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卵子凍結の期限は基本的に1年ごとです
多くの不妊治療専門のクリニックでは、卵子凍結の期限を1年と定めています。
1年を越えての保存も可能になっていますが、その場合は1年ごとの更新手続きが必要となるのです。
期限内に更新の申し出をしなかった場合、凍結保存された卵子は破棄されることになります。
また女性は年齢が高くなると妊娠率が下がるため、卵子凍結の最終保存期限を設けているクリニックもあるのです。
安全な妊娠・出産が、できると思われる年齢を過ぎた患者様の卵子は、期限とされる年齢の誕生日を過ぎると破棄されます。
一般的には45歳が期限とされています。
女性が子どもを産める年齢には期限があります
生理が訪れている限りは、何歳になっても妊娠できるという認識は正しくありません。
晩婚化や高齢出産が増えていると言われながらも、不妊に対する間違った認識が広まっているという現状があります。
たとえ卵子凍結をして若い頃の卵子を保存していたとしても、ある程度の年齢に達すれば、女性の妊娠は難しくなります。
卵子凍結を選択する際には、子どもが産める年齢には期限があることを理解しておく必要があるのです。
出産ができなくなる年齢は人によって違いがありますが、35歳を境に妊娠しづらくなり、40歳を超えると妊娠する確率はさらに下がると言われています。
加齢によって妊娠が難しくなるのは、誰にでも当てはまる現実です。
女性の卵子は新しく作られることがなく、年齢が上がるごとに数が減少し質も低下していきます。
過去に出産経験がある女性であっても、加齢による卵子の老化で、気づかないうちに不妊症になっていることもあります。
専門家の間で、卵子凍結を懸念する見解がたびたび出されるのは、卵子凍結への誤ったイメージを持つ女性が多いのが理由のひとつです。
卵子凍結をしても高齢出産のリスクを減らせたり、確実に妊娠できたりするわけではありません。
パートナーや専門医とよく話し合い、計画的な妊娠を目指す姿勢が求められます。
男性側の原因で不妊になることもあります
生殖可能な年齢の期限は、女性だけに限ったことではありません。
不妊になる原因の半分は男性側にあると考えられており、不妊は女性だけの問題だけではないと言えます。
男性の精子は10代後半から20歳の頃にもっとも質が良く、35歳を超えたあたりで緩やかに老化が始まるのです。
精子は卵子よりも老化の進みが遅く、60歳を過ぎてから子どもを授かる男性もいますが、加齢による影響は確実にあります。
男性側で生じる不妊の原因のほとんどが、次のような造精機能障害と呼ばれる症状です。
精子の数に問題はありませんが、精子の運動率が悪くなっています。
体外受精や顕微授精などの不妊治療で対応します。
精子の数が少ないのが乏精子症の特徴です。
確認された精子の数によって、タイミング法や人工授精の一般不妊治療を行います。
精子の数が基準を大きく下回る場合は、体外受精や顕微授精を選択します。
精液の中にまったく精子がいないため、造精機能障害の中ではもっとも深刻な症状です。
精巣などにわずかに精子が存在していれば、その精子を探して凍結保存します。
ある程度の数が集まった時点で、顕微授精を行います。
科学の力で卵子の老化を回復することはできません
現代の医学では卵子の老化を回復できませんが、卵子凍結を行えば、少なくとも今の年齢より若い時の卵子を保存できるようになります。
ただし若い卵子を保存したからといって安心するのではなく、保存した卵子をきちんと役立てられるような計画性が必要です。
卵子凍結はあくまでも妊娠するタイミングを自分で決め、計画的な人生設計をサポートしてくれるものだと考えましょう。
将来妊娠する確率を高めるには、女性が子どもを産める年齢に期限があることを認識するよう心がけてください。
とくに35歳を過ぎた方は、不妊治療を専門とするクリニックを選びましょう。
妊娠可能な時間が限られているからこそ、信頼できる治療を受けることが重要になります。
(まとめ)卵子凍結できる期限はどのくらい?
卵子凍結の期限は1年と定めているクリニックが多く、1年を越えての保存は1年ごとの更新手続きが必要となります。
また卵子凍結の最終保存期限が設けられていることもあり、一般的には45歳の誕生日が期限とされています。
卵子凍結をしても、計画的に妊娠を目指す姿勢がなければ、妊娠は難しくなるでしょう。
女性が子供を産める年齢に期限がある以上、パートナーや医師と相談しながら、若い年齢のうちに不妊治療に取り組みましょう。
女性だけでなく、男性も加齢による老化で不妊になることがあり、35歳あたりから精子の老化が進みます。
男性の不妊の多くは造精機能障害が原因であり、精子の数が少なかったり、運動率が悪かったりします。
どれほど医学が発達したとはいえ、卵子の老化を回復する方法はありません。
卵子凍結はあくまで妊娠のタイミングを自分で決めることができるという方法の一つです。
妊娠可能な年齢などを加味して計画的に利用しましょう。