プラセンタサプリが卵子によいという説もあります


よく、美容目的にプラセンタがよいと取り上げられることがありますが、不妊治療で卵子の環境を良くするためにもまた、プラセンタが利用されることがあります。しかしプラセンタには注射タイプとサプリメントタイプがあり、サプリメントタイプの使用については医療機関によって判断が分かれます。

プラセンタサプリであればなんでもよいというわけではないため、プラセンタサプリの使用を検討している場合は十分に注意した方がよいでしょう。

プラセンタは胎盤から抽出した成分です

プラセンタはそもそも、哺乳類の胎盤から抽出されたエキスのことを指します。胎盤は妊娠すると女性の体内に形成され、赤ちゃんがお腹の中で無事育つための環境をサポートしてくれます。

赤ちゃんに栄養を送るために胎盤は、アミノ酸・ミネラル・ビタミンなど多くの栄養を含んでいるため、抽出成分であるプラセンタを体内に入れることでさまざまな栄養素を摂ることができると考えられています。

そんなプラセンタですが、人に使うのであればやはり人由来のプラセンタが合っているはずです。

しかし市販されているプラセンタサプリには実は植物から抽出された植物性プラセンタや、魚の卵巣膜から作られたマリンプラセンタなど哺乳類由来でないものがあります。

哺乳類由来であっても、豚や馬、羊などからできたものがほとんどであり、人由来のものは実は医療機関でしか扱っていません。また経口でのプラセンタサプリの摂取はその効果に関して明確なデータがあるわけではありません。

その上アトピー性皮膚炎の悪化や薬剤性肝炎など、健康被害の報告もあります。またクリニックによってはプラセンタの経口はかえって卵子の質を落とすと考えているところもあります。

プラセンタというだけで安易に手を出すのではなく、クリニックに相談の上正しい方法で取り入れることが大切です。

プラセンタは卵巣機能低下に効果的だと言われています


サプリメントに関しては懐疑的な見られ方をしているプラセンタですが、医療機関で受けられるプラセンタ注射のメルスモンとラエンネックは医薬品として厚生労働省から認められています。

プラセンタ注射による治療は実は50年前から使われているため、安全性に関しても心配いらないでしょう。

プラセンタが不妊治療においてとくに効果があると考えられているのは、卵巣機能の低下に対してです。

プラセンタはホルモンバランスを調節してくれるため、加齢による女性ホルモン分泌量の低下によって乱れた卵巣の機能を整えてくれます。

またそのほかにもプラセンタには自律神経を整えたり、ストレスを和らげたりする効果があると考えられています。ホルモンバランスの乱れや、それによる心身の変化というと更年期障害が思い浮かぶかもしれません。

更年期障害は不妊の原因の1つとしても挙げられており、実際にプラセンタは更年期障害の治療にも使われています。更年期障害の治療としてプラセンタ注射を受ける場合は保険適用も可能です。

クリニックによってはプラセンタサプリも扱っています

実際に卵巣機能低下や更年期障害に対して一定の効果が見られるとわかっているのは、あくまでプラセンタ注射の方に限ります。プラセンタサプリに関しても注射と同じ効果が見込めるかどうかは、根拠が乏しく不明とされているため注意が必要です。

しかしながら不妊治療を扱うクリニックの中には、プラセンタ注射だけでなく、医療用のプラセンタサプリを扱っているところもあります。

プラセンタサプリを安全に使用したいのであれば、こうしたクリニックに相談の上、自分の体に合ったものを処方してもらうとよいでしょう。

プラセンタサプリは保険適用外で全額自費となります。費用はクリニックやサプリの内容にもよりますが、だいたい1ヶ月分で1万~3万円ほどです。

また注射にしろサプリメントにしろ、即効性のあるものではありません。さらに実際に飲んだものの、体に合わず効果が見られないという可能性もあります。

プラセンタ療法は数ヶ月継続して徐々に体が整ってくる、というものになるため、長い目で使用していく必要があります。

(まとめ)プラセンタサプリは卵子によい?

1.プラセンタサプリが卵子によいという説もあります

プラセンタには注射タイプとサプリメントタイプがあります。サプリメントタイプに関しては医療機関によってその効果に対する判断が分かれるため、注意が必要です。

プラセンタサプリを使用する場合は医療機関に相談してからの方がよいでしょう。

2.プラセンタは胎盤から抽出した成分です

プラセンタは胎盤由来の成分です。本来はヒトや哺乳類から抽出されるもののことですが、中には植物や魚由来のものも存在するため注意が必要です。

また健康被害の報告もあり、効果について根拠のあるデータが揃っているわけでもありません。

3.プラセンタは卵巣機能低下に効果的だと言われています

プラセンタ自体の効果は厚生労働省から認められ、注射に関しては50年前から利用されています。プラセンタは主に不妊治療においては卵巣機能の低下に効果的だと言われています。

更年期障害の治療にも、保険適用の上利用されることがあります。

4.クリニックによってはプラセンタサプリも扱っています

プラセンタサプリについては、実際に導入しているクリニックもあります。保険適用外となりますが、安全に使用したいのであれば市販ではなくクリニックから入手する方がよいでしょう。

即効性のあるものではないため、長い目で見て使用しましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師