プロテイン欠乏は不妊の原因の1つで検査が必要です


不妊の原因といってもさまざまなものがあるため、その方の原因を特定するために、プロテインの検査をすることがあります。

なぜなら、不育症のリスク因子として、プロテインS欠乏やプロテインC欠乏が挙げられるからです。
これら2つのプロテイン欠乏は不育症の原因の1つで、不妊の原因を明らかにするために検査が必要となります。

血液凝固因子があると流産しやすくなります

母体が血液凝固因子を持っていると、血栓ができやすくなり、妊娠中に胎盤への血流が阻害され、胎児への栄養が行き届かなくなり流産する可能性があります。

血液凝固因子とは、第12因子・プロテインS欠乏・プロテインC欠乏のことです。
これら血液凝固因子は母体によるリスク因子となるため、流産を何度も繰り返している場合は、プロテインSやプロテインCを調べるようにしましょう。

血液凝固因子が母体にあったとしても、妊娠することは可能です。
治療では低アスピリン療法を用いて、血小板が活性化しないようにして、血液をサラサラにします。
それにより胎盤への血流が改善され、流産を防ぐことが可能です。

もう1つの治療法は、ヘパリン療法です。
1日2回、12時間ごとに皮下注射します。
この治療方法も血栓を防ぎ、胎盤への血流を正常にして、流産を防ぐためのものです。

ヘパリン療法を開始したばかりは血小板が減少しやすく、肝機能も上昇しやすいため、血液検査を利用しながらモニターします。
注射を打つ部分が炎症をおこし、硬くなることもあるでしょう。

妊娠中はプロテインの量が減るため血栓ができやすいです


プロテインSやプロテインCは、血液を固めようとする作用を不活性化する働きがあります。
もともとプロテインS欠乏やプロテインC欠乏があっても、軽症であれば日常生活に支障が出ることはありません。

しかし妊娠するとプロテインSやプロテインCが減少するため、いつもより血液が固まりやすい状態となり、胎盤への血流が阻害されやすいのです。

胎盤の血管はとても細く、もともとプロテインSやプロテインC欠乏があると、胎盤への血流が悪くなります。
胎盤への血流が悪くなれば、赤ちゃんが育たなくなるリスクがあるでしょう。

プロテインS欠乏は日本人に多い特徴があります。
不育症の原因でも、プロテインS欠乏の割合が7.2%と高い状態です。

一方でプロテインC欠乏は0.2%の割合で、それほど多くはありません。
日本人全体からみて1.6%の割合でプロテインS欠乏となっているため、流産を繰り返す場合は検査をおすすめします。

女性が一生のうちに流産する確率は約40%で、2回続けて流産する割合は1%くらいしかありません。
2回なら偶然ということもありますが、3回続けて流産した場合は、何か原因があると考えてみましょう。

不育症である場合は、約80%の割合で流産してしまうため治療が必要です。
プロテインS欠乏で流産を繰り返している方でも、治療により無事出産することができる可能性があります。

不育症の検査費用は助成があります

流産を繰り返し不育症だと診断された場合は、不育症の検査費用の助成が受けられます。
不育症とは流産や死産を2回以上繰り返す場合、生後1週間以内に死亡してしまうケースです。

夫婦どちらかに原因が隠れているか調べるため、検査が必要となるでしょう。
不育症では、夫婦どちらかの染色体異常・血液凝固因子の問題・内分泌異常・子宮の形態異常が原因となります。

不育症の検査で助成金を受けるためには、医師が不育症だと診断する必要があります。
自治体によっても要件が異なる場合があるため、助成を受ける市町村役場に確認しておきましょう。

その地域に住民登録があること、不育症検査開始時に妻の年齢が43歳未満であること、他市町村で不育症の助成を受けていないことなどが条件となるところが多いです。

助成金の対象となった場合は、検査費用に対し2万円が上限です。
夫婦1組に対し1回までで、1年未満に受けた不育症の検査費用が対象となります。

手続きには検査費用の領収書や検査内容がわかる書類が必要です。
助成の受け取りは銀行振り込みとなるため、夫婦どちらかの口座番号も用意しておいてください。
申請当日は印鑑を持参しましょう。

(まとめ)不妊でプロテインは調べたほうがいいのですか?

1.プロテイン欠乏は不妊の原因の1つで検査が必要です

不妊となる不育症の原因は、さまざまなものがあります。

プロテインS欠乏、プロテインC欠乏も不育症を引き起こす原因の1つのため、不妊の原因を明らかにするために詳しい検査を利用したほうがよいでしょう。

2.血液凝固因子があると流産しやすくなります

母体が血液凝固因子を持っていると、血栓ができやすく胎盤への血流が阻害されて、流産しやすくなります。

リスク因子を持っていても薬物療法で血栓を防ぐ方法があるため、妊娠は可能です。

3.妊娠中はプロテインの量が減るため血栓ができやすいです

プロテインSやプロテインCは血液が固まるのを防いでいます。

もともとプロテインSやプロテインC欠乏があると、胎盤の血管はとても細いため血流障害をおこしやすいです。

4.不育症の検査費用は助成があります

不育症だと診断され、詳しく原因を検査したい方は、自治体からの助成金を申請しておきましょう。

プロテインS欠乏などといった血液凝固因子の問題の検査にも対応しています。
最大2万円までの助成金が受け取れるため申請をおすすめします。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師