲステロンはとにかくバランスが大切です。ホルモンバランスはストレスや乱れた生活などで簡単に崩れてしまうため、できる限り健康的な生活を心がけましょう。

またカボチャやアーモンドなど、プロゲステロンの材料となるビタミンEを多く含む食材を、日頃から食べるのもよい方法です。

(まとめ)プロゲステロンは卵子とどんな関係があるの?

1.プロゲステロンは卵子が受精しやすい環境を整えてくれます

女性ホルモンの1つであるプロゲステロンは、受精卵が着床しやすいよう子宮内膜を整える役目を持っています。

不調の原因となることもありますが、妊娠するのに欠かせない存在といえます。

2.プロゲステロンは女性ホルモンの1つです

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあります。プロゲステロンは妊娠から出産までをサポートしてくれる大切なホルモンです。

プロゲステロンは不足しがちなため、数値に気を配りましょう。

3.プロゲステロンは子宮内膜を整えます

プロゲステロンは黄体から分泌され、子宮内膜を分厚くし柔らかくし受精卵が着床しやすいようにします。

プロゲステロンが足りないと黄体機能不全となることがあり、ホルモン剤の注射など治療が必要になるため注意しましょう。

4.ホルモンバランスを崩さないよう心がけましょう

プロゲステロンには体温上昇や水分保持などさまざまな役目があり、逆に不調の原因を作り出すこともあります。

しかしプロゲステロンが不足するとエストロゲン優勢になり、子宮筋腫など病気のリスクが高まるため、規則正しい生活でバランスを保つことが大切です。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師