卵子凍結の手順は排卵誘発後に採卵して凍結保存します


卵子凍結の手順は基本的に、不妊治療専門のクリニックで排卵誘発を行い、採卵できた卵子を凍結保存します。
受精卵だけでなく、未受精卵の卵子凍結を取り扱うクリニックが増えているため、ライフプランに合わせた出産を計画できるのです。

卵子凍結は自由診療となるため、クリニックによって15~50万円近くの費用が必要となります。
その他、卵子を凍結する費用や、保存するための費用が必要になるので、医師に確認しておきましょう。

不妊治療全般に言えることですが、卵子凍結も計画的に取り組むことが大切です。

卵子凍結では排卵誘発剤を使用します

卵子凍結をする際には、排卵誘発剤を使って排卵を促す必要があります。
排卵誘発剤は世界的に広く使われている薬剤で、排卵障害の解消だけでなく、妊娠率を上げるためにも使用されているのです。

このような方法を排卵誘発法と言い、人工授精や体外受精を行う時に広く採用されています。
卵子凍結をする時にも効率良く卵子を採取するために、排卵誘発剤を使って複数の卵子を育てます。

妊娠率を上げるための最初のステップが、排卵誘発です。
多くの卵子を成熟させた方が妊娠に繋がりやすくなるので、排卵誘発剤で排卵をコントロールしながら採卵します。

排卵誘発剤の種類はいくつもあり、患者さんの状態に合わせて使用されます。
卵子の成長を確認しながら排卵日の予測をし、排卵される直前に採卵をするのです。

排卵が起こる前に採取しなければならないため、慎重に予測を立てます。
採卵日の決定を待って排卵誘発剤が投与され、およそ36時間後に採卵となるのです。

採卵は専用の細い針を卵胞に突き刺して、卵胞液を吸引して行います。
針を刺す時の痛みが心配な時は、医師に相談して麻酔を使ってもらいましょう。

無事に採取された卵子は液体窒素の中で凍結保存され、移植の日を迎えるまで保存され続けます。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクについて理解しましょう


排卵誘発剤は排卵を促す効果が高く、卵子凍結などの不妊治療において欠かせない薬剤です。
しかし効果が高いゆえに、まれに副作用が起こる可能性があります。
副作用の中で最も気をつけなければならないのが、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)だと言われているのです。

卵巣過剰刺激症候群に対しては、治療を行うクリニックでもリスクを抑えながら対応しています。
排卵誘発剤で卵巣を刺激すると、卵胞が通常より多く発育し過ぎてしまい、卵巣過剰刺激症候群を発症することがあるのです。

卵巣過剰刺激症候群が起こるメカニズムについて、詳しいことは判明していませんが、血清成分が卵胞の中に漏れ出すのが原因ではないかと言われています。

複数の卵胞の中に血清成分がたまることで卵巣が肥大し、卵巣過剰刺激症候群を誘発すると考えられています。
卵巣過剰刺激症候群になると血管にある水分が卵巣から染み出して、腹腔内にたまって腹水を起こしやすいです。

血管の中は脱水状態となるため、血液がどろどろになって血栓ができやすくなり、血栓症に繋がります。
血栓症が重症化し、重症化が予想される場合は入院が必要となり、胚移植がキャンセルになることもあります。

卵子凍結は妊娠する確率を高めると考えられています

子供を授かりたいと思っても、子宮にいつでも妊娠できる環境が整っているわけではありません。
子宮は着床できる時期が限られているため、機会を逸してしまうと良質な胚を移植しても妊娠できる確率は上がりにくくなります。

妊娠を成立させるには、移植しても問題のない胚を着床できる期間に移植する必要があるのです。
卵子凍結を行えば、最適なタイミングで移植することが可能となり、妊娠する確率が上がると考えられます。

ただし卵子凍結は妊娠を確実に保証する手段ではありません。
妊娠や出産は、体調面などを慎重に考慮しなければならず、加齢によって妊娠できる確率も下がります。

信頼できるクリニックを選び、子どもを授かることを計画的に考えましょう。

(まとめ)卵子凍結の手順とは?

1.卵子凍結の手順は排卵誘発後に採卵して凍結保存します

卵子凍結の手順は、排卵誘発を行った後で採卵し、採卵した卵子を凍結保存する流れになります。

受精卵と未受精卵、いずれの凍結保存も受け入れているクリニックが多いため、ライフプランに沿った出産が計画しやすくなります。

2.卵子凍結では排卵誘発剤を使用します

卵子凍結する際は排卵を促す必要があるため、排卵誘発剤が使用されることがほとんどです。

効率良く採卵するために、排卵誘発剤を使って複数の卵子を育てます。
採卵後は凍結保存され、移植される時までクリニックで管理・保管され続けるという手順になります。

3.卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクについて理解しましょう

排卵誘発剤は排卵を促す効果が高く、卵子凍結などの不妊治療に欠かせないものですが、卵巣過剰刺激症候群を発症するリスクもあります。

卵子凍結をする際には排卵誘発剤の副作用について、医師に確認しておきましょう。

4.卵子凍結は妊娠する確率を高めると考えられています

卵子凍結は妊娠できる確率を高めてくれる方法だと言えますが、確実に妊娠が実現できるわけではありません。

妊娠できるかどうかは、患者さんの年齢によっても確率が異なってきます。
信頼できるクリニックのもとで、計画的に出産を考えましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師