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不妊症の割合は、年齢が上がるほど高くなります
男性・女性ともに、年齢を重ねれば重ねるほど子供を作る能力が落ちていきます。そのため必然的に不妊症である割合も高くなっていくと考えられます。
ただし不妊症の原因にはさまざまなものがあるため、若いからといって安心することはできません。不妊症の定義と照らし合わせて判断し、慎重にライフプランを立てていきましょう。
6組に1組の夫婦が不妊症に悩んでいます
日本で結婚し、普通に性交渉のある夫婦のうち、10組に1組が実は不妊症であると言われています。そのうち、不妊症であることに悩み、検査を受けたり治療を受けたりしている夫婦の割合は、5.5組~6組に1組ほどです。
子供がほしいのにできないと悩んでいる人の中には、「結婚して3年以上経つけれど、まだ20代だから不妊症ではないはず」などと考える人もいるかもしれません。
しかし不妊症の定義は「1年間、適度な性交渉があるにも関わらず自然妊娠していない」というものです。
そのため結婚してからの年数や現在の年齢で、自分が不妊症かどうかを判断するのは実は不適切なのです。
不妊症かどうかに関わらず、高齢になればなるほど妊娠は難しくなります。また不妊治療は一般的に2年以内の治療で子供を授かるのが望ましいとされていますが、それ以上の期間治療を続けている夫婦も一定数います。
何年も様子を見るのでなく、1年自然妊娠することができなければ、その時点で病院に相談することが大切です。
加齢で不妊症の確率が上がり妊娠率が低下します
「1年以内に自然妊娠できなければ不妊症である」という定義を見ればわかるとおり、不妊症は不妊症そのものが何か重大な病気というわけではありません。子宮内膜症など病気が原因で不妊症になることはありますが、とくに病気が見つからないにも関わらず、不妊症になってしまうケースもあります。
そのため不妊症の割合を年齢で考えていくと、自然と年齢が高ければ高いほど不妊症の割合が高くなる、ということになります。
一般的に、高齢になればなるほど体の機能が落ちていき、その結果妊娠する力も弱くなっていくからです。
女性の年齢別に不妊症の割合を見ていくと、29歳以下では8.9%ほどだったのが、30~34歳で14.6%、35歳を超えると21.9%、40歳以上で28.9%とどんどん高くなっていきます。
一方で不妊治療を始めて体外受精を行い、実際に出産することができた人の割合は、30歳では19.9%ほどあるのに対し、40歳では7.7%にまで下がってしまっているのです。
年齢が高くなるほど不妊症の確率は高まり、治療したとしても出産できる可能性は低下していきます。
不妊で悩んでいるならできるだけ早く治療していきましょう。
高齢での不妊治療や出産にはさまざまなリスクがあります
「今はまだ仕事を優先したい」など、人によっては子供がなかなかできないと思いつつも、不妊治療に踏み出していない人もいるかもしれません。しかし加齢によるリスクの増加は、不妊治療においては大きな脅威です。
単純に妊娠率が下がるだけでなく、高齢になると子宮内膜症や妊娠中毒症などの病気にかかる確率も高くなっていきます。
またいざ妊娠したとしても、流産してしまうリスクや、あるいは染色体異常によってダウン症の赤ちゃんが生まれる可能性なども高くなっていくのです。
あるいは難産で母子ともに危険な状態になる可能性もあります。
その他にも忘れてはいけないのが、子供が無事生まれたあとのことです。高齢になってからの不妊治療で負担がかかりすぎて経済的に苦しくなったケースや、子供が成人する前に親が定年を迎えてしまうというようなケース、2人目3人目の妊娠を諦めざるを得なかったケースも見られます。
失った時間は取り戻すことができず、妊娠できる時間には限りがあります。出産前から数十年先のことまで見据えた上で、夫婦でよく話し合い不妊治療に関する選択をしていきましょう。
(まとめ)不妊症の割合は年齢に対してどれくらい?
一般的に高齢であればあるほど妊娠が難しくなるため、不妊症の割合も年齢が上がるのに比例していきます。
しかし若いうちから不妊症になる可能性もあるため、安心せず慎重にライフプランを立てましょう。
日本では10組に1組が不妊症で、6組に1組が不妊治療を受けているといわれます。1年自然妊娠しなければ不妊症を疑わなければなりません。
結婚して短いから、あるいは若いからと受診を後回しにしがちですが、できるだけ早めに病院へ相談しましょう。
不妊症そのものが病気というわけではないため、とくに体に異常が見つからなくても不妊症になることもあります。年齢が高くなるほど不妊症の割合が高まり、同時に無事出産できる確率が低下していきます。
早めの治療が肝心です。
高齢出産や不妊治療をする上での具体的なリスクとしては、子宮内膜症など病気の可能性が高くなるほか、流産や染色体異常によるダウン症の子供が生まれる確率の増加、難産等です。また経済的負担も大きくなります。
数十年先まで見据えた選択をしましょう。