卵子凍結は安全性の高い施術です


卵子凍結は排卵誘発剤を使用して卵子の成熟を促してから女性の卵子を採卵し、取り出した卵子を液体窒素で凍結保存する施術です。
採卵は卵胞穿刺で行われますが、入院が必要なく施術当日に帰宅できるため、比較的安全性の高い施術といえます。

採卵前の排卵誘発剤使用による副作用が生じる可能性などはありますが、医師の指示に従って注意していれば、大きな心配が生じることはないでしょう。

排卵誘発で副作用が生じる可能性があります

卵子凍結の施術は、主に病気の療養で生殖機能の低下が心配される場合や将来的に卵子の老化が生じる前に質のよい卵子を保存しておくために行われます。

初診時に診察と採血検査や超音波検査などの検査を行い、その検査結果から適した排卵誘発の方法が決まります。
妊娠に適していない状態だった場合など、健康状態に問題がある方は卵子凍結を行うことができません。

卵子凍結が可能な方の場合にはその後排卵誘発を行いますが、排卵誘発剤で副作用が起きる可能性はあるといわれます。
排卵誘発剤は一度の採卵でより多くの卵子を採ることができるように、卵巣内の卵子の成熟を促進するための薬です。

副作用には個人差がありますが、薬によって「卵巣過剰刺激症候群」にかかってしまうと卵巣内の卵子が育ちすぎて、卵巣が腫れるなどの症状が起きます。

卵巣腫大や腹水が生じ、重症化すると血栓症などの症状が現れるので注意が必要です。
喉が渇く・尿が減る・息苦しくなる・お腹が張るなどの自覚症状を感じたらすぐに医師に診てもらいましょう。

排卵誘発剤はたくさんの卵子が採れることで多くの卵子を保存でき、多くの中から質のいい卵子を選べるというメリットがあります。

卵子凍結時に生じる可能性があるリスクは体外受精のときと同じといえるでしょう


排卵誘発後の採卵は、超音波ガイド下で卵胞穿刺により行われます。
麻酔をしなくても受けることができ、数十分で終了する比較的安全な施術といえるでしょう。

まれに腹腔内出血が起きる可能性はありますが、実際の発症率はかなり低いといえます。
同じように、採卵時に膣内の細菌が腹腔内に入り発熱や腹痛などが生じる感染症にかかる可能性もわずかに見られる場合があります。

万が一出血が長く続く場合にはすぐに医師の診察を受けましょう。
排卵誘発や採卵時に起きる可能性のあるリスクは、体外受精や顕微授精など高度生殖医療を行う場合に生じるリスクと同じです。

体外受精などの時には卵巣から採卵を行ってから卵子を凍結せずにすぐ精子と受精させ、受精成功後には数日培養した後の胚を子宮内に戻します。

ところが卵子凍結の場合には、採卵が終わった後には凍結させた卵子が必要になるまでは特に何もすることなく過ごすことができるのです。

妊娠を望んだ時には、改めて採卵を行う必要がなく父親の精子と凍結していた卵子で顕微授精を行います。
卵子を凍結していた場合には、妊娠しやすい時期を選んで顕微授精を行うことも可能です。

卵子を凍結していても女性の年齢には注意が必要です

卵子を凍結することで卵子の老化を防ぐことができるといわれています。
女性は30代半ばから後半に妊娠する確率が下がるという統計結果が出ていますが、その原因が卵子の老化とされているのです。

女性の年齢が上がると、卵母細胞が卵子になるまでに行う減数分裂の途中で異常が発生しやすくなるといわれています。
卵子の染色体異常は妊娠率の低下や出生児の染色体異常の原因になるので、卵子の凍結保存で卵子の質を維持することで将来的に安心ができるといえるでしょう。

ただ多くの病院で、凍結していた卵子から育った受精卵を移植できるのは、女性の年齢が45歳までと定めています。
卵子の質を維持することができていても、女性が高齢になるほど妊娠率は下がり、妊娠糖尿病などの高齢出産時のリスクが生じる可能性もあるのです。

卵子凍結時の女性の年齢を39歳以下までと定める病院も多く、卵子凍結を行った年齢が遅い場合には妊娠率を心配に思うこともあるかもしれません。

少しでも早めに卵子凍結を行う方がいいこと、受精卵の移植が可能とされるギリギリの年齢までに受精卵を移植しなければならないという制限もリスクのひとつといえます。

(まとめ)卵子凍結の安全性は大丈夫?

1.卵子凍結は安全性の高い施術です

卵子凍結は卵子を採卵してから凍結保存を行う施術です。

採卵前の排卵誘発で副作用や採卵の施術に対してリスクが生じる可能性がありますが、比較的安全性の高い施術といえます。

2.排卵誘発で副作用が生じる可能性があります

卵子凍結の施術時には検査の後に排卵誘発を行いますが、排卵誘発剤で副作用が生じる可能性があります。

副作用には個人差がありますが、「卵巣過剰刺激症候群」にかかると重症化した時に血栓症などの症状が現れるので注意が必要です。

3.卵子凍結時に生じる可能性があるリスクは体外受精のときと同じといえるでしょう

排卵誘発後には卵胞穿刺による採卵が行われます。

排卵誘発や採卵時に起きる可能性のあるリスクが体外受精や顕微授精とほぼ同じといえるのです。
卵子凍結後の顕微授精では改めて採卵を行う必要がないというメリットがあります。

4.卵子を凍結していても女性の年齢には注意が必要です

卵子凍結では卵子の老化を防ぐことができるとされています。

ただし卵子を凍結していても女性の年齢が上がって妊娠率は少しずつ下がっていき、卵子凍結を行うことや受精卵を移植することが可能な年齢にも制限があるというリスクもあります。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032 東京都港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル3F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師