体外受精の妊娠率の高さ=グレードの高さです


体外受精では受精卵のグレードが高いほど、妊娠率が高くなると言われています。
グレードの高いものほど成長が進んでおり、状態がよい受精卵であることを示しています。

かかるクリニックの治療方針や年齢・体調・子宮の状態によっても変わってきますが、グレードが高い受精卵で体外受精を行うと妊娠率が高くなる傾向があります。
実際の治療ではグレードが高い受精卵を優先的に使用します。

グレードは受精卵の状態を表すランクです

グレードには初期胚(受精後1~2日後で細胞が2~4つに分割した受精卵)のグレードと胚盤胞(受精後さらに5~6日経った受精卵)のグレードがあります。
初期胚はグレードの数字が小さい方ほどコンディションが良く、グレード1~5に分類されています。

  • グレード1は分割が均等かつ、フラグメンテーション(細胞が壊れている部分)がない状態
  • グレード2は分割が均等かつ、フラグメンテーションが10%以下の状態
  • グレード3は分割が不均等かつ、フラグメンテーションが10%以下の状態
  • グレード4は分割が不均等かつ、フラグメンテーションが10~50%の状態
  • グレード5は分割が不均等かつ、フラグメンテーションが50%以上の状態

グレード1は胚が均等に分割していますが、グレード2~3となるにつれてフラグメンテーションの割合が増え、妊娠率が少しずつ低下します。
グレード4~5となると妊娠率はかなり落ちてしまうと言われています。

対して胚盤胞は数字が大きいほど状態のよい受精卵です。
グレードは6~1まであり、さらにグレード3以上は「内細胞塊」と「栄養膜」の状態によってA~Cに分類されます。
つまり6AAがもっとも状態が良く、1CCがもっとも状態が芳しくないということを表しています。

グレードが低くても流産や赤ちゃんの障害とは関係がありません


せっかく育てた受精卵の状態が思わしくなく、不安に苛まれてしまう患者さんもいらっしゃいます。
ですがグレードの低さは妊娠率に関わることがあっても、それによって流産や胎児異常が引き起こされることはないとされています。

2008~2012年に実際に行われた体外受精について、次のような内容の論文があります。
グレードの高い受精卵では41.5%、グレードの低い受精では19.2%と妊娠率に大きな違いがあったものの流産や胎児異常が発生する確率に差はなかったとされています。

さらに出産率についてはそれぞれ80.6%と77.8%であり、グレードが低くても妊娠に至ってしまえば出産できる確率にほとんど差がなかったと記されています。
グレードはどの受精卵を優先的に移植して妊娠率を高めるかを見極める、目印のようなものです。

受精卵の判定が思った通りにいかなくても、落ち込むことはありません。
たとえ小さくても受精卵は生きています。
小さな生命の力を信じて、体外受精に希望を持ちましょう。

グレードと妊娠率を上げる生活習慣を身につけましょう

グレードと妊娠率をアップさせるには、規則正しい生活を送って健やかな身体を作ることが大切です。
食事・睡眠など生きていく上で当たり前だと思えることこそ疎かにせず、今一度自分の生活習慣を見直してみましょう。

身体を冷やさないようにしましょう

冷えた身体は血の巡りが悪くなるため子宮を冷やす原因となり、着床しにくくなると言われています。
冷房などの影響で夏場の冷えも侮れません。
季節を問わず、冷えないための工夫をしましょう。

喫煙と飲酒は控えましょう

体外受精中のたばことお酒は厳禁です。
自分の身体だけでなく、受精卵の状態にも悪影響を与えかねません。
一本も吸わない、一口も飲まないくらいの気持ちで臨みましょう。

質の良い睡眠をとりましょう

睡眠不足はホルモンバランスを崩す原因になります。
ホルモンバランスが崩れてしまうと子宮の状態が悪くなり着床しにくい、流産の恐れが出るなどの可能性があります。

栄養バランスを考えた食事を心がけましょう

身体の温める効果があるとされる根菜類や生姜などを積極的に食べましょう。
また良く噛むことで食べ過ぎを防ぐこともできます。

体外受精を成功させるためには自分で努力できることがたくさんあります。
どのように改善してよいかわからない時は、信頼のおけるクリニックに相談してみましょう。

(まとめ)体外受精でグレードと妊娠率に関係はあるの?

1.体外受精の妊娠率の高さ=グレードの高さです

受精卵は成長の状態によってグレード別にランクづけされています。

使用する受精卵のグレードが高ければ高いほど体外受精での妊娠率も高くなるとされているため、グレードの高い受精卵を優先して治療を行います。

2.グレードは受精卵の状態を表すランクです

受精卵は受精後の経過日数と細胞の分割状況により、初期胚と胚盤胞に分けられます。

初期胚は数字が小さいものほど、胚盤胞は数字が大きいものほど良い受精卵とし、グレード3以上の胚盤胞はさらにA~Cに分類されます。
もっとも状態がよい受精卵は6AAです。

3.グレードが低くても流産や赤ちゃんの障害とは関係がありません

グレードが低くても流産しやすくなったり、赤ちゃんが障害を持って生まれやすくなったりすることとは関係ないとされています。

妊娠率の低さとグレードの低さは関連しますが、グレードの低い受精卵でも妊娠後は78%近い人が出産しています。

4.グレードと妊娠率を上げる生活習慣を身につけましょう

体外受精でのグレードと妊娠率を上げるためには、日々の生活を規則正しくすることから始めてみましょう。

バランスのよい食事と良質な睡眠をとり、喫煙と飲酒を控えて身体を温め、妊娠しやすい身体作りを目指してください。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師