葉酸は、妊婦の血液や赤ちゃんの発達に関係する栄養素です


葉酸は、妊娠初期によく摂取することで赤ちゃんの先天異常のリスクを下げてくれると言われています。そのため葉酸は妊娠に欠かせない栄養素と呼ばれているのです。

赤ちゃんの先天異常を防止するほかにも、妊婦の血液生成を補助したり、ホルモンバランスを整えたり、赤ちゃんの細胞分裂を促したりなどの効果もあるとされるため、葉酸を積極的に摂取するよう心がけましょう。

葉酸はビタミンB群の1つです

ビタミンというと、名前の頭に必ずビタミンがつくと思いがちですが、実は葉酸もビタミンの1つです。葉酸が属するのはビタミンB群で、ビタミンB9などの名で呼ばれることもあります。

葉酸はほうれん草の中から見つかったことからその名がついたと言われ、実際に葉物野菜に多く含まれる栄養素になります。

そんな葉酸の役割の1つに、細胞が分裂する際のDNA生成に必須ということが挙げられます。細胞一つひとつには、その人の遺伝子情報が正しく入っていなければなりません。

この遺伝子情報が正しく伝わるようにするのが葉酸の役割です。もし葉酸が不足すれば、細胞分裂がうまく行かず、染色体異常を起こしてしまう可能性もあります。

染色体異常などは、奇形など先天異常の原因ともなるものです。そのため妊娠のごく初期の段階で葉酸を十分に摂取していれば、細胞分裂をし続けて大きくなる赤ちゃんの異常を阻止できる可能性が高くなるのです。

具体的には葉酸がリスクを下げるという赤ちゃんの先天異常は神経管閉鎖障害と言われるものです。赤ちゃんの一生に関わる重大な先天異常となるため、妊娠初期の段階で葉酸が十分に体内にあることが望まれます。

葉酸は貧血防止などにも役立ちます


もう1つ、葉酸が重要と言われる理由の1つは造血を補助する作用です。葉酸の別名は「造血のビタミン」で、ビタミンB12とともに赤血球の生成に関わります。

血液というと鉄分が思い浮かぶかもしれませんが、葉酸もまた血液と深い関係にあるのです。

妊娠中、妊婦は赤ちゃんに栄養を送るため、多くの血液を必要とします。栄養を運ぶ役目を負うのは主に血液中の血漿で、酸素や二酸化炭素を運ぶのが赤血球の役目です。

赤血球が足りなくなると、体に酸素が行き渡らず、体のさまざまな場所で不調が現れると考えられています。さらに赤血球の数が一定の数値を下回るといわゆる貧血の状態になります。

子供を守り育てるために多くの血液を必要とする妊婦にとって、貧血は陥りがちな症状の1つです。貧血を起こさないためにも、葉酸を積極的に摂取していくことが大切となります。

実は葉酸は、鉄やビタミンB12と同じように体内で生成することができない栄養素です。そのため食事やサプリメントなどで補わなければ、足りないままになってしまいます。

妊娠中は普段より葉酸の必要摂取量が多くなるため、葉物野菜を多めに食べるなど、食生活に気をつけましょう。

葉酸の摂取方法にはコツがあります

葉酸の重要性がわかったところで、葉酸を摂取しなければ、と思い立つ人も多いはずです。実は葉酸は摂取方法にいくつかのポイントがあります。

ポイントを守ることで、より効率よく葉酸を摂取できるでしょう。

まず葉酸が属するビタミンB群は、お互いがお互いの働きを助けるという特徴があります。葉酸だけでなく、その他のビタミンB6やビタミンB2、ビタミンB12といった栄養素も一緒に摂取することで、葉酸が効率よく使われるようサポートしてもらうことができるでしょう。

またそれぞれのビタミンの働きもまた、葉酸がサポートします。

その他、葉酸は普段の食事からある程度摂取することができる栄養素ですが、実は水溶性ビタミンであるために、茹でたり加熱したりするという調理に向きません。そのため葉酸を含む葉物は生か、炒めて食べる方が効率よく摂取できます。

また一時的に大量に摂取しても尿と一緒に排出され、体内に貯蔵しておけません。そのため継続して摂り続ける必要があります。

このようにいくつかの注意点もある葉酸ですが、妊娠には欠かせません。妊娠中はずっと意識しておくべき栄養素と言えるでしょう。

(まとめ)妊婦に必要という葉酸ってどんな栄養なの?

1.葉酸は、妊婦の血液や赤ちゃんの発達に関係する栄養素です

葉酸が妊婦に欠かせないと言われる理由は、赤ちゃんの先天異常のリスクを下げてくれるとされているからです。このほかにも、造血補助やホルモンバランスの調整、細胞分裂のサポートなどさまざまな役目があります。

積極的に摂取しましょう。

2.葉酸はビタミンB群の1つです

葉酸はビタミンB群の中でもDNAの合成などを司り、細胞分裂が正しく、スムーズに行われるようにサポートします。

このことから、奇形の防止に役立つと言われています。とくに葉酸は神経管閉鎖障害を防ぐことで知られているのが特徴です。

3.葉酸は貧血防止などにも役立ちます

葉酸は造血補助作用があるとされるため、貧血防止にもよいでしょう。妊娠中は貧血になりがちであるため、葉酸を適切に摂取することで母体、胎児両方の健康に影響します。

葉酸は食事やサプリメントで補うことができます。食生活に注意しましょう。

4.葉酸の摂取方法にはコツがあります

葉酸は、他のビタミンB群を一緒に摂取することで効率が良くなります。また水溶性であることから、茹でたり加熱したりすることにやや弱いため注意しましょう。

また体内に貯蔵しておけないため、継続して摂取することも大切です。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師