多くの専門クリニックでは30代での卵子凍結は可能としています


卵子凍結、保存に関する法律による定めはありません。
ただ2013年日本生殖医学会が発表したガイドラインでは、対象が40歳未満の成人女性とあります。

このガイドラインを多くの専門クリニックが指針としているため、30代で卵子凍結、保存も可能です。
また2013年より以前は病気治療による卵巣機能の低下などの理由のみ認められていました。

しかし晩婚や高齢出産も珍しくなく、未来の妊娠の準備ために30代で卵子、凍結するという方も増え、上記のガイドラインでも認められています。

卵子は30代半ばから老化が進み、妊娠率も下がる傾向にあるため、30代前半までには行うのが望ましいとされています。

将来の妊娠に備え、30代で卵子凍結、保存する方もいます

卵子凍結、保存ができるのは一部の女性に限定されていました。
たとえばがん治療を行う女性です。
治療の過程で卵巣機能が低下し、妊娠しづらくなるため、罹患後に妊娠の可能性を残すために卵子凍結をします。

他にも不妊治療を受けている方も当てはまります。
体外受精などは成功するまで卵子が必要となり、採卵における心身や費用の負担を軽減するため、卵子凍結が用いられているのです。

一方で2013年に日本生殖学会が卵子凍結、保存のガイドラインを発表し、多くの専門クリニックで指針とされています。

当該のガイドラインでは、加齢による卵巣機能の低下が心配される場合は、あらかじめ卵子を採取し、凍結保存できると明言されています。

つまり今現在は妊娠を希望しなくても、いつか望んだ時期に30代の若い卵子を使えるように行うことを意味します。
そのため病気など特段の事情がなくても30代で卵子凍結を望み、行う方が増えているのです。

またこの場合、卵子凍結・保存の対象は成人した女性で39歳までとするとの記述もあるため、30代はちょうど瀬戸際となる年代と言えます。

卵子は30代後半以降、老化が急激に進みます


卵子は肌などと同様、年齢が増えると共に老化が進んでいきます。
とくに30代半ば以降は卵子の質の低下は著しくなるのです。

通常卵子はキレイな丸状ですが、老化すると形が歪んだり一部潰れたり、酸化して赤くなるなどの奇形、変色が見られる割合が高くなります。
また染色体の数が通常とは異なる染色体異常が起き、奇形や障害をもった子が生まれる可能性も出てくるのです。

さらに精子と受精させても細胞分裂が止まって胚が育たない、または受精卵が子宮着床せず妊娠に至らない、妊娠しても流産するといったリスクも大きくなります。

卵子の数も年齢と共にどんどん減っていき、30代半ば過ぎからは一気に激減していきます。
すると数自体も少ないのに、質の悪い卵子が増えるという事態に陥るため、妊娠率もどんどん下がってきてしまうのです。

こうした年齢による卵子の質の低下に備えて、まだ妊娠を考えていなくても、できれば30代前半までには卵子凍結、保存しておくと安心できるという女性も増えているのです。

信頼できる専門クリニックに任せましょう

30代のうちに卵子凍結、保存を希望するなら、まず信頼できる専門クリニックを見つけることが大事です。
卵子凍結・保存は、事前の診察・検査・排卵誘発剤の投与・採卵など、複数回通院する必要があります。

また将来的に凍結卵子を使って体外受精などを行うことも考慮し、交通アクセスが良くて通いやすい所をピックアップしましょう。

さらに採卵や凍結、保存にはある程度の費用がかかってきます。
費用に関しては専門クリニックごとで異なるので、チェックしておきましょう。

また体外受精などの成功によっては費用を減額してもらえるなどの制度があるところだと、経済的な負担も軽くなります。

そして卵子凍結はとてもデリケートなので、ある程度実績があって専門医が常勤している所なら安心して任せられると言えます。

情報収集しても、実際に足を運んでみないと専門クリニックの設備やスタッフの対応、雰囲気などはわかりにくいものです。

事前説明会などを開催している所もあるので、参加して話を聞いてみましょう。
自分で納得のいく専門クリニックを見つけてください。

(まとめ)30代でも卵子凍結はできるの?

1.多くの専門クリニックでは30代での卵子凍結は可能としています

卵子凍結、保存は近年では、健康な成人女性でも将来の妊娠に備え、あらかじめ卵子凍結、保存できるようになりつつあります。

卵子は30代半ばから老化が激しくなり、数も減るため、妊娠率を上げるためにも卵子凍結は効果的だと言われています。

2.将来の妊娠に備え、30代で卵子凍結、保存する方もいます

以前は病気治療による影響などの理由でのみ卵子凍結、保存は行われていました。

しかし晩婚化など流れにより将来的な妊娠に備え、30代で未婚であっても卵子凍結、保存が行える専門クリニックが増えています。

3.卵子は30代後半以降、老化が急激に進みます

卵子も年を重ねると機能が衰え、特に30代半ばからは変形したり赤く変色したりなど劣化が見られ、妊娠率も低下していきます。

また染色体異常なども起こりやすいため、卵子凍結を行うなら30代前半までが望ましいと言えます。

4.信頼できる専門クリニックに任せましょう

卵子凍結、保存を行う専門クリニックは通院しやすく、実績があって専門医が常勤している所が安心できておすすめです。

さらに費用面でも差異があるので、事前に調べておきましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師