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顕微授精は体外受精よりも妊娠率が高いといわれています
不妊治療の一つである顕微授精は、体外受精よりも妊娠率が高いとされています。
顕微授精は精子と卵子を体外で受精させ、子宮に戻す方法で体外受精と流れは同じですが、体外受精と違うのは、体外で精子と卵子を受精させる点です。
顕微授精は顕微鏡で確認をしながら卵子の中に直接精子を注入するので、妊娠率が高くなるのです。
体外受精と顕微授精の違いは体外で受精させる点です
体外受精は受精や胚発生を体外で行い、受精後に一定期間培養した胚を子宮内に戻す、という方法です。
タイミング指導や人工授精では妊娠できなかったという方に適した方法です。
体外受精では妊娠できない場合、顕微授精という方法があります。
人工授精は精子を子宮内に送り込むだけで、体外受精は体外に取り出した卵子に精子が自力で侵入し、受精する環境を作る方法です。
顕微授精は、体外に取り出した卵子に、極細の針で人為的に精子1匹を注入する方法です。
体外受精では卵管や卵巣のトラブルで受精・妊娠できなかった・精子が少なくて受精できなかったといったケースにも対応でき、受精できるため、体外受精よりも妊娠率が高いとされているのです。
精子が非常に少ない男性でも、1匹の精子だけでも妊娠することが可能になり、重度の男性不妊でも妊娠できる可能性が高い方法です。
卵子や精子の質に問題がある、子宮内膜環境の問題がある、といった方に対しても、顕微授精であれば妊娠できる可能性が高いのが顕微授精です。
顕微授精は体外受精よりも費用が高い傾向があります
体外受精よりも妊娠率が高いと言われている顕微授精ですが、デメリットも把握しておきましょう。
不妊治療は保険が適用されませんので、顕微授精も自己負担になります。
顕微授精の費用は病院やクリニックによって異なりますが、1回あたり、30~50万円程度かかります。
体外受精は1回あたりの費用は10~30万円程度、人工授精では2~3万円程度です。
費用だけを比較してみると、顕微授精がもっとも高くなります。
顕微授精は卵子を精子に注入する工程に費用が発生するためです。
顕微授精は1つの卵子に対して1つの精子を注入する方法であり、妊娠率を上げるためには、何回も顕微鏡を用いた治療を行うため費用がかかってしまうのです。
病院によっては、何度治療を行っても費用が変わらない病院もありますので、確認してみるといいでしょう。
また顕微授精は自然妊娠と比較すると、流産や早産になるリスクが高いと言われています。
自然妊娠の場合、女性の体の中に放出された精子は、数億個という数の中で激しい競争を繰り返し、最後に勝ち抜いた精子が卵子の中に入って受精します。
しかし顕微授精は人間が形態や運動能力をみて選びますが、その精子に問題があった場合、それも引き継いで生まれてくる可能性があります。
そういったリスクを踏まえて顕微授精を受けるかどうかを決定しましょう。
体外受精も顕微授精も一人ひとりに合った方法を提案してくれる病院で行いましょう
顕微授精は不妊治療の中においては、妊娠率が高い治療法です。
そのため顕微授精を選択する夫婦も増えています。
しかし費用が高いという問題のほか、顕微授精のリスクにおいても理解しておくことが大事です。
日本ではじめて顕微授精児が生まれたのは1995年と歴史は浅いです。
もちろん、研究は続けられていますが、リスクが伴うことも知っておきましょう。
なんといっても、妊娠率が最も高いのが顕微授精ということもあり、病院によっては人工授精などで妊娠できる可能性があるのに、顕微授精を薦めるケースもあります。
顕微授精となれば、費用もかかりますが、身体的や精神的負担も増えていきます。
妊娠率が高いというだけで選択をせずに、その人に適した方法で不妊治療をすることが大事です。
そのためには、年齢や卵巣の状態、排卵のタイミングなどをしっかりみてくれて、可能性のある不妊治療は何かをていねいに説明してくれる病院を選ぶことが重要です。
妊娠率の高さだけで病院を選ぶ前に、病院の方針や治療の内容などを確認したうえで、不妊治療を行いましょう。
(まとめ)体外受精よりも顕微授精の方が妊娠率が高い?
顕微授精と体外受精の違いは、顕微授精は顕微鏡で確認をしながら卵子の中に直接精子を注入する点です。
そのため、顕微授精は体外受精よりも妊娠率が高いとされているのです。
顕微授精は、体外に取り出した卵子に、極細の針で人為的に精子1匹を注入する方法です。
精子の数が少ない、運動率が低いといった男性でも妊娠可能になり、体外受精よりも妊娠率が高い方法です。
顕微授精は人工授精に比べて、1回の治療費用が10万円程度高くなります。
経済的に費用がかかるのがデメリットと言えるでしょう。
また顕微授精は自然妊娠と比べると、流産や早産の確率が高くなるリスクがあります。
それらも含め検討していきましょう。
顕微授精は妊娠率の高い治療法ですがリスクもあります。
妊娠率だけで治療法や病院を選択するのではなく、一人ひとりに適した不妊知慮を提案してくれる病院を選ぶことも大切です。