不妊症には、いくつかの段階に分かれた治療法があります


不妊症を克服する、つまり無事妊娠するための治療法はどの病院でも同じです。すなわち、タイミング法・人工授精・体外受精となります。

医師の診断のもと、これらの治療法を何周期か行いながら、結果が出るまで徐々にステップアップしていくのが基本の方法です。

それぞれ全く異なる方法になるため、よくメリットとデメリットを理解しておき、医師と相談しながら計画性を持って治療しましょう。

タイミング法から顕微授精まで、複数の治療法があります

不妊症の治療法には、夫婦の年齢や体調などを考慮した上でさまざまな方法が導入されています。たとえばもっとも簡単な、初期の段階での治療がタイミング法です。

これは、あらかじめ検査や基礎体温の測定などを行うことで、医師が排卵日を予測し、その排卵期に合わせて性交渉を行うことで妊娠確率を高めるというものです。

これを5、6周期繰り返しても結果が出ないようであれば、次の段階として排卵誘発剤を使って排卵のタイミングを調節し、排卵数を多くする排卵誘発法を利用することもあります。

それでも妊娠しない場合は、あらかじめ健康な精子を採精し、選別・洗浄したあとに管を通して女性の子宮内に送り込むという人工授精がとられます。

それでも結果が出ないようであれば、今度は卵子と精子を採ったあとに、卵子に精子を振りかけて人工的に受精させてから女性の体内に戻す体外受精を行います。

そして最後の手段としては顕微鏡を使って、卵子と精子を1対1で直接受精させる顕微授精ということになるでしょう。このように不妊症に対する治療法はあらかじめある程度決まっています。

不妊治療は段階を追って行われます


一般的に、顕微授精がもっとも妊娠確率が高い方法と言われています。では最初から顕微授精をすることが可能かというと、残念ながらそうはいきません。

タイミング法から顕微授精まで、段階を踏むごとに、体に負担がかかりやすくなります。また保険適用外の治療が多いために、金銭的な負担にも大きな違いが出るのです。

さらに体外受精や顕微授精は、それより前の段階の治療では妊娠が難しいと判断された場合にのみ、受けることができます。

年齢や、他の病気等から、医師の判断によりいくつかの段階をスキップすることはありますが、基本的に不妊治療はタイミング法から順を追って行っていくこととなるでしょう。

またもう1つ、はじめから高度な治療を行わない理由として、不妊症の原因解明があります。

1年以上、通常の性交渉があるにも関わらず妊娠できない場合に不妊症と定義されることからもわかるとおり、不妊症はそれそのものが病気というわけではありません。

検査でなんらかの病気が見つかる場合もありますが、原因不明で不妊症になってしまう場合もあります。

そのためまずはタイミング法を基本として、肉体的にも精神的にも、また金銭的にも負担の軽い方法から、一つひとつ不妊治療を試していくことで、不妊症の原因を調べていく狙いもあるのです。

治療を繰り返すことで、次の治療に結果をフィードバックすることができます。

サプリメントや漢方などを治療に取り入れる場合もあります

排卵障害や男性側の精子形成障害など、検査や治療を通して不妊症の原因が明らかとなっている場合は、もちろんタイミング法などとは別に、その疾患の治療が行われます。

一方で検査でもとくに異常がないにも関わらず妊娠できないといった原因不明の場合は、タイミング法などの基本的な不妊治療の他に、サプリメントや漢方など、病院やクリニックそれぞれの方針で治療に取り入れられることもあります。

不妊症の原因には、たとえばストレスによるホルモンバランスの乱れなども関係していると言われています。

そのため自分自身で生活習慣の見直しを図ることはもちろん、こうしたサプリメントや漢方などの使用で体調を整え、体質を改善していくのもまた、治療する上では大切なことなのです。

不妊治療は時間がかかりがちです。加齢とともに妊娠のリスクが高まっていき、不妊治療の成功確率も落ちていきます。

1年間妊娠したくてもできずにいる場合は、できる限り早く病院に行き、早い段階で治療を受けることが不妊治療を成功させる秘訣と言えます。

(まとめ)不妊症の治療法にはどんなものがあるの?

1.不妊症には、いくつかの段階に分かれた治療法があります

不妊症の治療法はどの病院でも、タイミング法・人工授精・体外受精とステップアップ式で行われます。

計画性を持って治療するためにも、それぞれのメリットとデメリットをよく知っておきましょう。

2.タイミング法から顕微授精まで、複数の治療法があります

不妊症の治療法としては数種類が用意されています。初期のタイミング法から、排卵誘発法・人工授精・体外受精・顕微授精というように、簡単なものから高度なものへと進んでいくのが特徴です。

3.不妊治療は段階を追って行われます

不妊症の治療は、タイミング法の次は人工授精、人工授精の次は体外受精というようりある程度順番が決まっています。そのため最初から体外受精に挑むというようなことはなかなかできません。

治療を重ね、次の治療に結果を活かしていくことが大切なのです。

4.サプリメントや漢方などを治療に取り入れる場合もあります

不妊症の治療とともに基礎疾患の治療や、サプリメントや漢方の導入など、サポート的な治療もなされることがあります。

ただし不妊治療にも体質改善にも時間がかかるため、早めの治療が成功の秘訣です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師