東洋医学では不妊症の要因を漢方によって取り除けると考えられています


東洋医学である漢方では、不妊の原因となっている症状を一つひとつ解決していくことを目指します。
漢方は基本的に、疾患のある部分だけを治癒するという考え方ではありません。

不妊症を引き起こしている原因を徹底的に治療するのではなく、全体的な身体の調子を見ながら時間をかけて治療を行っていきます。

身体に不調が表れるのは体内でバランスが崩れているからであると捉え、早急に治療を進めるというよりは、ゆっくりと効き目が現れるのを待つのが漢方の特徴です。

「漢方」と「漢方薬」は同じものではありません

一般的に漢方と漢方薬は同じものであると思われることが多いですが、実際はそうではありません。

漢方とは漢方薬のことだけを指すのではなく、養生・気功・整体・薬膳・鍼灸などを含んだ広い意味で使われる総称のようなものです。

漢方は奈良時代に中国から伝来した古代の医学を基本とし、気候や風土に影響を受けながら日本で独自の発展を遂げてきました。

漢方は医学というよりも、「健康になるための哲学」であり、自然の恵みを生かして自然治癒力を高めることを目指します。

東洋医学で考えられる不妊症は何らかの原因によって、身体の軸になる部分にズレが生じているために起こると考えられています。

たとえば排卵が行われていないと診断された人に対して、西洋医学では排卵を促すための排卵誘発剤などを使用していきます。

それに対して東洋医学では排卵を妨げている原因に対して、アプローチしていきます。
原因として考えられるものを漢方薬などで取り除いていくことが、漢方よる治療法になります。

漢方における不妊治療のポイントは気、血、水の巡りを良くすることです


漢方では気、血、水の巡りを良くすることを目指します。
「気」は西洋医学的に言うと自律神経のことを指し、「血」は栄養素を運ぶ役割があるため巡りが悪くなると、さまざまな疾患を引き起こすとされています。

同じく「水」も身体の中で巡りが悪くなると、代謝や免疫機能に影響を及ぼすと考えられています。
不妊症に効果のある主な漢方薬としては、次のものが挙げられます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血の巡りを良くしたい時に使われ、生理不順の改善、冷え、むくみなどに効果があるとされています。

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

ホルモンバランスを整える働きがあり、生理不順や便秘などの解消に処方される漢方薬です。

香蘇散(こうそさん)

気の巡りが悪くなることを「気滞」と言い、情緒不安定、うつ症状を改善する目的で使われます。

漢方で不妊治療を行う目的は、気・血・水の巡りを良くすることで妊娠しやすい身体づくりをすることです。

排卵を促すためなどの直接的な作用がある薬を使うわけではないので、すぐに効果を実感したいという場合は不安に感じるかもしれません。

時間をかけて身体を正しい状態に導くことで不妊治療を行うため、効果が出るまで長い目で見る必要があります。

不妊症の治療は時間との戦いという一面もあり、年齢によっても治療の結果に違いが出てくるため、患者さんの年齢などによっては西洋医学での不妊治療が適していることもあります。

漢方薬による治療は誰にでも向いているわけではないので、医師とよく相談した上で治療の方針や方法を決めるようにしましょう。

漢方薬にも副作用があります

漢方薬は身体に優しいというイメージが強いですが、体質や服用した量によっては食品アレルギーのように副作用が出ることがあります。

漢方薬での不妊治療は身体に負担が少ないことが利点ですが、副作用のリスクがゼロではない点を覚えておきましょう。
漢方薬で最も注意しなければならないのは、同じ成分を過剰に摂取してしまうことです。

幾つもの成分を混ぜて作られているため、効能の良さに惹かれて一度に複数の漢方薬を服用すると、過剰摂取になることがあります。

発熱・消化器系の異常・湿疹・痒みなどが出た場合には、できるだけ早く医師に相談しましょう。
先述したとおり、漢方とは漢方薬のことだけを示すものではありません。

漢方の基本的な考え方にならい、食生活や休養の取り方などに心を配ることも漢方を実践することに繋がります。

(まとめ)漢方は不妊症に効果があるの?

1.東洋医学では不妊症の要因を漢方によって取り除けると考えられています

漢方では不妊症を引き起こしている原因を徹底的に治療するのではなく、全体的な身体の調子を見て治療を行います。

不妊の原因となっている症状を一つひとつ解決していくことを目指すのが、漢方における治療の特徴です。

2.「漢方」と「漢方薬」は同じものではありません

漢方とは漢方薬のことだけを指すのではなく、養生・気功・整体・薬膳・鍼灸などを含んだ広い意味で使われる総称になります。

漢方は医学というより、「健康になるための哲学」であり、自然の恵みを生かしつつ自然治癒力を高めていくことを目指します。

3.漢方における不妊治療のポイントは気、血、水の巡りを良くすることです

漢方で不妊治療を行う目的は、気・血・水の巡りを良くしていくことになります。

直接的な作用がある薬を使うわけではなく、すぐに効果を実感したいという場合は西洋医学の方が適しています。

4.漢方薬にも副作用があります

漢方薬での不妊治療は身体に負担が少ないことが利点ですが、過剰摂取によって副作用が出ることもあります。

漢方薬だけに頼るのではなく、食生活や休養の取り方などに心を配ることも漢方を実践することに繋がります。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師