不妊治療で使うピルの副作用は一般的なピルと同じです


不妊治療で使うピルも一般的なもの同様に副作用リスクはあります。
吐き気や嘔吐、頭痛、不正出血といったマイナートラブルから血栓症リスクのような深刻なトラブルまで、可能性がゼロではないことは理解しておきましょう。

ピルに限らずほとんどの医薬品には副作用が伴うもので、医師の指導に従って服用する必要があります。

低用量ピルを使えば副作用リスクを軽減できます

ピルの副作用の中でも気になる血栓症や心筋梗塞は、低用量タイプを使うことで軽減できます。
出されたピルの名前から、低用量ピルを使っているのか中用量ピルを使っているのか調べてみるとよいでしょう。

低用量ピルを使った場合に生じる副作用リスクは、それほど高いものではないことに関する研究結果も出ています。
海外の調査によると、一般の女性で静脈血栓症を発症するリスクは1年あたり1万人に1~5人くらいです。

低用量ピルを服用していた女性でも3~9人と格段にリスクが高まるわけではなく、過剰に心配するものではないことが示されました。
喫煙や肥満の方が血栓症リスクを高めると言われていて、ピルの服用よりも注意が必要とされます。

血栓症になってしまうと、激しい腹痛・頭痛・胸の痛み・意識障害を起こすリスクもあるようです。
失神やけいれん、舌のもつれといった重篤な症状も懸念されることから、基礎知識は持っていないとうろたえてしまいます。

服用中に副作用が疑われる状態になったらただちに服用を中止、医療機関を受診しましょう。
稀に生じる副作用が起こってしまった場合でも早期診断および早期治療を行えば、重症化を防げます。

体質や既往症によってはピルを飲めない人もいます


病歴や体質、治療中の疾患によっては、ピルを飲めない女性もいます。
不妊治療を始める時に医療機関に伝えているものもあるはずですが、ピル服用開始前に自分でもチェックしておきましょう。

以下のチェックリストを参考にしてみてください。

  • 乳がんや子宮頸がんなどエストロゲン依存腫瘍が疑われる女性
  • ピルの成分が身体に合わない女性
  • 35歳以上で1日あたり15本以上タバコを吸う
  • 前兆を伴う片頭痛持ちの人
  • 血栓症素因がある女性
  • 重篤な肝障害にかかっている人
  • 脂質代謝異常を指摘された女性
  • 軽度レベルを超える高血圧の見られる人
  • 妊娠ヘルペス既往症がある女性
  • 抗リン脂質抗体症候群にかかっている人

そのほかにも、不安な病気や経過観察中の症状があれば、医師に相談してください。
ピルを出してくれる薬局の薬剤師さんにアドバイスを求めることでも、副作用リスクは軽減されます。

すでに飲んでいる薬があれば飲み合わせも確認し、安易な自己判断は控えましょう。
医師や薬局とのコミュニケーションをきちんととることが安全な妊娠の第一歩です。

「こんなことを聞いたら恥ずかしい」と思う必要はないため、気になったことはすぐに確認する習慣をつけましょう。

喫煙習慣によってピルの副作用リスクが高まります

ピルを服用しながら喫煙習慣を続けると、循環器疾患のリスクが高まることを示すデータがあります。
年齢によっても循環器疾患のリスクは高まりますので、禁煙を指示されるケースも多いはずです。

喫煙習慣は、体外受精の成功率にも影響することが知られています。
喫煙女性が体外受精で妊娠する確率は、非喫煙者と比較して2割程度低いとも言われるほどです。

喫煙は男性不妊にも影響を与える要素ですから、パートナーと一緒に禁煙するのが理想でしょう。
夫婦そろって喫煙習慣を見なおせば受動喫煙の影響も軽減できて、授かりやすい体質に変えていくこともできます。

ニコチン依存症を扱っている医療機関に相談すると、ムリなく禁煙する方法に関するアドバイスを受けられます。
妊娠したらもちろん禁煙が必要なので、早いうちから始めてみてはいかがでしょうか。

自分の意思だけではなかなか辞められない女性でも、赤ちゃんを授かる喜びを考えたら、禁煙できるケースはあります。
不妊治療を始める際に禁煙についても相談し、医療機関の紹介を受けるのもよいでしょう。

(まとめ)不妊治療で処方されるピルに副作用はある?

1.不妊治療で使うピルの副作用は一般的なピルと同じです

不妊治療で使うピルといっても特別なものではなく、一般的なピル同様に副作用リスクはあります。

軽いトラブル程度のものから身体への影響が不安になるくらいのものまで、副作用といってもいろいろです。

2.低用量ピルを使えば副作用リスクを軽減できます

重い副作用リスクがあると聞くと抵抗を感じる人もいるのですが、低用量ピルを使うことで重い反応を予防できます。

血栓症リスクが生じるのはごく稀なケースであることを示した研究結果もあり、過度な心配はいりません。

3.体質や既往症によってはピルを飲めない人もいます

乳がん・子宮頸がん・一定の年齢以上で喫煙習慣がある女性など、ピルを飲めない人もいます。

ピルを飲めない人に該当するのに薬を飲み始めてしまった場合、副作用がひどく出るケースもあるので、事前の確認が必要です。

4.喫煙習慣によってピルの副作用リスクが高まります

ピルの副作用リスクを軽減するためには、禁煙が役立ちます。
体外受精の成功率を下げる要素とも言われ、妊娠したら辞めなくてはいけない習慣です。

早い段階から夫婦そろって禁煙に挑戦し、リスクを未然に防ぎましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師