卵子の状態がわかる検査はなく、分かっても卵子の数までです


卵子が妊娠しやすい状態にあるかを検査で知ることはできませんが、精子は指標をもとに妊娠率を測ることはできます。そして血液検査をして卵巣予備能を把握することで妊娠を考える指標にはなります。

また見た目の若さが維持できても卵子の老化を食い止めることはできないため、妊娠適齢期を知り人生設計することもポイントです。実際第一子出産の年齢が上がっており二人目以降の妊娠が難しくなるため二人目不妊で悩むことがあるのです。

卵子の状態は検査できませんが精子の状態は検査で確認します

卵子に染色体異常があると、受精しても胚の成長が途中で止まるため流れてしまいます。それでは染色体異常のない、状態の良い卵子を検査で見つければよいのではと思いがちですが、そのような検査はありません。

しかし精子については、指標をもとに正常な精子と期待されるものを見分ける方法が行われています。

精子の状態を知る検査はある

不妊の原因は男性側が持っている場合もあり、不妊と診断された時は精子の状態を検査で確認しましょう。

精子の状態を確認する検査とは指標にもとづいて状態をチェックするものです。その指標とは、精液量・精子濃度・運動率・正常形態精子率・総精子数があります。

これらの数値が高ければ妊娠率が高いと言え、男性の場合年齢によって精子量は減っていきますがそれ以外についてはそれほど変わりません。

卵子をつくるにはリミットがある

卵子の状態は検査でわからない上に、卵子は一生つくり続けることができません。

今ある卵子のもとになる細胞が減るにつれて妊娠率も下がっていき、改善することも難しいため、女性側は妊娠にリミットがあるのです。

卵巣であとどれだけ卵子をつくれるかの検査はあります


どれだけ卵子になるための細胞が残っているかを調べる検査はあり、卵巣予備能を知ることは人生設計を考える指標の1つにはなります。そのため妊娠を望む時や避妊せず1年過ごしても妊娠に至らなかった時には、卵巣予備能を調べる検査を受けてみましょう。

卵巣予備能を調べる検査

卵子は卵巣にある卵胞が成熟してつくられますが、卵胞がどれだけあるかが卵巣予備能になります。これを調べる検査をAMH検査と言い、採血して含まれているAMH値を計測します。

この数値が高ければ卵胞が多く低ければ卵胞が少ないことを示しますが、あくまで卵子のもとの残りであり、妊娠率には直結していません。

妊娠は卵子の状態が関係する

卵胞の数だけで妊娠率を示すことができない理由に、妊娠には卵子の状態も関わっていることがあげられます。

そのため、たとえ数値が高くてもなかなか妊娠に至らなかったり、数値が低くても自然妊娠していたりするのです。したがって妊娠には卵子が正常に発育しやすい状態にあることが欠かせません。

卵子の状態を良くするための過ごし方を心がけましょう。

見た目の若さと卵巣の質は同じではないことを知りましょう

生まれた時から卵子をつくるもとの細胞を持っており、作り替えられることはありません。そのため成熟し卵子となって排卵される時を待ちながら徐々に消失し、残った物も同じく年齢を重ねます。

見た目の年齢はスキンケアやメイクなどあらゆる方法でアンチエイジングが叶いますが、卵子の老化はケアをしても改善できません。そのため妊娠しやすさはある年齢を境に下がっていくことを知っておきましょう。

妊娠適齢期とは

女性の妊娠適齢期は20代前半で、この時期は他と比べて卵子の状態が良いことから生物学的な根拠にもとづいています。実際1985年には25~29歳に第一子を出産する人がもっとも多く、適齢期に合った出産でしたが、2015年では30~34歳に第一子を出産する人がもっとも多くなりました。

これは女性の妊娠しやすさのピークからずれているため、望んでも妊娠しにくい人の割合が高くなっていると言えるでしょう。また、第二子以降を望んでも年齢が上がって妊娠率が大きく下がるため、二人目不妊に悩む人も増えていると言われています。

(まとめ)卵子の状態は検査をするとわかるの?

1.卵子の状態がわかる検査はなく、分かっても卵子の数までです

卵子の状態を検査で知ることはできないものの、精子は状態を指標にもとづいて知ることができます。卵子の数は血液検査でわかるため把握しておくことはおすすめです。

しかし見た目が若くても卵子も同じではないため、妊娠適齢期を知り妊娠の時期を考えましょう。

2.卵子の状態は検査できませんが精子の状態は検査で確認します

卵子の状態を調べる検査はないため染色体異常を発見することは難しいでしょう。一方精子は量や濃度などの指標で状態を確認できます。

また卵子は増やすことができないため、女性の妊娠には期限があるのです。

3.卵巣であとどれだけ卵子をつくれるかの検査はあります

卵巣予備能を知っておくことは、人生設計に役立つ指標になります。しかし卵胞の数が妊娠率ではないため、卵子の状態を良く維持するための生活習慣改善などを行いましょう。

4.見た目の若さと卵巣の質は同じではないことを知りましょう

持って生まれた卵子のもとになる細胞は作り替えることができず、減る一方です。妊娠適齢期はもっとも卵子の状態が良く妊娠しやすいですが、見た目を維持したとしても卵子の老化は防げないため不妊に悩む可能性があります。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師