不妊治療のピルを飲んで生理がこないというのは誤解です


ピルは生理をストップするのではなく、排卵が起こらない状態にしてくれる薬です。

不妊治療でピルが出される場合、一時的に排卵をストップさせることで卵巣を休ませることにより、卵子の質を高める狙いがあります。

排卵スケジュールをコントロールすることもできるため、採卵日程に合うように調整することも可能です。

ピルを飲み終えたタイミングで生理がきます

28錠タイプのピルを飲む場合、21日間は薬の成分が入った錠剤を飲み、7日間は薬の成分が含まれない偽薬を飲みます。

7日間の偽薬を飲んでいる期間に消退出血と呼ばれる生理があります。

生理といっても排卵はストップしている状態なので、無排卵月経です。

いつもの生理より量が少ない、期間が短いといった変化を感じることがありますが、問題はありません。

21錠タイプのピルを飲む場合は、飲み終えた後に7日の休薬期間をとって、次のシートに入ります。

休薬期間に排卵がなされていない生理が起こるところは、28錠タイプと同様です。

避妊目的でピルを飲む時には生理日を基準にスタートを決めますが、不妊治療に使う場合は異なるスケジュールになることもあります。

医師から指定された日程にしたがって、決まった分だけ飲んでください。

毎日1錠ずつ飲み続けることで効果を発揮する薬なので、飲み忘れがないように注意します。

寝る前に飲む、歯磨きを終えたら飲むなど自分が続けやすい時間帯を選び、指定された分だけ飲みきりましょう。

ピルを飲むと血中ホルモン量をコントロールできます


ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれていて、血中量を意図的にコントロールすることができます。

身体の機能でホルモン分泌しなくても薬が働いてくれるので、あるべきホルモンバランスに制御できるということです。

体内のホルモン量が増えるのは排卵後ですから、薬を飲み終えたタイミングでこの状態へと持っていきます。

排卵後の身体と同じ状態を意図的に作り出すことにより「もう排卵は終わっている(排卵しなくてもよい)」と情報伝達する狙いです。

排卵を終えたと勘違いした身体は、子宮内膜が剥がれ落ちる反応を起こします。

この反応が消退出血、いわゆる生理にあたるものです。

生理がくると再びホルモンが減ったサインを視床下部がキャッチし、卵胞を育てるサイクルへと入ります。

このまま放置すれば通常通りに排卵しますが、卵胞が十分に成熟する前に次のシートを飲み始めると、再びホルモンの分泌はストップします。

ホルモンの調整を薬に任せるだけなので、妊娠機能が損なわれたり排卵が止まることで身体に悪影響が出たりする心配はありません。

むしろ絶えず排卵を続け疲れている卵巣を休ませて、機能回復する効果が期待されます。

ピルを飲むと生理周期は安定します

ピルは生理不順を解消する目的でも活用されます。

女性の身体は非常にデリケートにできているため、過労やストレスはもちろん、過剰なダイエットなどによっても生理のリズムが乱れてしまう人が多いとされているのです。

一般的な周期は25~38日くらいですが、もっと長くなったり短くなったりすることがあります。

ピルを飲むことで生理不順を解消できる理由は、正常なホルモン分泌のリズムに似せて、ホルモンを補充するためです。

一定のリズムで規則正しく生理を起こさせて、あるべき周期に整える効果が期待されます。

このように不妊治療に限らず、一般的な婦人科疾患への対応としてもよく使われる薬です。

子宮筋腫・子宮内膜症の改善目的でも処方されることがあるうえ、子宮体がん・卵巣がんを予防する働きも注目されます。

子宮体がん予防ができるのは、黄体ホルモンを補充する働きがあるためです。

卵巣がんは卵巣が弱ることでリスクが高まる病気ですから、休ませてあげる期間を作ることで予防ができると考えられます。

ピルを使うのは、特別なことではなく多くの女性がイメージするよりずっと身近な薬であることを理解しましょう。

(まとめ)不妊治療のピルを飲むと生理はこない?

1.不妊治療のピルを飲んで生理がこないというのは誤解です

不妊治療でピルを飲んで生理がこないわけではなく、いつもと同じように出血はあります。

排卵をストップされるにすぎない薬なので、生理が止まるわけではないことを理解しましょう。

2.ピルを飲み終えたタイミングで生理がきます

生理が起こるタイミングは、21日分を飲み終えた後です。

21錠タイプなら1シートを飲み終えて休薬期間に入ったタイミング、28錠タイプなら偽薬に入ったタイミングと考えてください。

3.ピルを飲むと血中ホルモン量をコントロールできます

21日分を飲んだ後に生理が起こる理由は、黄体ホルモンが入ってこなくなることで排卵後と同じ状態になるためです。

薬によってホルモン量をコントロールすることから生理周期が安定して、不妊治療が進めやすいようにスケジュール管理ができます。

4.ピルを飲むと生理周期は安定します

生理がこないというよりも安定させる効果があって、生理不順に悩む女性の解決策としても活用されます。

ストレスやダイエットで生理周期が乱れた時に医療機関を受診すると、ピルが処方されるケースもあるくらいです。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師