卵子の老化を改善するには糖質制限が有効という説があります


卵子の老化を改善する方法として効果が期待されているのが、糖質制限です。
糖質制限はダイエットの分野でよく聞かれる言葉ですが、卵子の老化を改善する効果についても注目されるようになりました。

血糖値が高くなると体内の構成成分であるタンパク質と糖が結合し、タンパク質が劣化すると言われています。
このような身体の糖化は卵子の老化を招くだけでなく、動脈硬化や骨粗しょう症の原因にもなると考えられています。

AGEが卵子の老化に影響すると言われています

老化の原因として知られるものに活性酸素による酸化がありますが、糖分の摂り過ぎによる糖化も、老化を引き起こすという認識が広まっています。

糖分の過剰摂取によりAGE(終末糖化産物)が体内に蓄積され、卵子の老化を招く原因になると考えられているのです。

女性は誰でも年齢を重ねると肉体の老化に伴って、卵子の老化が進みますが、糖化している状態だと卵子が老化するスピードが加速すると言われています。

不妊症の人とそうではない人を比較した調査では、不妊症の人の方がAGEの値が高かったというデータがあるのです。
卵子の老化の原因となる糖化は、次のようなメカニズムで起こります。

パンケーキは生地を焼くとこんがりと色づいて、おいしそうな色合いになります。
これは糖化による現象で、材料の砂糖と卵や牛乳などのタンパク質が結びつき、性質が変化している状態です。

食べ物であれば糖化しても問題ありませんが、同じ現象が人間の体内で起こると、卵子の老化を引き起こします。
糖化によって生み出されたAGEが持つ毒性は強く、卵子に限らず人間の身体を老化させる原因物質だと指摘されているのです。

体内の糖化が進むと卵巣機能が低下し、受精しにくくなるとも言われています。
食べ物から摂取するAGEのうち、7%が体内に蓄積すると考えられているのです。

しかし糖分はエネルギーの材料となるので、糖分の摂取量がゼロになると、新たな問題を引き起こすことになります。
AGEを完全に防ぐことは難しいですが、糖化の進行を緩やかにする工夫をしていきましょう。

糖質制限を意識した食事が卵子の老化を抑える可能性があります


糖分は人間が生きていくために必要な栄養素になりますが、過剰な摂取は卵子の老化を招きます。
卵子の老化対策としては食生活を改善し、適正な量の糖分を摂取する習慣を身につけることが重要です。

糖質制限のポイントとしては、食事をする際にGI値が低い食品を優先的に選ぶと良いでしょう。
GI値とはグリセミック・インデックスの略で、食品ごとの血糖値が上昇する割合を、数値で表現したものです。

低GI値

全粒粉パスタ・トマト・ナス・レモン・イチゴ・サバ・アジ・ロース肉(牛・豚)・モモ肉(牛・豚・鶏)など。

中GI値

玄米・そば・カボチャ・サツマイモ・スイカ・バナナ・ウニ・練り物・焼き豚・ベーコンなど。

高GI値

精白米・うどん・食パン・ニンジン・ジャガイモ・ジャム・菓子類など。
卵子の老化を改善するには、食品のカロリーよりも、GI値を気にした方が効果的です。

不足しがちな栄養素はサプリメントで補いましょう

妊娠や出産を考えるのであれば、栄養バランスのよい食事は基本中の基本となります。
しかしながら、今までの食生活の習慣をいきなり変えるのは、難しいことが多いかもしれません。

急激な食生活の変化は、身体によい栄養素を補っているとしても、精神的なストレスになる可能性もあります。
妊娠しやすい体質への改善を目指して、医師と相談しながらムリのない食生活を考えてみましょう。

不妊治療を行うクリニックでは、独自のサプリメントを取り扱っているところがあります。
代表的なものは、不妊症に悩む方や妊娠を望む女性に推奨されている、葉酸のサプリメントです。

不足しがちな栄養素をサプリメントで補うのは、効果的な方法です。
サプリメントは卵子の老化を改善するものではありませんが、足りない栄養を補って妊活をサポートしてくれます。

(まとめ)卵子の老化を改善する方法はあるの?

1.卵子の老化を改善するには糖質制限が有効という説があります

糖質制限は、卵子の老化を改善できる方法として効果が期待されています。

血糖値が高くなると体内のタンパク質と糖が結合し、タンパク質が劣化すると言われています。
タンパク質の劣化は、卵子の劣化や他の疾患の原因にもなると考えられています。

2.AGEが卵子の老化に影響すると言われています

人間がエネルギーを作り出すのには糖分が必要ですが、余った糖分が蓄積すると体内の糖化が進みます。

蓄積した糖分はAGEと呼ばれ、卵子の老化をはじめとするさまざまな悪影響を引き起こす可能性があります。

3.糖質制限を意識した食事が卵子の老化を抑える可能性があります

糖分は人間が生きていく上で必要不可欠であるとはいえ、過剰摂取は卵子の老化の原因となります。

体内の老化を改善していくには、カロリーよりもGI値を気にして食事内容を考えましょう。

4.不足しがちな栄養素はサプリメントで補いましょう

栄養バランスのよい食生活は基本となりますが、急激な食生活の変化はストレスになることもあります。

医師と相談しながら、ムリなく食生活の改善を目指しましょう。
クリニック独自で取り扱っている、サプリメントを利用するのも効果的です。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師