不妊にビタミンDが注目されています


特定のビタミンを摂取したからといって不妊が改善されるという医学的根拠はありませんが、ビタミンDは不妊との関係性が注目されています。

研究ではビタミンDの濃度が高いと妊娠率が高まり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のような合併症も少ないことがわかってきているためです。

ビタミンDはほかにも、不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群の対策にも使われています。

不妊とビタミンDの関係性を示した研究データがあります

不妊とビタミンDとの関係性を示した研究データがあります。
対象となったのは不妊症の方70名、流産を繰り返す方105名、正常な方250名で、調査項目は自己免疫疾患があるかないかの確認と、ビタミンDの濃度の測定です。

ビタミンDの基準は20ng/ml未満が不足、7ng/mlを重篤な不足としています。
すると流産を繰り返す群と比べて、不妊群はビタミンDの濃度が低い傾向にありました。

自己免疫疾患については、不妊と非不妊の175人のうち65人にみられ、自己免疫疾患を持つ方はビタミンDの濃度が低い結果です。

さらに多変量解析の結果から、自己免疫疾患を持つ方は不妊リスクを2.2倍増加させ、ビタミンDの補充で不妊リスクを0.9倍減少させました。

このような結果から、ビタミンD不足は不妊の原因の1つだと結論付けました。
とくに自己免疫疾患を持つ方は、自己免疫疾患とビタミンD不足の2つの不妊要素を持っている可能性があるでしょう。

そのため自己免疫疾患を持つ方の不妊を改善させるために、ビタミンDは有用であると考えられるのです。

ビタミンDの濃度は血液検査でわかります


不妊対策のためにビタミンDの濃度が気になる方は、血液検査で「25OHD3」を測定し、ビタミンDの濃度を調べてみましょう。

ビタミンDの濃度は20~30ng/ml必要なのですが、不妊治療中の方は9割の人がビタミンD不足であるともいわれています。

そしてもうひとつ注目したいのが、抗ミュラー管ホルモンとビタミンDの関係性です。
抗ミュラー管ホルモンはAMHまたはアンチミューラリアンホルモンともいわれるもので、発育過程にある卵胞から分泌されています。

AMHの値が高ければ、卵巣内にたくさんの卵が残っている状態です。
不妊治療でも注目の評価指標となっています。

AMHが低い方は、ビタミンDも不足している傾向があります。
そのためビタミンDを補充すれば、AMHも高くなると考えられるのです。

実際に不妊治療の現場では、ビタミンD療法を取り入れています。
ビタミンDの濃度を調べる血液検査は、保険適用がないため自費となります。
数千円くらいの費用で受けられるため、不妊とビタミンD不足が気になる方は検査をしてみましょう。

ビタミンD療法はすべての不妊を改善するわけではなく、一部の問題を取り除く方法です。
栄養を改善して対策してみたい方は、医師に相談してみてください。

ビタミンDは紫外線を浴びることで増やすことが可能です

ビタミンDは紫外線を浴びると、体内で増やすことができると言います。
最低でも週に2~3回、1回あたり20分の紫外線を浴びるようにしましょう。
毎日日光浴をする場合は、関東地方で5分程度です。

しかし紫外線が少なくなる冬季は、毎日20分くらいの日光浴が必要となります。
日光浴をする際には、日焼け止めを塗らないようにします。

日焼け止めを塗るとわずかSPF8でも95.5%の紫外線をカットして、体内でのビタミンD合成力が低下してしまう可能性があるからです。

ビタミンDは食品からでも摂取することができます。
キノコ類や魚でビタミンDを摂取することが可能です。
ビタミンDが不足しやすい方は、きくらげや干ししいたけ、イワシやサンマなどを食べましょう。

体内で合成されるビタミンDは、ビタミンD3です。
動物性食品に含まれるのもビタミンD3となっています。

ビタミンDは血中カルシウム量の調節にも役立っており、骨の健康に役立つビタミンです。
免疫力とも関係しているため、がん予防にも役立ちます。

日本人女性のビタミンD平均摂取量は7.0マイクロgですが、アメリカの内分泌学会では37.5~50マイクロgの摂取を推奨しています。

この数値から判断すると日本人のビタミンD摂取量は不足している状態です。

(まとめ)不妊に効くビタミンはありますか?

1.不妊にビタミンDが注目されています

特定のビタミンで不妊が改善できる科学的根拠はありませんが、ビタミンDと不妊との関係性が明らかになってきました。

ビタミンDは不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群の対策や、妊娠中の合併症を防ぐために役立ちます。

2.不妊とビタミンDの関係性を示した研究データがあります

イタリアの研究では、自己免疫疾患がある不妊症の方に、ビタミンDは有用だという結果が出ています。

この2つの不妊要素を持つ方に対しては、ビタミンDの補充で不妊が改善される可能性があるでしょう。

3.ビタミンDの濃度は血液検査でわかります

ビタミンDの不足が気になる方は、病院で血液検査を受けてみましょう。

不妊治療中の方の9割がビタミンD不足ともいわれているため、心配な方は検査をすることをおすすめします。

4.ビタミンDは紫外線を浴びることで増やすことが可能です

ビタミンDが不足している人は、紫外線を浴び体内で合成させ、キノコや魚から摂取しましょう。

紫外線を浴びるときは、日焼け止めを塗らないでください。
冬季は紫外線量が少なくなるため、日光浴の時間を長くする必要があります。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師