不妊症で妊娠する確率は手段や年齢で異なります


不妊症の治療においてとられる妊娠手段には基本となるタイミング法から体外受精まで、さまざまなものがあります。当然、どの手段かで妊娠確率も大きく異なるのが特徴です。

また妊娠する確率には夫婦の年齢も関係しており、加齢とともに妊娠する確率は下がります。

夫婦の年齢や治療の負担を考慮し、よく話し合って最適な選択をしていきましょう。

不妊症で妊娠するための手段にはさまざまなものがあります

不妊治療にあたり、多くの病院は検査で問題がなければ、最初は負担が少なく簡単な方法からはじめ、成果が現れなければ次の段階に進むというステップアップ式の治療を行います。たとえば最初に行うのは、病院の検査で排卵日を予測し、排卵日に合わせて性交渉を行うタイミング法です。

このタイミング法では、不妊症の人が妊娠する確率は1周期でわずか数%ほどと言われています。確率は低いもののこのタイミング法は1回あたりの金銭的負担も少なく、何回も行うことが可能であるのが特徴です。

5・6周期ほど続けても成果がなければ人工授精になることが多いでしょう。

人工授精の妊娠する確率としてはタイミング法の約2倍となる5~10%が目安となっています。さらにそれでも成果がない場合、あるいは高齢で時間がない場合などは、体外受精に踏み切る場合もあります。

体外受精は3つの方法のうちではもっとも確率が高く、30歳では20%以上ありますが、40歳を超えると5%を切ってしまうと言われています。

金銭的負担も、ステップアップするほど高くなっていく傾向にあります。回数を取るか確率を取るかよく考えて選ぶことも大切です。

妊娠する確率は35歳を過ぎると大幅に下がります


妊娠する確率に対して、年齢が大きく影響することも覚えておかなければなりません。不妊症の人が妊娠する確率は、とくに35歳を過ぎると急落していきます。

これには主に卵子の質が関係していると言われています。女性は生まれた時から持っている卵子を少しずつ使って妊娠しようとしますが、35歳を過ぎると体内にある卵子の老化が進みます。

卵子が老化してしまうと、仮に排卵して精子と出会っても受精できなかったり、うまく着床できなかったり、染色体異常で分裂できなかったり、流産したりする可能性が高くなっていくのです。

もともと、加齢によって少しずつ老化していくものではありますが、とくに老化が急速に進むと言われる節目が35歳です。

また卵子の質だけでなく総数も減っていくため、よい卵子が排卵される確率も少なくなっていきます。

仮にその病院での体外受精の成功率が数十%あったとしても、自分が同じ確率で妊娠できるとは限りません。もちろん、高齢でも妊娠できないわけではないため、諦める必要はないでしょう。

しかし時間が限られている以上、よりしっかりと計画を立てた上で不妊治療に臨む必要があります。

できるだけ早めに不妊治療を始めましょう

どんな方法で治療するにしろ、不妊治療は治療を開始してすぐに結果が出る、というわけにはなかなかいかないものです。不妊症の原因にもさまざまなものがあり、検査ですぐにわかるものもあれば、原因不明のままであることもあります。

1つの方法を試し、その方法で得た結果をもとに次の方法を試す、ということを繰り返すことで、不妊治療は徐々にその成功確率を高めていくのです。

そのため不妊治療にあたってはとにかく、できるだけ早く開始することが大切と言えます。

人によっては仕事やパートナーとの都合などで、なかなか不妊治療に踏み切れない場合もあるかもしれません。

しかし不妊治療を始めて3ヶ月以内に結果が出た夫婦もいれば、5年経ってもまだ不妊治療を続けている夫婦もいます。

確率はあくまで確率であり、絶対ではありません。

妊娠する確率を高めたいのであれば、できるだけ早く検査を受け、不妊治療に対する方針を決め、医師の指示のもと結果が出るまで回数を重ねていくことが大切です。

(まとめ)不妊症になると妊娠する確率はどのくらい?

1.不妊症で妊娠する確率は手段や年齢で異なります

不妊症の人が妊娠する確率には、どのような不妊治療をしていくか、あるいは今何歳かということが大きく関係しています。

そのため治療の負担を考慮して夫婦でよく話し合い、治療について決めていくことが大切です。

2.不妊症で妊娠するための手段にはさまざまなものがあります

不妊治療では、一周期で数%ほどの妊娠確率と言われるタイミング法や、タイミング法の2倍ほどの確率となる人工授精、さらに一番確率の高い体外受精などさまざまな方法があります。

金銭的負担や年齢など状況を考慮して選択されるでしょう。

3.妊娠する確率は35歳を過ぎると大幅に下がります

手段だけでなく年齢にも妊娠する確率は左右されます。とくに35歳を過ぎると、卵子の老化によって染色体異常や流産の確率などが高くなっていくため注意が必要です。

同じ手段でも妊娠する確率が下がります。しっかりと計画を立てましょう。

4.できるだけ早めに不妊治療を始めましょう

不妊症の場合は1つの方法を試して結果が出なければ、その結果をもとに次の方法を試すという方法を繰り返して精度を上げます。

その分時間がかかり、結果が出るまでには個人差もあるため、不妊治療はできるだけ早めに始めることが大切です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師