妊婦が葉酸を必要とする時期は、妊娠中ずっとです


葉酸は胎児の健康はもちろん、妊婦自身の健康にも深く関わる栄養素です。そのため必要となる量は時期によって異なるものの、葉酸そのものは妊娠期間中、ずっと継続して必要になります。

二人分の命を抱える分、必要摂取量は普段の倍以上になるため、意識して葉酸を摂取していきましょう。また出産してからも葉酸を多めにとることで、やはり赤ちゃんの健康を守ることに繋がります。

時期によって葉酸の必要量は異なります

妊娠したその瞬間から、お腹の赤ちゃんにとって葉酸は大きな意味を持ちます。葉酸がもっとも重要とされる時期が、妊娠6週末までです。

この頃、赤ちゃんは神経管という部分が発達していきます。しかしこの神経管は先天異常を起こすことがあり、そのリスクを葉酸が抑えてくれると言われているのです。

妊娠6週までというごく短い期間のことであるため、手遅れにならないためには葉酸を妊娠前から摂取しておくのが好ましいでしょう。普段の食事に加え、だいたい3ヶ月目までは、普段の3倍以上の葉酸を摂取する必要があります。

神経管の形成が完了した後、3ヶ月以降から出産までは、今度は赤ちゃんが正常な生育をするよう、葉酸を意識して摂っていく必要があるでしょう。必要なのは葉酸だけではないため、各栄養素をバランス良く摂取しなければなりません。

しかし妊娠中の葉酸の必要摂取量は480µgと、普段の2倍の量になります。意識していないと必要量を摂取し続けることは難しいでしょう。

葉酸の摂取方法には食事とサプリメントがあります


普段の食生活で摂取できる葉酸の量は、平均して300µgほどだと言われています。単純に考えて、妊娠中にこの2倍や3倍以上の葉酸を毎日食事から摂取するのは不可能に近いことです。

そこで役立つのが、妊婦向けに配合されているサプリメントになります。妊婦向けのサプリメントでは、葉酸を400µgほど含んだものがあり、これを摂取することで妊娠の初期から出産後まで、過不足なく葉酸を摂取することができるでしょう。

ちなみに普段の食事から摂取できる葉酸が300µgなのに、サプリメントから400µg摂取したのでは妊娠初期には足りないのではないかと思う人もいるかもしれませんが、食事とサプリメントからでは体内での利用効率が異なるためこの計算で合っています。足りないと思ってサプリメントを多めに飲んでしまうと、今度は過剰摂取のリスクがあるため要注意です。

葉酸は必要以上に摂取しすぎると、母親が貧血になった場合に原因を特定しにくくなったり、あるいは赤ちゃんが生まれた際に小児ぜんそくにかかりやすくなったりする可能性も報告されています。葉酸を過剰に摂取しないようにするためには、たとえ飲み忘れた時でもサプリメントをまとめ飲みしないこと、また複数のサプリメントの併用をできるだけ避けることが重要です。

食事だけで過剰摂取になることはあまりありません。サプリメントは手軽に摂取できる反面、過剰摂取になるリスクが高くなりやすいため、注意しましょう。

出産後も葉酸を摂取しましょう

無事出産した後も、葉酸は必要です。出産した後でも、母親は母乳を通して赤ちゃんに栄養を与えなければなりません。

お腹の中で赤ちゃんが成長していくために葉酸が必要であったように、生まれた赤ちゃんがすくすくと大きくなるためにもやはり葉酸が必要不可欠となります。また葉酸には赤血球の生成を助ける働きがあり、さらに血液から母乳ができるため、母親が葉酸を摂取することで母乳を増やす効果もあると言われています。

その他、葉酸には体の回復や抑うつ予防、肌荒れの防止などにも役立つと考えられています。妊娠後も適量の葉酸を摂取しておくことで、出産後で疲れ切っている子宮や荒れた肌を整えたり、子育てに対する不安を和らげたりと、母親を大きく助けてくれるでしょう。

少なくとも赤ちゃんが離乳するまでは葉酸を摂取しておくようにしましょう。このように葉酸は妊娠前から出産後まで、継続して摂取することで効果を発揮します。

食事とサプリメントで十分な葉酸の摂取を心がけましょう。

(まとめ)妊婦に葉酸が必要となる時期は?

1.妊婦が葉酸を必要とする時期は、妊娠中ずっとです

葉酸は、妊婦と赤ちゃん両方の健康に関わる栄養素で、妊娠中から出産後までを通してずっとサポートしてくれます。必要摂取量も多くなるため、継続して摂取できるように気を配りましょう。

2.時期によって葉酸の必要量は異なります

葉酸の摂取がもっとも重要と言われるのが妊娠初期です。妊娠初期に葉酸を摂取しておくことで、赤ちゃんの先天異常を防止すると言われています。

またそれ以降も赤ちゃんの発達に必要です。サプリメントを活用して必要十分な葉酸を摂取しましょう。

3.葉酸の摂取方法には食事とサプリメントがあります

妊娠初期などに必要な摂取量を、食事だけで補うことは大変です。妊婦向けのサプリメントを活用するとよいでしょう。

しかし過剰摂取もまたリスクがあるため、不足も過剰もないよう、服用量には注意する必要があります。

4.出産後も葉酸を摂取しましょう

出産後も、赤ちゃんの成長を助けたり、母乳を増やしたりするために葉酸が必要です。また葉酸は出産後の母親の体を整えてくれる役割もあると考えられるため、妊娠中ほどではなくとも適量の葉酸を摂取しておくとよいでしょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師