卵子をチェックすることで妊娠の確率を上げることができます


卵巣の中に収められている卵子は、ただ存在していれば妊娠できるわけではありません。卵子の数や質など、卵子の状態によって妊娠の確率が左右されます。

妊娠できる確率は加齢とともにだんだんと衰えていくため、卵子の状態を早めにチェックしておくことで妊娠、あるいは不妊治療の計画を立てやすくなるでしょう。卵子のチェックは産婦人科で行うことができます。

卵子の数はAMH検査で調べることができます

卵子が実際に今、自分の体内にどのくらいあるのかは、AMHと呼ばれる検査で判明します。AMHはアンチミューラリアンホルモンの略です。

このホルモンと卵子の数には密接な関係があり、血中にこのホルモンがどのくらいあるかを調べることによって、現在残っている卵子数がおおよそわかるのです。AMHは血液検査をするだけで調べることができます。

検査結果は1週間ほどで判明します。費用は病院によって差があり、だいたい5000~1万円が相場となっています。

また保険適用外であることに注意が必要です。AMHの検査から、年齢に対して卵子が多ければ、余裕を持って不妊治療を進めることができるでしょう。

反対に卵子の数が少なければ、より計画的に治療を進めていかないと、閉経が来てしまうかもしれません。妊娠のしやすさには卵子の数と質が重要ですが、AMH検査はあくまで卵子の数を調べるためのものです。

そのため質を調べるものではありません。質は加齢とともに下がっていくため、30代後半~40代などでAMH検査をしてたとえ卵子の数が多かったとしても、質が下がっていて妊娠しにくい場合があります。

あくまで1つの目安として、早めの検査をおすすめします。

卵子の数は加齢とともに減っていきます


女性の体内にある卵子の数が、一番多いのは実は女性本人が生まれた時です。正確には生まれるよりも前、母親のお腹にいる妊娠5ヶ月~6ヶ月の時がもっとも多く、700万個ほどあるといわれています。

しかし生まれると同時に200万個と、3分の1以下になってしまうのです。そしてこの200万個の卵子は、だいたい初潮が起きる思春期の頃までにさらに8~9割ほどが消えてしまいます。

最終的に残った20万~30万個の卵子をいかに大切に使っていくかが、妊娠確率を上げるポイントです。卵子は時間経過とともに減る一方で、女性の体内で新たに作られることは一切ありません。

もし卵子の数が千個以下になれば、閉経となり妊娠できなくなります。

残った20~30万個の卵子は、月経1回のサイクルあたり約千個ずつ減っていきます。つまり1年で1万2000個~1万3000個くらいは減っていく計算です。

こうして減って行った卵子の数は、37歳頃で残り2万5000個ほどにまで落ちます。数が減っていくことは最終的な妊娠確率にも影響するため、卵子が少しでも多く残っているうちから、残り千個に近くなるまでに不妊治療を進めることが大切です。

卵子の数が妊娠のチャンスに影響します

妊娠確率を上げるために、重要なのは卵子の数です。体内に保有している卵子の数が多ければ多いほど、不妊治療に使える時間は長くなります。

ポイントとしては、卵子の数が少ないからといって、1回の排卵あたりの妊娠確率が下がるわけではないという点です。

体内にある卵子は、排卵前にホルモンの影響で複数が卵胞の中で育っており、最終的に一番大きく育った1つの卵子だけが排卵という形で卵巣の外に出ます。

そして残りの中途半端に育った卵胞はしぼんでしまいます。このように排卵にあたって卵子は閉経が来るまで毎回消費されていくため、単純に数が多い方が一生涯に排卵できる数、つまり妊娠のチャンスは多くなります。

また卵子は数だけでなく質も大切です。卵子は年齢とともにその質がどんどんと落ちて行きます。

質というのは、どれだけ受精する力を持っているかということです。質の悪い卵子は、排卵の際のたった1個に選ばれたとしても、精子と出会っても妊娠することが難しくなります。

また受精したとしても流産してしまうこともあります。卵子の質はチェックすることができませんが、規則正しい生活を心がけることで、質の低下を防ぐことができるでしょう。

(まとめ)卵子の状態をチェックするのはなぜ?

1.卵子をチェックすることで妊娠の確率を上げることができます

卵子の数や質などによって、妊娠の確率が左右されます。

加齢によって妊娠の確率は下がっていくため、早めに卵子をチェックすることで、妊娠の計画を立てやすくなるのです。

2.卵子の数はAMH検査で調べることができます

卵子の数はAMH検査という血液検査で調べることができます。AMHで卵子の数が年齢に対して多いか少ないかで、不妊治療の今後のスケジュールを決めましょう。

ただし卵子の数が多くても質が悪いと妊娠しにくくなるため、あくまで目安とするのも大切です。

3.卵子の数は加齢とともに減っていきます

卵子は排卵で減るだけでなく、加齢によっても数を減らしていきます。初潮がきた時点で20~30万個あった卵子も、排卵や加齢の度に減っていき、37歳では2万5000個ほどにまで減るのです。

閉経までの時間を知り、それまでに不妊治療しなくてはなりません。

4.卵子の数が妊娠のチャンスに影響します

卵子の数は一定数が毎月排卵のために消費されていくため、卵子の数が多いと不妊治療ができる時間が長くなります。また卵子の質も受精確率に影響します。

質はチェックできませんが、規則正しい生活で質を保つことができるでしょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師